音楽とオーディオの備忘録

購入したレコード類やオーディオ機器の購入、調整&メンテナンスなどなど

お買い物日記(DG-48&電源フィルターSFU-005-3C)

2022-04-22 20:13:00 | オーディオ

いつもお世話になっているオーディオ店にDG-48の出物があった。

DEQ-2496を10年近く使ってきて、あまり不満にも思っていなかったのだが、この出物、ロットは最終に近く、外観も美品で、何となく縁を感じさっさと決めて引き取ってきた。

マニュアルは非常にわかりづらく、操作上も感覚的にもわかりづらい。
DEQの感覚的に「ああそうか!」という感じではなく、極めて日本的でしかもスパルタなマニュアルなのである。

それでもDEQで随分と遊んだ経験がいき、シンプルヴォイシングでまずは補正をしてみたが、それだけでも
もう立派な音になった。

DEQでもきちんと調整すると実に整った音が出るのだが、やはりオーディオ専用機
だけあって、さらに整い方が精緻でしかも一音一音がのびやかでリアル。
(価格差以上と思う)

DG-48が部屋の癖どころか自作スピーカーの癖まで飲み込み、我が家のシステムは
数段階上の表現力を持つようになった。あとは上手にパレットに絵を描くだけと思う。
プリとパワーの間に入れたが、アナログ系、デジタル系どちらを演奏してもOKという絶妙な補正位置があるはず。これからその追及が楽しみ...。



ちなみに、同時期に導入した電源フィルターの効果があまりに絶大だったのでこれも備忘で記録しておく。


もともとNTTの交換局で電気通信設備に使用することを目的に開発された強力なノイズフィルター回路を
内蔵しているとのことで、我が家のように電源環境がそれほど良いとは言えないような環境では効果は絶大で、とにかくS/N感がびっくりするほど向上、音と音の間の空間の静寂さが際立ち、曲が生き生きと聴こえるようになった。





このフィルター、「オーディオグレード」と書かれたシール(笑)を貼れば10倍の価格で売れるかも??

良いお買い物ができました。





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お買い物日記(DG-100購入(カートリッジ消磁機))

2021-11-14 14:07:40 | オーディオ

久しぶりの更新。

いつもお世話になっているオーディオ店からお勧めがあって、カートリッジの消磁機を購入してきた。




この製品で、同社製EA-350の内蔵昇圧トランスや、我が家の全てのMCトランス、カートリッジを含むアナログ系すべて
根こそぎ消磁した。その効果はあまりに絶大で備忘録に残すことにする。

特にDL-103(Rを含む)やSPUへの効果は絶大で、そろそろダメかな....と思っていたが完全復活。
針先やダンパーの劣化は実は一般の利用ではあまり気にすることがないのかなとすら思う。
(常用している限り、音の鮮度が落ちてくるのは針でもダンパーの原因でもなく帯磁の影響が大きいということなんでしょうか...)

この製品で消磁することにより、我が家では全域で純度が復活、中高域では情報量と聴感上のS/Nが向上し、低域では
もやもや感やもどかしさが払拭、音像と音階が明快になって、音楽の生気が完全に蘇った。
針先やダンパー云々いう前に、磁化による劣化の大きさを実感した次第。
(空間にべたっと張り付いていた音像がほぐれてくっきり明快に空間に浮いて見える感じに変わるのは爽快なのです)

針先や、カンチレバー、ダンパーの劣化による音質の劣化もあるのだろうけれども、帯磁による劣化ってこんなに大きいのかな。

ちなみに、EA-350に装備されているカートリッジ消磁機能より、この製品による消磁効果の方がはるかに高いことを備忘として
記録しておく。
ショートによる消磁より、信号による消磁の方が効果が大きいのでしょうね。

よい買い物ができました。(今時まともなカートリッジを買おうとすれば、全盛期の3~5倍の予算は必要ですからね)

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お買い物日記(LAXMAN LXV-OT10、PT70EI(15V)、iFi iPurifier DC2、MUSES03、OPA627AP)

2021-05-01 19:00:37 | オーディオ

本の付録に真空管利用のフォノイコライザーキットが....と聞き、LXV-OT10を買った。

買おうかどうしようか迷っているときにYoutubeで「組み立てしてみた」...という動画を見て、決心し購入した次第。(飯田有抄さん、背中を押してくれてありがとうございました。)

デフォルトの仕様でもその音は「へぇこの値段でねぇ」とうならせるものではあったが、本領を発揮するのは改造後。
真空管交換はもとより、オペアンプ交換、コンデンサー交換などやることはたくさんあって、それらを考慮して設計されているのには感心した。

カートリッジからの入力用オペアンプは我が家で絶大な信用のあるOPA627AP×2、次段は初導入のMUSES03×2に変更(いずれも秋月電子通商で購入。ちなみにYahooオークションやAmazonでオペアンプは絶対に買わないのです。)、コンデンサーは大事に保管してあった虎の子のブラックゲート(懐かしい)やニチコンPURE GOLDなどに交換、交換せずそのままのコンデンサーもあるがそれらには小容量のフィルムコンデンサーをパラった。

真空管はSYLVANIAの軍用管JHS6189/12AU7WAに交換した。Youtubeの音楽之友社の動画を参考にダイオードも交換(オーバースペックだが我が家では真空管アンプ用として音質的に安心して多用しているU-07N)、あわせて真空管の交換時、力がかかってパターンを損傷するリスクを考慮し基板全体にハンダの補正を行った。

別売りの安定化電源(フィディリティムサウンド×stereo 15V仕様トランス電源アダプターPT70EI:ONTOMOのホームページで購入)の効果はあまりにも抜群で、使わない手はない。とにかく重くしっかりとした作りの電源装置で、怪しげなオカルトケーブルを買うくらいならよほど音質向上に寄与できる製品だ。電源をとことん強化すると音が根本から変わるという典型。これは素晴らしい。

