転がり坂

登りつめたわけでもないのに、そろそろ下山したくなってきた。

たどり着けない峠の茶屋

2015-04-28 10:49:43 | 日記

「なすすべもなくただ一人風邪の宿」牧童

久しぶりに強力な風邪にやられた。酒を飲みに行く気力もなく、ベッドの中で一人うずくまっていた。

こういう時、幻影が次々に浮かんでくる。
犬の夢を見た。
普段は動物の夢はほとんど見ない。僕の背後では動物霊がすみつきにくいのかもしれない。
今回は負け犬の魂が宿ったのだろうか。

かわいい少女A
「ねぇ、あなたの犬はどこ?」
僕「えっ?僕、犬なんか飼ってないよ。」
A「嘘!信じられない!みんな犬と暮らしているのに…犬、嫌いなの?」
僕「うん、嫌いだよ」
A「最低!あんたなんか大嫌い!」
こんなたわいもない夢だった。

僕は一度も犬を飼ったこともなく、触ったこともない。少年時代、名犬ラッシーや名犬リンチンチンブームで金持ちの子はコリーやシェパードの大型犬を飼っていた。貧乏人は雑種かスピッツ。僕はアパート暮らしで座敷犬などは当時は存在しなかった。でも、うらやましと思ったことは一度もなく、みんなが可愛いと触りまくっているのを遠目で見ながら、君(犬)はテレビの中にいればいいのにと思っていた。

僕が少年の頃、叔父がスピッツを飼っていた。いつもキャンキャン吠えていた。ある日、いなくなった。うるさいと近所から言われ、手放したそうだ。

発熱の息苦しい頭の中でスピッツがキャンキャンと泣き始めた。

峠はまだかな?
昔、ドラマで、今夜が峠ですという病気のシーンがよくあった。最近は峠の前に薬で抑え込んでしまうから、なかなか峠にさえたどり着けない。
峠はそもそも病と自然治癒力との最後の戦いの見せ場なんだ。負ければ臨終、勝てば快気祝いで美味い酒が飲める。

早く峠にたどり着かないかな。
峠の茶屋でのお茶と団子も悪くはないのに峠にまだたどり着かない。

しかたない。
もう少し眠ってみよう。
スピッツがうるさいけど。

青い鳥の鰻

2015-04-28 10:47:31 | 日記

(ーー;)鰻ヌラリと逃げよとするが
カマをつかんで逃がしゃせぬ

今夜は疲れているからできないと、ヌラリくらりと逃げようとする旦那のあそこをつかんで、あれやこれやと嫁さんが奮闘しているという都々逸だ。
この手の話を不快として拒絶するかどうかはその人の資質の差なのだろう。

先日、土曜日の昼に鰻屋に入ったら満席だった。客は高齢者ばかりで、ここでもやはり女の客が多く、ワインボトルを囲んで、互いに病気自慢をしているグループもあった。ちょっと贅沢で、滋養豊富な鰻は年金暮らしの高齢者たちにとって、青い鳥のような身近な幸せなひと時になるようだ。

ある方の日記にこんなことが書いてあった。
「おばあが子供たちに鰻重をご馳走してくれた。でも最初から私にはお声はかかりませんでした」
よくある嫁姑問題かなと思ったら「ありがたや~♪とありがたく思いその間に 出掛けちゃった~♪ほほほ♪楽しかった~♪」とご本人は楽しんでいた。
そこで僕は「子供たちは鰻を、貴女は別のウナギを食べたんですね」とコメントしてみた。そうしたら「そういうコメは控えてもらいたいです。エロ系は求めておりませんので」と言われてしまった。

彼女は何を勘違いしたのだろうか?この場合のウナギは、身近な幸せの青い鳥のことで、エロネタのつもりで書いたわけではない。でも僕が書けばウナギがあっちのことだと思われても仕方ないけどね。