DP-3000にはSAECのWE-308Nを組み合わせているが、アームのグレードアップをずっと考えていた。
とはいえ、取り付け穴はSME用で、余計な工作をせず簡単に取り付けられるアームと言えばSAECのWE-308Nはもとより、WE-308SX、WE-407/23、そしてSMEの9インチアーム、3009Series2、3009Series2 improved、3009Series3、3009Series3S、3009R位しかなさそう。
徒然なるままにネット検索していたところ、SMEの3009Series3の中古を見つけた。おおこれは!!とカンが働き、早速このSME3009Series3を購入してきた。(なぜか箱だけSeries3S)
Series3といっても廉価版のSeries3Sではなく本物のSeries3、これに(なんと)針先ピカピカのV15VxMRが「おまけ」について申し訳ないほど手頃な値段だった。使用感はあるものの、「美品」で大事に使われてきたものと見た。見れば見るほど触れば触るほど、この3009Series3、作りが実に精緻で素晴らしい。そしてラテラルバランス調整、ゼロバランス調整、針圧調整などの調整の行い方が実に合理的かつ機能的。そして音は…。音は改めて記録化するつもり。軽針圧のV15VxMRとの相性はおそらくもう極限ではないだろうか。
こんなに素晴らしいアームなのに、なぜ中古市場ではあまり人気がなく相場がこんなに安いのだろう。ひとつはこのアーム、写真写りが悪すぎる。現物を触れば多くのオーディオファイルはその作りの合理性と素晴らしさに驚嘆、感嘆するだろうが、写真だと「なんじゃこのベース部の黒い塊は」というように見えてしまう。このアーム、写真で見てもどうやって調整するのかピンとこないのである。これは勝手な想像だが、このアームは精密機械を所有し調整する時のワクワク感、喜び感を「持つ以前に想像し難い」ので、人気が出ないのではないだろうか。しかもアームがS字なので古臭さを醸し出し、J字アームのSeries2やSeries2 improvedを使ってきた人間には違和感すら感じさせる。正直デザインは前の機種のSeries2やSeries2 improvedの方が格好良く思える。
それでも、この3009Series3音は実に素晴らしい。Series2 improvedとV15で「これで十分」と思っていたが、あっさりその先に連れて行かれてしまった。これからさらに調整を追い込み、使いこなしでどれ程音が良くなっていくのかとても楽しみだ。唯一の難点はカートリッジ交換がアームパイプごとということ。オプションのアームパイプはもはや中古で探すしかないが、手に入るだろうか。せめてtype3との交換は出来るようにしておきたいのだが。
........................またWE-308Nが余ってしまった。メンテ済みのTT‐71との青春コンビをどうしようかなあ。