さらにはYoutubeの動画でも紹介のあった、iFiのiPurifier DC2(ヨドバシカメラで購入)の素晴らしいノイズフィルター効果(測定した結果を報告している方のブログを見ても納得)とあわせると、もはや「本の付録のフォノイコライザーキット」の領域をはるかに超え、単体フォノイコの高級機の表現に相当近づく。総額8~9万円程度だが、同じコストでこれほどの音質のフォノイコライザーの市販完成品は他には皆無だと思う。

これは(いじれる人にとっては)とてつもなくコストパフォーマンスの高い製品ではないだろうか。改造後のLXV-OT10の音楽表現の彫りは半端なく深く外盤A級LPの真価がわかったような気がする。

改造前提の設計で、この価格でこの性能と機能(カーブコントロール)、そして改造による音質向上の拡張性は腕に自信のあるアナログファンたちに一石を投じたのではないかと思う。

最近は予備系であるこちらでしかレコードを聴いていないことに気が付いた...

これは作って楽しい、いじって楽しい、聴いて楽しい製品です。








※上の写真は初段MUSES03×2、次段OPA627AU×2の時のもの。オペアンプ用ヒートシンクを使い、一層の安定化を狙っている。





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お買い物日記(アキュフェーズ DP-570)音質に不満はないが....

2021-01-31 16:19:26 | オーディオ

 

久しぶりの更新。

我が家の長老CDプレーヤー、アキュフェーズDP-55は1996年に購入、数年前にピックアップを交換したものの、回転系メカニズムはそろそろ限界で、ディスクがメカ上を空滑りして読み込めなくなる現象が起こるようになってきた。
(SONY製メカで「トレイが出てこない病」を今まで発症しなかったのは不思議...。)

機嫌のよい時はなかなかよさげに歌ってくれるのだけれども、そろそろ寿命か。
この機会に一気にネットワークオーディオに行こうかとも思ったが、CD/SACDのコレクションはコレクションとして楽しみたい。
やはりディスクプレーヤーは必要だ.....さて、何を買おうか。

アナログとは違って、日進月歩(秒進分歩)のデジタル機器にまとまった金額を投資するのは何となく勿体なく感じてちょっとばかり悩んだが、アキュフェーズなら製品寿命は恐ろしく長いし、アフターの心配はない。
ここ数年アナログばかりやっていて、CDプレーヤーの活躍機会が少なかったが、これでコレクションも蘇る。

価格もまあ相応の後継機ということでDP-5*シリーズ後継の最新機種DP-570を購入することにした。

早速、お世話になっているオーディオ店に相談したところ、旭化成のパーツ工場火災の影響がアキュフェーズの生産にまで及んでおり、入荷に相当の時間がかかるとのこと。

まあいいや、と首を長くして年末年始をはさんでひと月半ほど待ち、やっと入荷し我が家へ。



(写真が暗い...)

筐体は随分と重くなったものだ。DP-55が10.8kgでDP-570は19kg。ひところの重量級プリメインアンプ並みだ。
DP-55と比較して重さは2倍弱、価格は3倍弱になった。(操作性は10倍悪くなった。追記で後述)

音質は比較するまでも無く、聴きなれたCDから頭がくらくらするほどの圧倒的な情報量を聴かせる。
DP-55では聴こえてこなかった細かい音のニュアンスがありありと聴こえてくるし、スピーカーを無視して空間が現れるさまは、もはや生々しいを通り越して気味が悪いほど。最高レベルのLPレコード演奏から、きれいにスクラッチノイズだけ取ったような音で、表現に熱さがある。(これは褒めすぎだ)

ちなみに、ほぼ同時期に、プリからはついに可変抵抗器を排除、パワーはA級になった。
これによる音のグレードアップよりもCDプレーヤー交換の方が遥かにインパクトは大きかった。
デジタルオーディオ技術の進歩は凄い。

良い買い物ができた....というよりは、とんでもないものを導入して持て余し気味、改めて修業が始まった....
という思いなのです。

-----追記-----
と思いきや、この機種にはとんでもない罠があったことがあとからわかった。
メカの仕様と思うが、巻き戻し(表現が古いね)がトラックの頭までしか出来ず、早送りはトラックの最後までしか出来ない。

これは何を意味しているかというと、トラックを跨いだ早送り、巻き戻しが不可能ということ。しかもトラック飛ばしや早送り、巻き戻しの動作はえらく鈍く遅い。
有名どころではベートーヴェンの田園など、楽章を切れ目なく演奏する曲があって、それぞれトラックが切られているCDがあるだろうに、そのつながりを聴きなおそうとすると、とてつもなく面倒。(やってみればわかる)
しかもカタログにも取説にもそういった仕様だとはどこにも書いておらず、最初故障かと思った。

スコアを見ながら「さっきの*楽章と**小節まで戻って聴きなおして確認しよう」といった聴き方においては、この操作性(の悪さ)は相当のストレスに
なるのでした。

ユーザーがPLAYボタンを押したら1曲目から80分間、頭から最後まで流しっぱなしで聴いているだけ、せいぜい操作してもトラック(曲)を選んで聴くだけ、な訳はないと思うのだけれども(そういう方もいらっしゃると思うが)、どうしてユーザーの聴き方、音楽の楽しみ方を縛るようにわざわざ操作性を落としてしまったのだろう。音質追及のためと言われればそうかもしれないが、DP-55の操作があまりに自由自在で軽快だっただけに残念度合が大きい。

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お買い物日記(DENON DL-103R)

