転がり坂

登りつめたわけでもないのに、そろそろ下山したくなってきた。

永遠(とわ)のひと

2013-10-29 19:13:40 | 都々逸
(ーー;)親が勧める善い人よりも
友に好かれるこのひとと

(ーー;)しかたないわよ衰えたって
だけど今でも温いひと

(ーー;)どこがいいのか秀でたところ
なんもないけど好きなひと

(ーー;)たった一夜で終ったけれど
次の恋まで永遠のひと

(ーー;)何故にそんなに抱きたくなるの
何度抱いても燃えゃせぬ

紅葉(もみじ)は濡れて

2013-10-23 20:39:41 | 短歌
紅葉には般若の面がよく似合う
嫉妬の責めも読経の中

礼服のダブルの重さ脱げぬまま
紅葉もみじの中へなかへと

それぞれの哀しみなどは受け入れず
ただ赤々と紅葉は濡れて

参道で商う声に誘われて
まずい酒でも紅葉気分に

紅葉ほど赤くなっては駄目だよと
微笑む酌で桜気分に

最終電車

2013-10-23 19:34:01 | 短歌
一般の席に座れず押し出され
見えぬ舞台の光と影と

シングルをダブルに変えてバーボンの
覚めゆく夢の濃度を少し

今日もまた受付時間終了
天国行きの最終電車

飽きないで恋の買い手がつくまでは
商いならば帰れぬ日暮れ

駄菓子屋の魅力は何か思案する
派手なタルトも駄目ではないが

今日は駄目

2013-10-23 19:05:37 | 都々逸
(ーー;)般若のように歪んだ顔が
やがて菩薩にのぼりつめ

(ーー;)ダブルベッドじゃそろそろ狭い
ダブっとだぶつく腹ふたつ

(ーー;)受けてあげてもいいけどあんた
ちゃんと覚悟があるのなら

(ーー;)金じゃ売れない商品だけど
金をおくれよあげるから

(ーー;)駄目よあせっちゃあせっちゃ駄目よ
駄目よ駄目駄目今日は駄目

互いに老いて

2013-10-21 06:09:57 | 短歌
柳蘭動かぬ蜂を眠る子の
ように背負いて時間を止めて

天空に繋がり求めひとつずつ
柳蘭咲く上へ上へと

目の前に咲く柳蘭アルプスや
山火事跡に咲くらしロマン

山道を括り染めゆく柳蘭
花期の終りを綿毛に包み

柳蘭微笑む綿毛白髪の
人と花とが互いに老いて