音楽とオーディオの備忘録

購入したレコード類やオーディオ機器の購入、調整&メンテナンスなどなど

TT-71(QL-7)メンテナンス(備忘)

2013-08-31 13:34:11 | オーディオ

オーディオ装置のメンテナンスでお世話になっているオヤジさんに修理してもらったTT-71(QL-7)が不調になった。現象は回転のワウ。おそらくは調整が狂ったのだろう。

この親父さん、仕事は逸品、人望も厚く非常に多忙な方だ。またお願いするのもなんなので、自分で再調整を兼ね、オーバーホールすることにした。

今回のメンテナンスの方針は以下の通り。

・もはや2軍確定のモーターだが青春のフォノモーターだ。いつでも使えるように完全オーバーホールする。
  ⇒電解コンデンサ、半固定VRはすべて交換する
  ⇒すべての半田修正を実施する
  ⇒必要な測定器は準備する

パーツとオシロスコープはRSコンポーネンツ、マルツパーツなどで調達した。

オシロスコープは真空管アンプ製作をやめた15年ほど前に「もういらん」と友人に無期限貸与してしまったので買い直し。今は本格的なしかも「テクトロ」のオシロがサラリーマンの小遣い程度で買えるなんて、良い時代になったものだ。

海外のサイトではTT-71(QL-7)の完全なサービスマニュアルが購入できるようだが、クレジットカードしか使えない。ネットでクレジットカードを使うのは嫌なので、むかーしもらったコピーの回路図だけで何とかしよう。※※※
回路図には調整に必要な正常動作時の波形や電圧などの情報が満載だ。これだけあれば修理は出来るだろうと、さっさとメンテナンスを開始する。

電解コンデンサは、同耐圧同容量と交換。半固定VRは慎重に外して抵抗値を確認、その抵抗値と新品の半固定VRの抵抗値をあわせてから取り付け。そうすると、調整も微調整で済むし万が一のトラブルも防げる。

QUAD44のメンテナンスの時とは異なり、部品数が少ないので交換はあっという間に完了。丁寧に半田補正を行ってあっけなく作業は終了。(物足りない(笑))

どれ、と動作させてみると33回転のワウは治っているが45回転ではまだ症状が確認できる。もうこれは調整不良によるものなので、ここで買ったばかりのオシロスコープの登場。

回転させながら波形を観測、取り替えたばかりの半固定VR801~804(VR802が33回転、VR803が45回転)を動かして、波形もぴたり、回転が落ち着き調整完了。他、回路図から読めるだけの必要な確認を行って作業終了。

Dsc_0988

一晩まわしっぱなしにしていたが問題なし。これで今回のメンテナンスは完了とする。

もう一度QL-7のキャビネットに組み直す。アームはWE-308N、カートリッジはEMPIRE 4000DIII、フォノイコライザーは入力抵抗を変更したYAMAHAのHA-5改。音空間にぽっかりとカレンの声が浮かぶ。ああ、いいな。

※念のため翌日トランジスタを交換し再調整。
2SC945⇒2SC1815(GR)
2SA733⇒2SA1015(GR)

※※さらには、他のトランジスタ、FET類も注文。予防保全をやっておきたいし、パーツ類を「無くなる前に」確保しておくという目的も兼ねての購入。

<追加購入パーツ類>
2SK34
2SD571L
2SC1573⇒2SC1515K
2SD313V⇒2SD2012
ネオンランプ(NE-2H)

2SK34や2SD571については、この石の劣化による故障もあるようで、予防保全のため交換しておくことにした。

2SC1573については、データシートで定格をみると1573>1515Kであるが、回路から行くと問題なさそうなので、この石を選定。(回転基準信号でネオンランプの点滅をスイッチングするための石のようなので)

2SD313Vについては、うまくデータシートを入手することが出来ず、2SD313で互換を探した。しかし互換情報で得られた石もすでに廃品種で手に入らない。更に色々調べて見たが2SD313とコンプリである2SB507の互換が2SB1375でそのコンプリが2SD2012であることがわかった。
単純な私は、なら2SD313と2SD2012は互換じゃん...とあっさり考えデータシートと回路図を見比べる。TT-71には1個しか使われていないが、良く見る安定化電源回路だし、2SD2012で定格的に十分いけると判断してこの石を選定。実は2SD313Vを取り扱っている会社を見つけたが、サイトがいかにもBtoBに見えたのでそこからの購入には気がひけてしまった。個人客(しかも趣味!!)でも相手にはしてもらえそうだが、気軽にネットで注文という感じの会社ではなさそうなのでご遠慮した次第。