2020-06-13 12:00:28 | オーディオ

2015年に購入したDL-103がそろそろ歪みだしてきたので、針交換しようと思い、この際!とDL-103Rを購入してひと月が経過した。






※カーボンスペーサー3段重ねで、SPUと交換したときにアーム高さを調整しなくとも良いようにしています。

103無印との音の違いは、これまで多くのアナログ好きの諸先輩方が語ってきたまさにそのもの。無印とは定格が異なるので音が違うのは当たり前とは言え、最近クラシックばかり聴いている自分にとってはぴったりはまってうれしい限り。
先日購入したフェーズメーションのフォノイコライザーEA-350との相性も非常に良く、何とも品よくしなやかでリアル。このままずっとこういう音が出続けて欲しいものです。

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レコードクリーニング

2020-06-13 11:29:33 | オーディオ

最近は中古LPばかり買っていて、ほとんどLPしか聴いていない。なのでレイカのバランスウォッシャーではランニングコストがちょっときつい。ネットでいろいろ調べたところ色々と代用できるものがあったので早速入手した。

ビスコ33の代用がこれ。
Bisco

 

クリーニング液はこれで作成。
Ipa
50%イソプロピルアルコールを同量の精製水で希釈してドライウェルを数滴加えて出来上がり。バランスウォッシャーの空き容器が役に立った。

ベンコットとビスコ33、比べると材質は良く似ているがベンコットの方が少し目が粗い。(それが価格の差か?)しかし音溝への食い付きには全く差は感じず、拭き上げ感が極めて良好なのは意外だった。お手製のクリーニング液も中々健闘していて、盤がとてもきれいになりノイズも少なくなる。しかもクリーニングに高濃度アルコールを使ったときの独特の音のパサパサ感も無い。ランニングコストがとても安上がりで、液はジャバジャバ、紙は惜しげもなく使用できるのは嬉しい。この組み合わせでしばらく使ってみようかな。

追記2020/6/13(元記事は2011-5-24)
ずーっとこの組み合わせでレコード清掃をしてきたが、しばらく前に、ケルヒャーの窓掃除用のバキュームクリーナーWV50を購入した。ホームセンターの長期在庫品のようでずいぶんと安かったが、何かピンときてこれはレコード清掃に使えそうと...買ってきた次第。(調べてみたら同じことをやってみた方がたくさんいらっしゃって、やはりなあ)



盤面清掃後の盤上に残った大量の汚れたクリーニング液をバキュームしてからベンコットで拭き上げるだけなのだが、WV50がとてもすっきりと吸引してくれるおかげで、拭き上げが非常に楽だし、汚れを吸い上げて盤上に残さないような感がとても気持ちが良いし、拭き上げ用のベンコットを大量に使用することもなく(せこい)、盤面を傷つけることもない。いわゆるバキューム式のレコード専用クリーナー機器を買うとそれなりの価格なので、購入に踏み切れない自分にとっては良い買い物でした。(レコード専用の超音波クリーナーが発売されたそうなのでそれは欲しいなあ...)

2020年6月現在、精製水や消毒用アルコールの入手が大変なのですが、医療機関など必要なところ向けを優先していただいて、はやく薬局で普通に買えるようになって欲しいものですね。

 

 

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お買い物日記(フォノイコライザー Phasemation EA-350)

2019-12-29 20:00:39 | オーディオ

前回の更新からずいぶんと日が経ってしまった。

SP-10R、WE-407/23、外周スタビライザー…の導入で一気にアナログ周りのグレードアップが図られたため、せっかくだからカートリッジのグレードアップも...ということで、こつこつと貯金をしていた。

ある程度予算的な目途がついてきたある日、ネットで気になる記事を見つけ記憶がよみがえってきた。

それは「MCカートリッジのバランス伝送」で、アンバランス伝送からバランス伝送にすることで、相当な音質向上効果が期待でき、同じカートリッジが別物のように鳴り始める...というもの。確か、CECのフォノイコライザーPH-53が発売された頃、バランス伝送で接続すると著しく音質向上が図られた....ということで一部で話題となっていたはず。(廉価なフォノイコライザーでバランス入力のあるものはこの機種くらいでした)

MCカートリッジのバランス伝送か....これは理にかなった事なのでぜひとも試してみたくなった。

MCカートリッジ利用の音質的メリットについては過去に使用していた多くのカートリッジからその片鱗を理解していたものの、簡単な針交換でリフレッシュでき、将来的に「安定した針の供給が少しでも期待(サードパーティ)できるMM」とは違い、MCは基本本体交換で長く愛用できるかどうかはカートリッジ本体を作ったメーカー次第なので、最新型の高級品にはどうしても二の足を踏んでいたところはある。だが、もし、そのバランス伝送とやらでうちのSPUやDL-103が化けるのであれば、このあたりのカートリッジなら市場での商品寿命は長そうだし、それもありか?.......でもちょっと待て、カートリッジを買うつもりで貯金してきたが慌てて買わないで、もう少し情報収集をしてみたら....いやいや、CDプレーヤーはどうなんだ?数年前にレーザーピックアップを交換済みだがそろそろデジタル機器的に陳腐化してきたからグレードアップを検討してみようか...などと、もんもんとした状況のところで、またまた出会いがあった。

お世話になっているオーディオ店に、フェーズメーションのフォノイコライザーEA-350の試聴機が入荷しており、なんと貸し出ししていただけることになった。買うにしても貯めていたカートリッジ代と比較して予算をオーバーしている機器だが、MCカートリッジのバランス伝送の効果が試せるのであればと試聴用のバランスケーブルもお借りし試してみることにした。

とりあえず手持ちのSPU-GE、SPUGold-GE、DL-103、MC10super2、AT-F3-2などを準備して試聴を開始した。

まずはアンバランス接続で。
SP-10R+WE-407/23、ケーブルはオヤイデのPA-2075(アンバランス)を使用、カートリッジは使い慣れたSPU-GEを取り付けた。
EA-350でアンバランス接続でMCカートリッジを演奏する場合は、「バランス接続・伝送に最適化されて設計された内蔵トランス」を無理矢理アンバランスで使用するような内部回路構成となるようで、こういう使い方はそもそも推奨されていないのでは?と思えた。(ハムが気になる)

