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2017-09-26 | 吉田修一


吉田修一
『橋を渡る』★★

夏季休暇9連休で帰省と小旅行
この先こんな長期休暇はないかも・・と思う(海外に行くのは別として)


何の前情報もなし(帯なし)で読む読む。
特にこの方の伝えたいことってただ読んでいるだけじゃ掴めないときが多々
それがおもしろいとも言えて。
世間一般って何?って思えてくる。



帰省してもいつも実家にいることがなく、
でも今回は新しい部屋も出来たしってことでハードカバー4冊持参
腰をすえてだらだら読書するぞ!と半意気込み
それ+脱スマホ!(PCはもちろん休暇中使用しない)
田舎生活にどっぷり漬かろうとわくわくしていたけど・・
しかし現実はむずかしく・・
昔ケータイがなかった時代ってみんなどうつながっていたんだろう?





台風一過



自由と孤独



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「人の夢の話、興味ないっす」



雨のせいで、館内はがらんとしている。人がいない広い空間というのは独特な雰囲気がある。がらんとしているというよりも、時間のようなものだけがそこにある感じだ。雨から逃れて、いろんな時間が慌てて雨宿りに駆け込んできたような、静かなのに忙しい感じとでも言えばいいのか。



きっといいことがある。
そんな気がした。
それがどんないいことなのかは分からなかったが、間違いなくこれからいろんないいことが自分を待っている。もちろん単純すぎるのは分かっていた。ただ、そう単純に思える自分がとても健康的で気持ちよかった。



ジリ、ジリと東京は音を立てて暑くなる。太陽が、でも、空気が、でもなく、まず地面から夏になる。



年を重ねていけば、周りに死は増える。死が少ないうちは不慮の死で、これがだんだんと多くなれば、「思いがけないこと」ではなくなるわけど。
不慮の対義語は、どんな言葉なのだろうか。一人の死は不慮だが、一万人の不慮の死というものがないとすれば、不慮の対義語は「計画的」とか「当然」という言葉になるのだろうか。



大通りから住宅街に入ると、途端に空気が変わる。向かっているのは、この古くからのお屋敷町にある原美術館だった。水曜日だけ、夜の八時まで開館している。



美しいものを見ていれば美しくなるというのは本当かもしれない。石垣島の空は海を見ている。そして海は空を見ている。



「いや、そうでもないよ『このドアは絶対に開かない』ってずっと言われ続けた
ら、たいがいの人間は別のドアを探すようになる」
「実際には、そのドアが開いても、ですか?」
「・・・・・・と思うぞ、俺は」



「何にでもタイミングってありますからね。タイミング次第で、まったく見え方が違ってくることがある」








いくら理解しようと努力してもできない。そんな人間がいるはずないと思う。いや、万が一そんなことを思う人間がいたとしても、それには何か理由があって、本当はそんな風には考えたくないのに、そう考えざる得ない理由があるのだと相手を忖度し、結局、そんな邪悪な人間など、やはりこの世に存在しないことにしてしまう。

「お前は正しい」そして「正しい奴は、たとえ自分が間違ったことをしても、それを正しいと思い込む」と。

「お前は正しい。そして、正しいというのは傲慢だ」と。








会話がなくなると、風の音が気になった。ときどき風に飛ばされた葉が、ガラス窓に音を立てて張りつく。

「棚にシェリー酒もあったけど」
「残っているワインでいいよ」



今朝の夢と同じだ。「ここから逃げないほうが安全なんですね?」
「ああ、ここから逃げないほうが安全なんだよ!」という言葉を、安全でないことを知っているのに繰り返している。



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都内にいると高齢化社会に実感がわかないけど(特に会社だと7、8割わたしより若い)
田舎で過ごす中 高齢化社会がひしひしと伝わってきて 正直こわくなった。
特に平日はどこへ行っても老人ばかりで浮いていると感じた。
昔目線で眺める田舎は空き家と空き地が増え、歩く人の姿もなく、
クルマ社会で成り立つ社会
危うい運転をする老人を多く目にした。





うちのわんこも歳を重ねて・・

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