転がり坂

登りつめたわけでもないのに、そろそろ下山したくなってきた。

白い溜息

2014-01-31 04:28:38 | 短歌
名を呼べど来そうで来ない人の犬
鎖はすでに切れているのに

抱きたいと思いつのらせ夢うつつ
目覚ましさえも吐息のように

君住むはここらあたりか氷雨濡れ
君を求めて震える心

逢いたいと想えど逢えぬ夜の雪
名をつぶやけば白い溜息

焼鳥の煙ばかりがかさを増し
ひとりの席は取り残されて

飛び立てばいつでも逢えるはずなのに
気配ばかりで明けない夜明

星仰ぎ道ならぬ道さまよえば
東雲に咲く貴女の笑顔

ようように季節めぐりて水温む
なのに貴女の心は解けず

すぐそこに春の息吹を感じつつ
なおも遠のく貴女の裸像

白鳥の留まる季節あとわずか
会えないままの三寒四温

たまにゃ素面で

2014-01-28 23:53:33 | 日記
酒にまつわる箴言(アフォリズム)は古今東西いろいろ残されているように、酒は人間に多大な影響を与えてきた。

354年に生まれた古代キリスト教の神学者であるアウグスティヌスは酒について「酒は人を魅する悪魔である。うまい毒薬である。心地良い罪悪である」と述べている。
「私は肉欲に支配され荒れ狂い、まったくその欲望のままになっていた」と『告白』で述べているように、アウグスティヌスはその性的な罪についてもひどく悲しんでみせ、性的な道徳の重要さを強調している。生まれた時からのモラリストではなかったからこそ、酒についての結論もこのようになったのだろう。

「酒は悪魔である。毒薬である。罪悪である」としながらも「酒は人を魅する。うまい。心地良い」と大昔の神学者も酒の魅力を認めているのだ。

僕の父は酒が飲めない。人付き合いには酒が必要だと考えていた父は僕が子供の頃から酒を飲ませ続けていた。中学生の頃には自分の部屋に僕専用のダルマ(サントリーオールド)が置かれていて、勉強しながら飲んでいた。
結果的に酒飲みになったのだが、今、人生を振り返ってみると、酒で数多くの失敗や怪我や喧嘩を繰り返してきて、結果的には僕にとっての酒は悪魔であったようだ。

還暦を過ぎて酒量は激減してきたが、これからは心地よい罪悪の酒を少しずつ味わっていきたいものだ。

(ーー;)酔ったあなたは嫌いじゃないが
たまにゃ素面で抱かれたい

いつのま

2014-01-27 05:04:31 | 日記
アルベルト・アインシュタイン

「私は理詰めで考えて新しいことを発見したことはない」(アルベルト・アインシュタイン)

(ーー;)なんで惚れたか訳などないわ
いつのまにやら深い仲

僕は理詰めで考えて新しい恋と出会ったことはない。

人生を心から楽しめるかどうかは理性ではなく、直感力や感性の質によるところが多い。この直感力や感性の質を高めるためには、童心に返り、一人遊びを楽しめる自分をみつけることだ。

「我々という言葉に疑問を感じる。誰も隣の人間と同じではない」(アインシュタイン)

(ーー;)愛しあっても貴方と私
生きていきましょそれぞれに

僕も我々という言葉が好きじゃない。我々の一部ではなく、いつでも僕は僕でありたいと思う。
『君は君、我は我なり。されど仲よき』という武者小路実篤の言葉が僕は好きなんだ。男と女の仲も、君は君、僕は僕なり、されど仲がよい関係がいい。

「物事は全て、出来る限り単純にすべきだ」(アインシュタイン)

(ーー;)ごちゃごちゃぬかさず私でお抜き
抜けばわかるわ愛なんか

僕の料理は色々な素材をぶち込んだ、ごった煮が多かったのだが、だんだん素材をシンプルに味わいたくなってきた。複雑な美味しさより、単純な味を好むようになってきたのだ。
これからの日々の暮らしも、出来る限り単純にしていきたい。生活の単純化を促進させていくための尺度は快適かどうかであり、単純になればなるほどさらに心地よさを実感できる。
男と女も単純な関係がいい。快適な関係がいい。

「私は将来について悩まない。すぐにやって来るから」(アインシュタイン)

(ーー;)お前ボケたら介護はいやだ
言ってたあなたの下の世話

若い頃、僕は将来について、鬱になるくらい随分と悩んでいたんだ。結局は自分の思い通りには生きれなかったけど、あっというまに還暦を過ぎてしまった。これから先の老後に不安がないわけではないが、悩んでみたところで解決するわけでもなく、あっというまに死ぬ日がやってくるだろう。
だから将来について悩むより、今日を楽しく過ごしたい。

一夜の風に

2014-01-09 05:26:30 | 短歌
落葉とて重ね眠れば温温と
わが身枯れても夢はさめまじ

逢いたさの想い積もりて窓を開け
凍てつく闇に君の名を呼ぶ

熱燗で冷えた心は癒されず
微笑む君の温もり恋し

同床の望みかなわぬ歳月に
二人幾度も見た同じ夢

昨日まで気づかぬ恋を今朝に知り
今年こそは仕事より恋

温もりに引き寄せられて手をかざし
恋の熾火に顔を赤らめ

頬染めた君の指先あたたかく
僕のマフラー静かに奪う

冬も好き鍋も焼き芋みんな好き
いちばん好きな貴女といれば

来世より現世で全て燃えつくせ
前世の契り一夜の風に

燃え尽きてなおも残りし温もりに
包まれ歩く冬から春へ




疼く想い

2014-01-07 00:27:48 | 都々逸
(ーー;)角を出したら出てきた本音
不貞ごころを隠せずに

(ーー;)家にいるときゃ良妻賢母
人目忍んで脱ぐ仮面

(ーー;)嫌よダメよといつものセリフ
今は可愛さ消えたけど

(ーー;)粋な兄さん(二三)今では老いて
四の五の言うだけ着たままで

(ーー;)年をとっても女は女
初心(うぶ)なあの日を思い出す

(ーー;)疼く想いを火箸で隠し
差しつ差されつ頬を染め

(ーー;)夜叉な姿も優しく抱けば
観音菩薩の素顔見せ

(ーー;)老いて火が付く色恋沙汰は
争議(葬儀)ばかりで浮かぬ顔