とはいえ、やはりそれなりの値段のする単体フォノイコライザーだ。ちょい聴きでも品格の違いが明らかになる。
C-275Vの純正内蔵フォノイコライザー(AD-275V)や、相当に手を加え、もはや別物の音になったQUAD44(改)+アントレーET-100も健闘しているが、比較して聴くと品格と情報量、安定感、聴感上のS/Nで差は明らか。(小音量での再生で大きく差がでる)。試しにアンバランス接続で内蔵MCトランスとの差を比較してみたがET-100もかなりのものだ。

さて、気を良くして、借用した純正のバランスケーブルに取替え、メーカー推奨接続として試聴してみよう。(カートリッジはSPU-GEのまま)

..................

これは驚いた。
アンバランスで接続(内蔵MCトランス利用)していた時に気になったハムはバランス接続することですっかり消えた。
ケーブルを変えると音が変わるなどというプラシーボレベルの音の変化ではなく、聴感上のS/Nが大きく向上し、音の出方の根本が変わった。バランス接続・伝送に最適化されて設計された内蔵トランスが本領を発揮したか?あるいはこの音の出方こそがバランス伝送ならではのメリットなのか。

出る音はどこかの高級オーディオ店の試聴室で聴けるような海外ハイエンド風。音量を上げても決してやかましく騒がしくならず、下げても音量が下がるだけで空間に浮かぶ音の存在感、実態感が変わらず、一音一音が軽々と空間に浮かびその瑞々しさとつややかさ、そして存在感に耳が引き込まれる。

特に最高域の自然な伸びやかさと深々と澄んだ最低域(音階が混濁しない)、上下左右前後の音場再生能力の高さには驚いた。ぎゅっと引き締まった音像たちがリアルに空間にぽっかりと実態感をもって浮かび宙を舞う。

これは昔々、あのUESUGIの上杉さんに聴かせていただき衝撃を受け、その後自分の音の手本とさせていただいてきた、いまだに耳に残っている「あの音」を思い起こす。(しかしまだまだ道半ば...なのです)

また、我が家で課題だった最低域の楽器の存在感や音階表現のもどかしさはスピーカーの形式や部屋のせいとあきらめていて、泥沼のようなセッティングや音場補正作業を繰り返してきたが、実は「入口」の問題だったことがわかった。(CDプレーヤーもそろそろ寿命ということか…)一方で、うちのアンプとスピーカーはこれほどの再生能力を持っていたということを改めて認識、これまでそれらの潜在能力を発揮させることができていなかったことに大いに反省した。

さて、あまりの音の変化に、いささか興奮ぎみになり、カートリッジをSPU-GEからDL-103やMC-10super2などに変えて聴いてみる。DL-103ってこんなに表現力があったのか...MC-10super2は今まで気になっていたほんの少しのエグ味が消え瑞々しくのびやか、AT-F3-2では「圧倒的ハイコストパフォーマンス(だったっけ...)」と評した長岡鉄男氏の言葉が頭によみがえる立派な音。我が家で聴くソースからいくと、これらのカートリッジでグレード的にもう十分だ。SPUとDL-103を中心に据え、あとはお遊び、宝くじが当たったら高価なMCカートリッジを買うことにしよう。

で、ここまできて、もはや試聴機を返す気は全く無くなってしまい、即オーディオ店に注文の連絡をした。

将来プリアンプの更改をするにしても、今のうちにこれだけ素晴らしい単体フォノイコライザーを導入してしまえば、プリ更改時にフォノ入力オプションの心配をする必要がなく、それだけでも少しは気分が楽になった。

今回のお買い物は、予算をはるかにオーバーしたが、狙ってどうだったという事でもなく、目論んでどうだったという事でもなく、さんざん悩んでいるうちにいつの間にか流れで手元にきてそのままきれいに手元に収まったようなもの。

とはいえ我が家の音質の大きな課題を、予想もしなかったことで解決してくれたのでとても良い買い物でした。

 

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お買い物日記(テクニクス SP-10R)

2018-07-16 15:11:10 | オーディオ

久しぶりの更新。

以前もブログに書いたような記憶があるが、就職した頃は、学生時代よりはるかに自由にできるお金が増え、その頃はアナログ終焉は見えていたもののフォノモーターやトーンアームなどのアナログ機器はいつでも買える…と思っていた。

ところが、背負い込むものが日に日に増え、仕事・プライベートと忙殺されているうちに、いつの間にか市場からこれらのアナログ用機器が無くなってしまい、結局憧れのモーターやアームを手に入れずじまいとなっていた。

オーディオを復活してからは、「いつかは過去に使っていたものをもう一度入手して真価を問うてみたい」、また、
「当時あこがれた有名製品を使ってみたい」という思いが日に日に強くなってきて、そんな時に何のご縁か私のアナログオーディオの原点であるWE-308Nに再会、改めて入手したのであった。

それから数年経って「テクニクス、SP-10を復刻」との嬉しいニュースが飛び込んできた。想定よりも上の強気な価格設定(SP-10MK3の定価×2+α程度と予測していた)であったが、世界最高のDDフォノモーターだし、おそらくはこれがあればプレーヤー遊びも落ち着くだろう....などなどを考慮して、これは買うしかあるまいという判断で即発注した。

キャビネットは、自作も考えたが、市販の製品と組み合わせた。この値段でこの重量と工作精度、美しい仕上げには感心するばかりで、下手に自作するよりも安上がりなのではないかとすら思う。

