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A

2016-01-17 | 311


朝日新聞特別報道部
『プロメテウスの罠3
 福島原発事故、新たなる真実』★★★

>いや、考えてみるとわれわれは忘れるほどのことを知っているのだろうか。知っていてこそ忘れることが出できる。ひょっとしたら、いまに至っても知らないことのほうが多いのではないだろうか。
そうだよね。
月日が経過しても知らなくてはいけないって。


楽しい読書も大事
娯楽でもある。
自然にあははと笑えること。
同時進行しているおちゃらけ旅行記ね。


よく言うONとOFF
色々考えさせられる。

選択肢が減ってゆく。
この先どうなるんだろう?

電力自由化のニュースをみてやっと進むのかとでも内容は複雑。。



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町中が原発事故処理の前線基地になっていた。

ええーっ、福島あ?



原発が電源を失い、原子炉を冷やす手段を喪失した場合の手順。
ベントをして、炉の圧力を下げ、水を注ぎ込み、炉心を冷やす。
ベントをすると放射能が外部に放出されるので、住民は屋内退去や避難が必要になる。

「安定ヨウ素剤を必要な全町民に飲ませる」

旧ソ連のチェルノブイリ原発事故のとき、子どもを中心に甲状腺がん患者が出た。
安定ヨウ素剤を飲み、甲状腺を放射性でない普通のヨウ素で満たしておくと、放射性ヨウ素は甲状腺に入れず、体外に排出される。
問題は飲ませるタイミングだ。
飲んでから24時間たつと甲状腺がんの予防効果はなくなる。副作用の恐れから、二度三度とは飲めない。だから早すぎる服用はだめだ。
放射性ヨウ素は無色透明で、機器で測定しないと、漂ってきたかどうかは分からない。


これまで政府は、原発は絶対事故を起こさないという安全神話を守る必要があった。そのため、安定ヨウ素剤は住民の手もとではなく、県庁や原発立地市町村に留めておかれた。



家が緑色になった

除染用の新兵器がある。ガンマカメラ。
手持ちのビデオカメラのような形をしていて、パソコンのモニタースクリーンにつながっている。
家に向けると、モニター画面に線量の分布が色で出てくる。線量が高いと赤、低いと青、それが256色で示される。
2012年3月、除染前の家を映した。赤系の色ばかりだった。7月20日、除染が済んだ。家は緑色になった。



最も線量が高い時期に大丈夫だといっておきながら、1ヵ月以上たったあとに避難指示を出し、その1ヵ月後までに避難させる。さらにそれから1年以上もたった2012年7月、線量の高さを理由に長泥はバリケードで封鎖された。なぜ今になって、という思いを持つ住民は多い。



「失ってみないと、今の暮らしのありがたさは分からないと思います」



名前に「ゴミ」がない

NUMO(ニューモ)の英名は「Nuclear Waste Management Organization of Japan」。訳せば「日本核廃棄物管理機構」なのだが、NUMOは日本語名を「原子力発電環境整備機構」としていた。waste、つまり「廃棄物」がない。
「なぜ廃棄物という言葉を入れないのか」
NUMOの仕事は原発が出す核廃棄物を処分することだ。「原発の環境整備」では訳が分からない。
原発は今やめても、すぐに出た廃棄物は処分しなければならない。
国民一人が80年間、利用する電力の半分を原発で賄えば、それで生じる危険な核のゴミ「高レベル放射性廃棄物」は、ガラス状に固めてゴルフボール3個分になる。1億人だとゴルフボール3億個。それは何が何でも安全に処分する必要がある。
「どうして名前でごまかそうとするのか。正面から国民に向き合い、きちんと説明しなければだめだ」



六ヶ所村がカネと引き換えに売り渡しているのは「安全」ではないか。









「村に帰りたいかと聞くと、お年寄りは『帰りたい』と答えますよね。それを聞いて、分かったような顔して『お年寄りは村に帰りたいと言っている、復興住宅を村に造る必要がある』なんてマスコミは書く、冗談じゃありません。帰りたいのは自分の家であり、先祖代々の土地です。村内の別の場所に押し込められても意味がないんです」

「そうだべ。30分、1時間いただけでマスコミは記事を書くが、ちょっといただけじゃ、なんにも分かんねえべ。何度も何度も来て、じっくり話を聞いてほしい」

不信の先は国会議員たちにも向けられる。国だって加害者じゃないか。なのに彼らは第三者の顔をして「支援してあげますよ、話を聞いてあげますよ」と近づいてくる。新幹線のグリーン車でやってきて、被災者を集めさせ、忙しそうに短時間だけ話を聞く。被災者はまじめに、一生懸命に語る。国会議員が帰ったあと、少なくとも一部の被災者は徒労感に包まれる。「聞いているふりしているが、あの人たちは何も聞いていない」

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