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2019-11-29 | 宮部みゆき



宮部みゆき
『レベル7』★★★

結構な厚みの文庫本
宮部さんのハードカーバーなんて重くて無理無理(苦笑)

表紙と「レベル」からゲーム関連な匂い。
ロールプレイングゲーム的なね。
正直そっち関係は興味が持てなくて、そこで前調べ。
書評は読まないようにしているのだけど、これはこれ。
こちら検索時のチラ見であまり高評価じゃないのが引っかかった。
というのも、始まりから「これはまたおもしろいぞ」と私的には高感触
一気に読み終えるのでは!?そんな期待すら。
宮部さんって「ハズレ」がない。

しかし『レベル7』早い段階で「ネタバレ」が始まるという・・
これが書評通りなのか!?
そうなの。自分で推理出来ないくせに、率先して推理されるとつまらなく。
これこうこうとクドさまで感じてしまった。
飽きない展開に持ってゆくのが作家の力量

なので前半★★★★高評価に対して、
後半★★★ ってことで、再読したいか考えて3つとしてみた。
私的に★★★★は数年後に再読したい本



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夜は、町の景観を一変させていた。
味気ないコンクリートの塀も気にならない。夕立は空気を洗って通りすぎ、涼しい風をあとに残していた。彼は塀の上に両肘を乗せ、煙草をくゆらせながら、しばらくのあいだ夜景に見惚れた。
どうしてこんなにたくさんの明かりがあるのだろう。おそらく、その一つ一つは、電気店やデパートの家庭電化製品売場で買い求められた、さして美しいものでもないのだろうに。ほこりをかぶり、内側に死んだ羽虫を閉じこめた、ペンキのは
げかけた街灯にすぎないのだろうに。
遠く、ひときわ明るく、東京タワーが見える。赤とオレンジのライトをいっぱいに身にまとい、非現実的なほど美しい。手をのばせばつかめそうなほど近くに見えるのも、そのライティングのせいだろう。
地上の明かりとは違い、周囲に建ち並んでいるマンションの窓明かりは、少しずつ色合いが異なっていた。カーテンのせいだ。たくさんの家庭に、たくさんのカーテン、その内側に、たくさんの人間たちがいる。
自分にも彼女にも。帰るべきカーテンの内側があるはずだった。それが、どこにあるのか、そして、果たして自分たちがそこに帰りたがっているのかどうかさえ、今はわからない。知りようもない、と思った。



「東京って、きれいな街ね」
「夜だけだよ」








自分はかつてここにいた、という実感が、初めてこみあげてきた。ネガがポジに変わるように、頭の奥底から記憶が立ち上がってくる。



起こったことの重さが、じわじわと感じられてきた。またひとつと、石が積まれてゆくように。温度が一度ずつ上がっていくように。負のエネルギーが貯えられて、臨界点に達するのを待っているかのように。



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読書ブログを流れ歩いて、宮部さんを多々読んでいる方に到達^^♪
知らない書籍名がまだまだあり、一体何作あるのか…楽しみは続く。

京都旅行には『長い長い殺人』を持参



あっという間に年末よね。
本日早速忘年会第一弾、明日第二弾・・


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