SP-10MK2やSP-10Rと組み合わせると、非常に合理的な配置で何ともマニアックで格好いい。往年のビクターやDENONの純正キャビネットの長岡式チューン版とも言える逸品で、こんな素晴らしい商品を企画してくれたMASTAZさんには感謝感謝である。

さすがにここまでの重量があると下手なインシュレーターは使えないので、リジッドなセッティングとした。水平調整にブチルゴムシートとfoQを利用した程度だが、ハウリングマージンは十分に確保出来た。(特に意図してブチルゴムシートやfoQを使ったわけではなく、水平を微調整するためのゴムとして厚みがちょうどよかっただけなのです)

アームベース部はもともと非常に重く、しっかりとしたものであったが、お約束で鉛インゴットを乗せ、全体の総重量は40kg近くになった。さっそく適当なレコードを演奏すると、本来308Nはハイマス・ローコンカートリッジには相性は良くないはずだが、SPU-GEがしなやかでしかもゆるぎなく高S/Nで何とも品良く鳴っている。
サードパーティ製の追加ウェイトを外し、カートリッジをV15V-MRに交換すると一音一音がさらにのびやかになって、上下前後左右の3次元的な広がり感が出てきた。一聴してわかる圧倒的なS/N感に思わずのけぞる。(単にアームとの相性だと思います....SPU専用にアームが欲しいなあ)
しかも音像の立ち方のリアルさと言ったら.....なんともわくわくとして楽しい。使い慣れたトーンアーム、カートリッジなのに、同じレコードが全然違って聴こえる。
時間をかけて所有するレコードを
一枚一枚味わい尽くしたい。

ところで、今回このシステム導入で気が付いたことを少々。
・アーム調整(高さとオーバーハング)はとにかく厳密に。
(キャビネットの水平確保が大前提)
⇒SAECの調整はつきつめるとなかなか難しい。簡単にカートリッジ交換をして音の違いを楽しむような作りではないことを改めて認識。
(このモーター・キャビネットと組み合わせてみて改めてわかった)

・凝りに凝って設計されたターンテーブル構造のためか、下手なターンテーブルシートを使うくらいなら純正品で十分。
⇒有名なゴム系シート(JP-501/701、THT291)は我が家では今ひとつ。金属系シートはこのモーターの場合は慣性モーメント向上以外にメリットが無さそうで、テクニクス渾身のターンテーブルの設計と工作精度を損なうようにも思えたので、導入はしばらく見送る。

・スタビライザーは最小限で。
⇒盤のそり対策で外周スタビライザーは欲しいところ。

あと四半世紀は余裕で元気に動作してくれるだろう。そう考えれば安い買い物かもしれない。大事に使おう。

で結局我慢できずにWE-407/23を購入した。この組み合わせは格好良すぎて(個人的感想)一日中眺めていても飽きない。
音はもう相当の域かと思う。外周スタビとSPUシナジー、何とか手に入れたい。







 

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お買い物日記(SME 3009S3)

2017-02-05 19:30:06 | オーディオ

3009S3用キャリングアームCA1の端子が不調で、ケーブル交換を含めてメンテナンスを依頼しようかと思い、ネットを検索したところ非常に手ごろな金額で状態の良い中古の3009S3本体が見つかった。

フルイドダンパーまわりのパーツはやはり一部欠品(完全に揃っている中古を見たことが無い)だが、オイルに浸すパーツは2個ほど残っていたので、適合するネジだけ買えばオイルダンプの効果を試せそう。

また、現在使用中の3009S3はV15VxMRつきで本体のみ購入したもので、フルイドダンパー周りのパーツはすべて欠品、3009S3Sの箱に入れてもらって持ち帰ってきたこともあり、純正箱とCA1&FD200を買うつもりで購入を決めた。

届いた箱を見ると、おお、かっこいいな(笑)。見慣れない治具はラテラルバランスセッティング用か。ウェイトは完品で、カートリッジとシェルの間につけるダンプ剤も使用した形跡は無い。

ただ、フルイドダンパーは使用していたようで、オイル溜めには使用の形跡があり、オイルに浸すパーツ1つと、そのパーツを止める純正の立派なネジが無い。ネジ(M2)は代用で何とかできるのだがそんな大事なものをどうして無くしたりするんだろう。(ここの純正ネジはそう簡単に手に入らないのですよ。M3なら代用化粧ネジがあるのだがM2はそうそう見つからない)

気を取り直して、まずはと、エアダスターと軽く水を含ませたメラミンスポンジ(激おち君)を使って本体を丁寧に慎重に清掃し(前のオーナーが喫煙しながら音楽を楽しんでいた事が良くわかる)、オイル溜めは濃いめの洗剤と綿棒で洗浄し、ぴかぴかの出来立て状態に戻った。

これまで使っていた3009S3と総取替し(もちろんグロメットは新品に交換)、まずはオイルを入れないで音を確認する。

フォノイコライザーはQUAD44で、カートリッジは今回初めて組み合わせる2mBLUE。音の立ち方、S/N感が素晴らしい。彫りの深さと切れの良さ、響きの美しさはアームとの相性も良いのだろう。カーゾンのピアノが美しい。家族も「きれいな音だね」。

ここでダンピングオイルを注入。純正品があんまりなので、AZ(エーゼット)の粘度100,000cStのシリコンオイルを使用した。このAZの商品は狭いところに注入しやすいようなパッケージなので実に使いやすい。FD200のマニュアルによると純正ダンピングオイルの粘度は200,000cStとのこと。今売られているFD2013も同じなのかな。

ちなみに純正リフターオイル(3423)の粘度はどの位なんだろうと調べてみたがわからなかった。値段があまりに違うので中身が同じものとは思えないが....

