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2016-01-11 | 吉本ばなな


吉本ばなな
『ハードボイルド/ハードラック』★★


「明けました~」
お正月はだらだらごろごろ
ハワイアンズに2回も行っちゃった ビバ地元!(笑)
本場に行けない人達がたくさんいた。

かならず行くBOOK-OFF♪で大量に文庫本を購入
新年早々読んだのはリリー・フランキー ゆるさがよき。
あと恩田陸の『ユージニア』うん。おもしろい。
図書館の本も含む未読本が山積みになっていて30冊ぐらいある。
ニヤニヤ(´ー`)



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誰かにとってなんでもないことでも、他の誰かにとって死に等しいほどつらいということもある。



思い出はいくつもの画像の固まりとなって、容赦なく私の心を暗くした。



この世には、なにかがふきだまっている場所が確実に存在し、そんなものには小さな個人はなるべくかかわらないほうがいい。



夜がすとんと幕をおろし、あたりは気持ちのよい澄んだ空気に満ちていた。








窓の外には、暗い山と、暗い町が見えた。街灯の明かりが点々とはるかに続いていた。私は、どこでもない所に来てしまった気がした。もうどこにも帰ることはできないような気がした。あの道はどこにも続いてないし、この旅に終わりはなく、朝はもう来ないような気がした。








本当は逃げ出したかった。違う町に、今日以外の時間の中に。しかし私はもうすっぽりとこの夜に、この寂しくおかしな雰囲気の中に体ごと入りこんでしまっていた。もうすでに目に映るもの全てになにかのフィルターがかかっていて、なにもかもまともには考えられなくなっている、そんな気がした。この夜の力に捕らえられてしまった。



温泉で満たされた小さな浴槽の、古いタイルのきれいな模様が水に揺れるのを見ていたら、少し気持ちがゆったりとしてきた。



早く朝になってほしかった。この温泉に身をひたすように、あのまぶしくてなにもかもを浄めてくれる朝の光に体をさらしたかった。まるで高熱がある時に通常の生活を思い浮かべることができないように、この夜の中でしか今は生きられないのがわかっていたからだ。








「あなたはまだわかっていない。いつだって、自分がいちばん大変で、自分さえ助かって、楽で、いちばん楽しければいいと思っているんだもの。」








人は、自分が相手に飽きたから、もしくは自分の意志で、あるいは相手の意思で別れたのだと思いこむものだ。でも、それは違う。季節が変わるように、時期が終わるのだ。ただそれだけだ。それは人間の意志でどうすることもできない。だから逆に言うと、それが来るその日まで、楽しく過ごすことも可能だ。
私たちは最後の最後までおだやかで、楽しかった。
そう思っていたのは私だけだろうか? いや、違うと思う。








「幽霊がこわいこわいってみんな言うけど、生きた人間のほうがよっぽどこわいわよ。」








そして最後に見たあの夢がまだ私の心の中に美しい余韻として残っていた。








「十一月ってなんだか空が高くて寂しいね。」

「君は何月が好き?」

「十一月。」

「あっそう。どうして?」

「空が高くて寂しくて、心細いような感じがして、どきどきして、自分が強くなったような感じがするから。でも、なにか空気に活気が感じられて、本当の冬がやってくるのを待っている状態でもあるの。」








空が高く、独特で透明で、木々の緑が少しずつ色褪せてゆこうとしていた。
風の中に甘く、枯れ葉の匂いが漂っている気がした。
「これからどんどん寒くなっていくんだろうね。」

「そうだね。この季節のきれいさは、何回見ても見飽きることはない。」



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平気なものね。
ほとんど思い出すこともなく消えてゆく。
支えが存在しているからだね。
①陽気な三枚目
②スマート男子
③アメリカ在住


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