転がり坂

登りつめたわけでもないのに、そろそろ下山したくなってきた。

都々逸 温い肌

2012-11-18 08:01:34 | 都々逸
071:籠
飛んで行きたやあなたのもとに
いけない行けない籠の鳥

072:狭
狭い寝床で寄り添いながら
耐える風雪温い肌

073:庫
書庫に隠した昔の手紙
読めば本より出る涙

074:無精
さっきよりかは愛しさ増して
肌にチクチク無精髭

075:溶
熱い思いに心も溶けて
熱い身体で身も溶けて

短歌 行き止まりまで

2012-11-18 07:49:29 | 短歌
071:籠
飛び出せば生きてはいけぬ狭き籠今のままでは暮らせぬ二人

072:狭
またひとつ静かに消えた選択肢狭き道行く行き止まりまで

073:庫
思い出を詰め込み過ぎた倉庫なら燃やしてしまえ回顧などせず

074:無精
指先に生きる痛みを伝えつつ無精髭がまた少し伸び

075:溶
あの夢と生命の欲が溶け出してなお別れ行く心と身体