注入後しばらく放置しておいてオイルが馴染んだのち、リフターを上げ水平方向(レコードの内周方向)に手で動かしてみる。
急に動かすと制動がかかり、ゆっくり動かすと制動がかからない。程よくダンピングが効いているようだ。
オーディオクラフトのワンポイントアームやパイオニアのPL-70Lのアームをいじった時の独特の感触を思い出した。

さらにカートリッジを常用のV15type5に戻し音を聴いてみると....



おおお、そうか、3009S3はフルイドダンパーを使ってこその高性能機だったのか。音ひとつひとつが美しく磨かれ、一聴するとおとなしくなったような感じがするが、今まで元気の良さや音の隈取として聴こえていたのが、実は音の際(きわ)の「余計な毛羽立ちによる刺激感」だったという事にすぐに気づく。
 
これを「音が死んだ」と見るか、「美しくなった」と見るかは人によってソースによって違うのだろうが私にとっては明かな「グレードアップ」である。
 
キャンつき気味に聴こえた盤や荒れた音が出ていた盤が、随分と聴き易くなった。
レコードやカートリッジのそばでオイルを扱う事に抵抗があって、今までフルイドダンパーを使おうとは思っていなかったが反省することしきりである。
次はダンピングオイルの粘度による音の違いを確認してみよう。カートリッジのコンプライアンスによって最適なオイル粘度があるはず。AZのオイルは簡単に手に入るし、粘度もいろいろあって試しやすいのでさっそく発注しよう。

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お買い物日記(TT-71(QL-7)メンテナンス(備忘その2))

2016-08-28 14:49:48 | オーディオ

久しぶりの更新。
今回はビクターQL-7のジャンク品を見つけたのでその報告を。やはり、行きつけのオーディオ店には日ごろからきちんと欲しいものの話をしておき、お願いをしておくものだ。


とにかく外観は綺麗、最初は正常に回転するが、時間が経過すると回転が揺らいでくるという、よくある症状とのことで、それならば自分も修理の経験があるので治せそうだ...との判断から購入を決め、さっさと持って帰ってきた。Victorのロゴも新しく、これはすでに修理&オーバーホール経験のあるTT-71と同じバージョンと想定できたことも購入決定の判断材料である。TT-71には新旧のバージョンがあって、古いものだとモジュールを使用しているので修理に難儀する可能性があるから...。

(TTシリーズのフォノモーターを買うときはVictorロゴのチェックは必須。ゴシックの太字ロゴの方が同じ機種でも製造年度が新しい。あえて写真を不鮮明にしてこのロゴを見にくくしている悪質なオークション出品者もいるから要注意....とはよくお邪魔するオーディオ店のご常連さんからの情報)

QL-7(TT-71)ばかり集めてどうするんだとのひとり突っ込みをよそに、修理とメンテナンスを始める。
(青春のフォノモーターだし...。予備で一台持っていてもバチはあたらないだろう。たぶん)

回転の揺らぎは4つの半固定VRを手持ちパーツで交換、もう一台のTT-71のメンテナンス時に購入したオシロスコープを使って調整しあっさり修理完了。何時間回しても変な揺らぎは起こらない。

前回TT-71をメンテナンスした際にはネオンランプが劣化していて、あれやこれや画策するも、同じネオン管が手に入らず光の色合いが少々黄色の強い感じになってしまったが、今回購入したTT-71は何もせずともしっかりと赤々と点灯、とても引き締まって見える。

これで手を入れるのを終了とも思ったが、年数の経過している製品なので、どうせなら前回と同様にしっかりとオーバーホールしてやろうと思い、在庫部品を確認し足りない部品を調達した。

で、最終的に交換した部品は以下の通り。

・すべてのトランジスタ、FET、オペアンプ
以前は手に入らなかった2SC1573や2SD313が手に入るようになって嬉しい。
(情報ありがとうございました!ブログやっててよかったなあ)
2SC945⇒2SC1815(GR)
2SA733⇒2SA1015(GR)
2SK34
2SD571L
2SC1573
2SD313V⇒2SD313E
4558DD

・すべての電解コンデンサ
容量耐圧は割愛。今は同じ耐圧でもサイズが随分小さくなったので、手持ち品がうまく利活用できた。容量さえ合っていれば、耐圧が高いもので代用しても何も問題はないのだが、この時代のものと比較して現在の電解コンデンサは同じ容量耐圧3倍で同じ大きさなので、技術の進歩は凄いな。(40年近く前の製品だしなあ)

念のため外した電解コンデンサすべてを容量計で調べてみたが、容量の点で劣化しているものは無かった。

・半固定VR
抵抗値は割愛。22kΩの同型の半固定VRがネットで見つけられなかったので代わりに手持ちの30kΩを利用。ほんの少しだけ調整がクリティカルになるが何ら問題はない。

・ヒューズクリップ⇒ヒューズホルダー(MF550C)
これは危険だった。なぜかと言うとこのQL-7(TT-71)、修理歴があった(半田面でわかった)のだが、オーバーホール後の最終確認時に、よくよくヒューズクリップをみるとヒューズの金属部分を挟んでいる部分に隙間があり、あれ?と触ったとたんにクリップがぽろりと折れてしまった。それまでの動作確認の際によく接触していたものだ。(冷汗。そう言えば修理や点検の際には電源からというありがたい教えがあったのを思い出した....)

おそらくはこれを最初に修理した方が、修理のためヒューズを外すときに、無理に負荷をかけクリップ部の根元を痛めてしまったのだろう。

これはいかんと、同じ形状のクリップをネットで探したが、手配に時間がかかるのが嫌だったので近所のパーツ屋に売っている基板用ヒューズホルダーと交換することとした。基板にふたつ穴をあける必要があるが、現物合わせでリードピンの位置を確認し、基板用電動ドリルできゅんきゅんと1.5mmの穴をあけしっかり半田付けしあっという間に作業完了。もちろんヒューズそのものも新しいものに交換した。

カバーのついたヒューズホルダーはかっこいい。




で、無事オーバーホール完了。SC3043やμPC1009Cは入手が極めて極めて極めて困難なのでくれぐれも壊れないで欲しいもの。9504kHzの水晶も同様。(水晶は特注で何とかなるけれど)

たまには回してあげながら長持ちさせるつもり。次はTT-81か101が欲しいな。(どちらも71と比較してとても高い.....)

