転がり坂

登りつめたわけでもないのに、そろそろ下山したくなってきた。

都々逸 戯れに

2012-11-27 04:27:59 | 都々逸
091:締
締めてみたいが小さな金じゃ
入れてみたとて締まりゃせぬ

092:童
今も見たがる童のように
愛や欲より戯れに

093:条件
してもいいけど条件次第
ずっと毎日するならば

094:担
担っておくれよ身の上までも
身の下ばかりを覗かずに

095:樹
樹齢千年経つ木もあるに
やる気ない人すぐに折れ

短歌 よろめきながら

2012-11-27 04:13:44 | 短歌
091:締
人生の締切間近ドタバタと逃げればさらに死が迫りくる

092:童
牧童は哀しからずや羊らの汚れに染まり臭い漂う

093:条件
生と死の条件提示に闇は揺れふざけんなよと怒声飛び交う

094:担
惑う子に手を差し伸べる我が身さえ担えきれずによろめきながら

095:樹
いつの間に木に誘われて樹海らし出るに出れない人生迷路

都々逸 好きのまま

2012-11-25 16:24:21 | 都々逸
086:片
ほっておいてよ一人で泣くわ
どうせ一人の片想い

087:チャンス
チャンスばかりが何度も来ても
打つに打てない横恋慕

088:訂
訂しておくれよ嫌いだなんて
せめて今夜は好きのまま

089:喪
喪服姿のお前に惚れて
未練強まる冥土旅

090:舌
舌の先から出る嘘よりも
うまく騙してその舌で



短歌 酔える齢に

2012-11-25 16:04:57 | 短歌
086:片
冷えた手で熱い涙を注ぐ酒欠片みたいな人生だけど

087:チャンス
パン食いの競争みたく愚弄するチャンスよりかは空が美し

088:訂
婚姻と離婚の印で記された訂正印を押せない戸籍

089:喪
いつの間に恋する資格喪失し老いて再び恋愛講座

090:舌
秋ひとり陽射しの中で舌鼓少しの酒で酔える齢に