パット・マガー
訳 大村美根子
『七人のおば』★★★
会社のコとの交換読書
ホント色々な作家さんを知っているわ。
創元推理文庫の隠れた(隠れてはない?(笑))名作です。
1986年8月22日 初版
--------(抜粋)
結婚し渡英したサリーの許へ届いた友人の手紙で、おばが夫を毒殺して自殺したことを知らされた。が、彼女にはおばが七人いるのに、肝心の名前が書いてなかった。サリーと夫のピーターは、おばたちと暮らした七年間を回想しながら、はたしてどのおばなのか、見当をつけようと試みる。一作ごとに趣向を凝らすマガーの代表作!
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「ご心配なく。ひと月もしないうちにクリスマスが来るわ。二週間のお休みを利用して、盛大に飲み歩きましょうよ。あたしのしたいことがわかる?五十二丁目の酒場全部をまわりたいの。ちっぽけなジャスの店から高級クラブに至るまで、ただの一軒も見落とさずにね。二週間でそのスケジュールをこなせると思う?」
「やってみよう」彼は即座に答えた。「きみがそうしたいなら」
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「人間ってものは必ずしも、然るべき事柄を悲しみ、然るべき機会に幸せを感じるってわけにはいかないの。世間のしきたりや陳腐な格言とは違ってね。日中とか他人の前では、もっともらしい反応をしてみせるつもりだけれど、夜に自分をごまかすのは無理よ」
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その通り夜に隠し通すことは無理・・
ちょうど半分ぐらいで一旦離脱
と言うかたくさんの登場人物のどたばた劇に疲れを覚えた次第
(あと時代錯誤的疲労も・・)
標題の通り7人のおばがいるわけで、その夫達を含め最低でも14人の人物把握は必須
集中力が持たないわ(/o\)
まぁ単純に考えればドリスが黒っぽく描かれているけど、そう単純でもないはずだし、
さて誰なのでしょう?
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「時々、ひどく不幸な、むなしい気持に襲われるのよ。自分の人生には何の意味もないって気がするの。まわりを石の壁で囲まれているみたいな感じ。頭をぶつけてみても、逃げ道は見つからないし、どこに行くあてもない。でも、ちょっとお酒を飲めば、そんな気分は消えてしまうわ。人生はそれほどひどいものじゃない、あたしの居場所はあるんだって思うのよ。何杯か続けて飲むと、ゆったりした波のように、満足感が全身にひろがるの。もう気持の乱れはなく、不幸でもない。物事がはっきりと見えて、自分の行く先がつかめるわ。くよくよしていた事柄を考え直し、取るに足らない悩みだったと悟るのよ。力があふれて、何に対してもちゃんと立ちむかえるの。自分の人生を見つめ、感謝したり幸福になったりする理由なら、いくらでもあるように感じるわ。いろいろ決心をして、必ず実行できるって自信が沸いてくる。まわりの状況を立派に処理することができて、失敗だってこわくない。だからこそ、物事を考えるためには飲まなくちゃならないの」
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P270 そろそろ後半戦
意外や意外な展開 バードが失踪 まさかね・・
さすがに二人のオンナに挟まれて疲れたんだろうね。
しかし下世話な世界だわ。
最後の数Pで真相が分かり終了
(聞いてないって?)