 

ところで.... 

製品名+回路図で検索されてこのブログにご訪問くださる方もいらっしゃるようなので私がよく利用する海外サイト

(日本語OK)をご紹介しておきます。

https://www.servicemanuals.net/

メーカー名はJVC、機種はQL7で検索するとTT71の回路図を含めたサービスマニュアル(英語)を入手できます。
(有料。クレジットカード要。) 
DP80のサービスマニュアルもここで入手しました。なんとも良い時代ですね.....

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お買い物日記(N55E、奏-KANADE-)

2016-03-13 22:35:56 | オーディオ

M44Gは現状2個所有していて、ひとつは現行品、ひとつはいわゆるカモメマークのもの。現行品にはユニオンの赤針(N44GCR)を装着、カモメにはN44GPHを取り付け、相性の良い3009S2impでご機嫌に聴いていたが、気に入っていたN44GPHが生産中止、購入から5年も経てば(100時間超は聴いたかな)さすがに劣化も進むので交換針を買うこととした。せっかくなので互換のある楕円針のN55Eを試すことにし、あわせてレコードクリーナー「奏-KANADE-」をJICOに注文した。

で、無事届く。

N55EはM44G本体にぴたり、見た目にも全く違和感がない。見た目が明るくなったがこれは愛嬌。JICOの推奨針圧が0.75g-2.0gなので、とりあえず1.8gに設定して聴いてみた。iPhonoの負荷容量設定はそのまま300pFでいじらない(当たり前か)。


わあ、いいなあ。

トレースは全く問題なし。「元気の良さとメタリックな粗さ」は「音楽の活きの良さ」に変わり、M44Gの音楽再生の懐が深くなったよう。クラシックもJAZZもロックもOK、低めの音量でのんびり静かに聴いていると、これ以上何が必要だろうかとすら思ってしまう。JAZZやロック、ボーカルものは生気があって乗りが良く、オーケストラではスピーカーとスピーカーの間に各パートの音塊がぽっかりしなやかに実体感をもって浮かぶ。

もちろん、外盤A級ものや録音が極度に良い盤を、目のやり場に困るようなぎょっとするようなリアルさで聴こうと思えば全く物足りないが、これはこれで良いではないか...と納得してしまう音。オリジナルのN55Eならもっと良いのかなとも思うが今となっては....である。

M44Gの針にはN55E(オリジナル)が一番相性が良いとネットで見かけたことがあるが、互換でこのくらい良ければ確かに....と納得。これは良い買い物ができた。これからM44Gの出番が増えそうだ。
(そういえば最近3009S2impにとりつけるカートリッジはM91EDとかM44Gばかりで、V15タイプ3は完全に休眠してしまった)


「奏-KANADE-」はJICOのサイトで読める「なんダイヤ!?」のバックナンバーの短い記事を読み、購入を決めた。新しい商品を企画し、販売までこぎつけるには、並々ならぬエネルギーが必要で、この若手の社員さんは、おそらく相当に苦労されたのではないだろうか。この記事には上司や同僚の厳しくも暖かい眼差しと、本人の苦労が文字の隙間に見え隠れしている。これは購入への大きなモチベーションとなった。

檜で作られている入れ物の意匠はここまでやるかというような手の込んだもので(檜の香りがとてもいい)クリーナー本体は手へのなじみ感(革の手触りと暖かみ)がとても良く、もちろんクリーナーとしての性能も抜群で、クリーニング中に発生する静電気も少ない。鹿革シートと組み合わせて使用するともう元にはもどれない。もっと早く買うべきだったなあ。限定品なので在庫があってよかった。

とても良い品なのでレコードファンにはお勧めです。

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お買い物日記(N91ED)

2016-03-06 00:22:21 | オーディオ

久しぶりにオーディオ屋めぐりをしていたら、こんなものを見つけた。


SHUREのN91EDで、もちろんオリジナル針。
前のオーナーはほとんど使っていなかったとのことだが、さすがに古いものなのでジャンク扱いという事で買ってきた。
確かにムクの針先はぴかぴかだがダンパーは大丈夫だろうか。

クリーニングブラシで確認すると、V15タイプ4のオリジナル針のような経年でのダンパー固化はしていないようだ。
ほっとしてセッティングを開始、すでに3009S2impにはJICO針付きのM91EDがセットされていたのでそのまま針だけ
差し替え、針圧は1.25gに設定し聴いてみた。

うむむ、何を聴いてもオリジナル針は音のリアルさが1枚上手。もはやこのような劣化の少ないオリジナル針の個体は
非常に少ないと思うので大事に使い倒したい。

もちろん、使用に耐えなくなったら迷うことなくJICO針に戻す予定。

M97xEの出る幕がますます無くなってきた......






