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2014-10-13 | 翻訳物(ロシア文学)


トルストイ
望月哲男 訳
『アンナ・カレーニナ4』★★★

第四巻 最終巻~
月末月初遊び過ぎでちょっとブランクが生じたけど、、、
直島のお蕎麦屋さんの離れにて宿泊していた時に読破!!!
もぅアンナの独白、リョーヴィンの苦悩?に突っ込みを入れながら(笑)
望月さんの訳 読みやすかった。


「そうだ、死ぬんだ!・・・・・・」


「自分はいったい何者か?自分はどこにいるのか?なぜここにいるのか?」


自らの目の光を見てしまうアンナと、遠い星空の世界に真理の存在を投影するリョーヴィン
――相矛盾した感覚や志向
互いに抗いながら見事に共存していた。



複数の物語/複数の時空間

心理的時間の長さと濃さ

終わらない物語

光と闇








「他の男の人たちが、あんなに家庭的で優しい人までもが、こんなにわたしにまいってしまうというのに、いったいなぜあの人だけがわたしに冷たいんだろう?・・・・・・でも、冷たいわけじゃなくて、愛してくれてはいるんだわ、それはわかる。でも今のわたしたちのあいだには、何か新しい壁ができてしまった。なぜあの人は一晩中家を空けているのかしら?(中略)
あの人は、自分には別の仕事があるんだということをわたしに見せ付ける機会ができて嬉しいのよ。そんなことわたしにもわかっているし、反対する気もないわ。でもどうしてわざわざわたしにそのとを証明しなくてはならないの?あの人は、わたしへの愛によってあの人の自由が妨げられるべきではないということを、わたしに証明してみせたがっている。でもわたしに必要なのは証明なんかじゃなく愛情なのよ。(中略)
だってこれが暮らしって言えるかしら?わたしは生きているんじゃなくて、ただ結末を待っているだけだわ。だけどその結末、どんどん先に引き伸ばされていくばかり。返事は今日も来なかった!(中略)
わたしには何ひとつできないし、何ひとつ始められないし、何ひとつ変えることもできない。ただ我慢して、待って、暇つぶしにいろんなことに手を出しているだけ――(中略)
あの人はもっとわたしに同情してくれてもいいはずよ」
自分への憐憫の涙が目にあふれるのを意識しながら、彼女はそんな風に呟いていた。

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