ネオンランプは極々普通の100V用(NE-2H)を購入。Youtubeの動画と見比べると確かにうちのTT-71のストロボのちらつきが気になる。寿命か?。ネオンランプの両端の電圧が回路図で読める電圧より随分と低めに出ているので、他の影響かもしれない。今回購入したのはサイズが少し小さいがこんなのはどうにでもなる。色合いと明るさはどうかなあ。届いたら試してみよう。(まずは2SC1573を交換してみてからにする)

ICは4558DDはパーツボックスに在庫があったのでOK。だがSC3043やμPC1009Cはもはや入手不可(たぶん)。くれぐれも壊れないで欲しいもの。

※※※その後コンビニに昼食を買いに行ったときに、「ネットで使えるVisaプリペイドカード(e-さいふ)」(プリペイド式のクレジットカード)と言うのを見つけた。もしかしたらこれでQL-7のサービスマニュアルを海外サイトから安全にクレジットカードで購入する事が出来るかもしれないと試してみたところ、全く問題なく購入する事が出来た。クレジットカードを持っていても「ネットでクレジットカードを使う」と聞くと不安でしょうがない私の様な人間にとってはとても便利なシステムだし使いやすくていい。安全な少額決済をしたい方にはお勧めかもしれない。(手数料が高い!。3,000円分使えるカードで3,300円!)

<購入サイト>
http://www.servicemanuals.net/

トップ画面からService Manuals JVC QL-7 で検索すると引っ掛かってくる。
アカウントを登録し(日本の住所でも全くOK)、購入手続きを進め、カード番号や期限を入力し、無事承認&決済されると画面上のMy downloadのタグの中にファイルへのリンクができ、そこからダウンロードする。PDFファイルがZIPで圧縮されているので展開して利用。

※※※※9月6日追記
結局トランジスタ、FET類は、2SD313Vを除きすべて新品と交換した。

<交換した部品類>
この位やらないと気が済まない(笑)
Dsc_0994

2SC1573は2SC1515Kと交換したが、全く問題なく動作。ちらつきは少し良くなったかな?でもストロボの明るさは変わらない。ストロボのネオン管が暗めに感じたのはこのトランジスタの劣化ではなかったようだ。(もちろん、ストロボ回路の電源電圧はサービスマニュアル通り)。とは言え、NE-2Hに取り換えたり、私が真空管アンプを量産していた頃に買っていたサトーパーツ100Vのパイロットランプ(ネオン管)に交換してみたが、正常動作するものの、どうもいまひとつ明るさがピリッとこない。多少の劣化はあるが、実用上全く問題はないので、現在のネオン管をそのまま使う事にした。

想定はしていた事だが、トランジスタ、FETを交換したところ、設定点が大きく変わってしまった。調整しやすいように親父さんはパターンカットや定数の変更(VR802:6.8kΩ、803:6.8kΩ、R817:36kΩ、パターンカット部に抵抗の追加:10kΩなど)を行っていたが、トランジスタ、FETの交換によって安定ポイントが調整範囲外に行ってしまった。そのため、回路図通りに定数を戻すことにした。パターンカット部分はジャンパーし、調整用の半固定VRは同型の同抵抗値のものが手に入らず、代替品としたが、足の寸法が違うのでちょっとだけ工夫し、無事取り換えが完了した。

指の皮一枚の調整を行い、回転も位相もぴたりと決まり調整完了。何となく回り始めの回転に元気が出てきたような感じがするのは気のせいか。ストロボの止まり具合にも生気が。(笑)

しばらく、波形をモニターして問題なさそうなのでこれでメンテナンス完了とする。青春のTT-71が無事元の性能を取り戻した。
何せ学生時代に初めてアルバイトをして買ったセット(TT-71&WE308N)だ。サブ機としても長持ちして欲しいもの。
SC3043とμPC1009Cが欲しいなあ。どなたか在庫お持ちの方、譲っていただけませんか?

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2 コメント

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2SD313有ります (松本)
2016-04-06 13:17:59
2SD313 本物ですが 名古屋の第一アメ横ビルの二階の、古びたホビー店 ボントンhttp://www.bonton-nagoya.com/

で、売られていました!2SC945⇒2SC1815も、店主に聞いた所、C945の方が良い!と、言う話でそれもまだ大量に在庫がある様です!その他 水晶発振器も多く種類が有り、30年以上前の 半導体はここには数多く在ります!ICも廃盤になってしまったパーツも、数多くストックが有る様で、助かりました!
返信する
情報ありがとうございます (ブログ人)
2016-04-07 23:26:04
松本さんこんにちは。

名古屋のボントンですね、通販サイトもあるようなので
お邪魔してみます。

情報ありがとうございました!

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