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お買い物日記(SPU-GE)

2016-01-09 19:35:03 | オーディオ

SPU-GEを購入した。
もちろん、現行のSPUではなく中古品、前のオーナーが大切に保管し、現状維持の為、劣化しない程度に定期的に使用してきたというだけあって、どこをどう見てもまるで新品と言う掘り出し物。相変わらず、よくお邪魔するオーディオ店の皆様に感謝なのである。SPU Gold GEを買ったばかりなのだが、「とても素晴らしいがSPU Goldを常用するにはもったいない...」と思う気持ちが大きくなってきたところだったので、よい出会いとなった。










HIFIオーディオという軸で比較するとさすがにGoldにはかなわないものの、レンジ感や分解能は全くもって必要十分、独特の中域~中低域の厚みや実体感、リアル感が感じられてさすがSPUだ。評価が高いのはこの語り口というか一音一音の説得感だろうなあ。SPUしか使わないというファンが多いのも頷ける。高音質をうたった怪しいオカルトケーブルより遙かに安い買い物だったが、昔オーディオ誌で読んだ「安物カートリッジを複数持つより、高くとも良いものひとつ持て」というお言葉が身にしみてわかるよいお買い物でした。

購入してからLPを10枚以上は演奏しただろうか、息を完全に吹き返した。やはり昔から定評のあった機器は確かな理由があるんだあと思った次第。大事に使おう。

ところで、そのオーディオ専門店の店員さんに伺ったのだが、最近は中古で出回るSPUにも偽物が多いらしい。ビンテージ品だと高く売れるのを見込んで、ゴミ同然のビンテージ品と近年の中古品をニコイチサンコイチしていかにもオーディオニックスものに見せかけ、高く売りつけるオークション詐欺が多いとのこと。で余った本体は最近のシェルにつけて、「マニアがSPUの音を極めるためにあえてシェル交換して音質を追及....」などと称して高額で売り抜けるのだそうだ。オークションも良いけれどもそれなりの目利きができないと詐欺にあうだけなのでSPUやオルトフォン、WEやガラードのビンテージ中古品は信用できるところから買いましょう。(前オーナーを店員さんがよく知っている店以外ではやめておいたほうが....)

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お買い物日記(DL-103 針交換)

2015-09-06 21:17:37 | オーディオ

 今日はお買い物である。

最内周部の再生に難があって(特にシングルは酷かった)何をどうやっても(どの盤でも、アームを変えてもシェルを変えても)解消できず、(もちろんV15などの他のカートリッジでは、DL-103で歪む盤も問題無く再生する)、で、結局、余り使わないでほおっておいたDL-103の針交換を行った。

SPUを使い始めて、やはり標準器/原器は必要ということでもう一度銘カートリッジを試してみようと思い立った次第。 現物と交換にはなるが、新品と針交換価格で安く取り換えてもらえるので、何となくお得感がある。(新品価格がえらく上がったし)

 

やはり新品はいい。箱が輝いている。さっそく取り出してセッティングしよう。

今回は◎◎さんが測定してくれたのか....と周波数特性実測グラフを確認しつつ、本体を取り出し、テクニカの15gのシェルとの間にベルドリーム製の鉛板スペーサーをはさみSPUとすぐに取り換え出来る位の重量に調整して聴いてみた。

あれ?全然違う。良いなあ。DL-103ってこんなに素直でしっかりした音だったっけ。まずは音質に感心してから、歪みの確認。以前のDL-103では歪んでどうしようもなかったトラックに恐る恐る針を落とすと.....あれれ、全然歪まない。前回購入したDL-103でうまく再生できなかった他の盤を聴いても同じ。全く問題が無く朗々と鳴っている。

ええ?どういう事?

で想定。
1.前回購入したDL-103は最初から問題があった
2.最初のセッティング時に自分で何らかのダメージを与えてしまった。

新品で安く買ったが、製造してから随分と時間が経ったもの(いわゆる長期在庫品)を購入した為、1.の可能性もあるが確率は低い。メイドインジャパンの信頼性である。恐らくは2.だったのだろう。自分の取り扱いが悪いくせに、50年間に渡ってオーディオファンの標準器/原器でありつづけた銘カートリッジに間違った印象を持つところだった。

いずれ、今しっとりと鳴っている新しいDL-103には歪みそうな不安を感じさせるような不安定感や神経質な感じは一切無い。針交換してもう一度試してみようと言う判断は正しかった。さて困ったぞ。SPUとDL-103どちらを常用としようか....音からしたらSPUだけれども、聴けば聴くほどDL-103も良いしなあ。そんな悩みもアナログオーディオの楽しみのうちと言う事で、夜も更けて行くのでありました....

 

 
 
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トーレンスTD-321のベルト交換

2015-09-05 09:26:42 | オーディオ

久しぶりの気持ちの良い週末の朝なので、窓を全部開け放って部屋の掃除。
家全体の換気をすると悪い気が抜けたような感じがして本当にすっきりする。

で、のんびり音楽でも聴こうかと思ったらあらら、トーレンスのプレーヤーのターンテーブルが
ベルトが外れて回らない。正確に言うと、回りだそうとするとベルトが外れる症状。

ベルトが正常ならフローティングの調整ねじで治るのだが、今回はどうも違う
と言う事でベルトを交換する事にした。
あわせて、プーリーの掃除と軸受けオイルの交換を行った。

プーリーの掃除は綿棒にベンジンをつけてごしごし。軸受けオイル交換は
綿棒を丹念に使って軸受け内を掃除、純正の軸受けオイルを注入して終わり。
オイルの量は軸が入りきって少しあふれる程度。軸受けの周りにティッシュを
こよりの様にしてから巻きつけておくとあふれても大丈夫...というのは
良くお邪魔するオーディオ店の店員さんから伺ったノウハウ。

さて、無事終了、セッティングして聴こうかとした時にふと思いついた。
新しいベルトと劣化したベルトの長さはどう違うのだろう。
比較した写真が以下の通り。

 
 
上が外れてしまう方。下が新品。別に測定しなくとも見た目で伸びが明らか。
空調のしっかりした部屋で、プレーヤー本体は直射日光にあたらない環境、1週間に3時間程度
回して、およそ1年半でこんな程度。毎年変えた方が良いというオーディオ店の店員さんの話は
本当だった。

今後の安定した供給をお願いしたいもの。
値段はもちょっと高くても良いので....

さあ、のんびり音楽聴くか。
プーリー掃除とベルト交換、軸受けオイル交換で音も良くなっているからね(これはホント)。

 

 
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