転がり坂

登りつめたわけでもないのに、そろそろ下山したくなってきた。

伸ばす羽

2012-12-31 09:14:37 | 都々逸
(ーー;)羽がはえたら貴方のもとへ
飛んでいくより伸ばす羽

(ーー;)豚まんみたいと言われるよりは
肉マン見たいと言われたや

(ーー;)励む姿も今では哀し
ムキで無理して愛もなく

(ーー;)コットン湿らす涙のほうが
化粧水より多い夜

(ーー;)拾い箸では縁起が悪い
もっとお寄りよ口移し

(ーー;)厄介者よね昔も今も
介護暮らしの笑泣

汚れた想い

2012-12-31 08:51:48 | 短歌
026:シャワー
会えぬ日々百日草を雨が打つシャワーで流す汚れた想い

027:損
巧妙に思い出損じず続け咲く日々草の恋は敏感

028:脂
酔蝶花枯れて酔えぬ日脂ぎる闇の支配に忍び従う

029:座
座して見る今は不要の糸瓜水時の心は悠々自適

030:敗
恋すれどただし叶わぬやるせなさ黒百合さえも敗けた黒星

心ゆたかに

2012-12-30 04:10:54 | 短歌
021:示
花縮砂を示す貴女の細腕に翻弄される心ゆたかに

022:突然
突然にトルコ桔梗を手折るよに優美な想い心に飾る

023:必
必然の輝きを増すこの時と共に死ねるかトリカブトなら

024:玩
玩ぶよい語らいを茄子色の中へふたりで中でふたりで

025:触
離れ住むブーゲンビレアに触れたとき表現力は影を潜めて

露草の中

2012-12-30 04:08:33 | 短歌
016:力
力なく彼女の前に跪き尊敬されぬ露草の中

017:従
心病み恋に焦がれて平安の鬼灯市を従い歩く

018:希
感覚も希少の恋に満たされてグロキシニアの華やかな日々

019:そっくり
常に燃ゆハイビスカスにそっくりな恋に酔い痴れ美酒に酔い痴れ

020:劇
つく嘘を布袋葵の根に隠し悲劇喜劇の恋を楽しむ

暮らした時代~老いたウェテルの悩み

2012-12-23 10:00:24 | 短歌
006:時代
自由から逃れるためにジャガイモの花の慈愛と暮らした時代

007:驚
一瞬の驚きの夢フクシアは好みの色の恋を誘う

008:深
山葵風深く吸い込み目覚めゆく恋は泣くもの人間的に

009:程
道程に白詰草の季節来てまた約束を果たせぬままに

010:カード
オリーブの樹々の平和も抗えず恋のカードに惹き寄せられて

老いらくの今~老いたウェテルの悩み

2012-12-23 09:57:25 | 短歌
001:今
誠実な山吹枯れて若き日の悩みも褪せて老いらくの今

002:隣
蘇る風あたたかき隣り人カーネーションの愛を解かして

003:散
アスチルベ人を惑わす精霊の花は散りても自由な恋を

004:果
老いて病む心の果ての子守歌希望労わる山査子の庭

005:点
点々と匂うドクダミ追憶は平等でないシミを白地に

都々逸 きよしこの夜

2012-12-19 06:54:17 | 都々逸
(ーー;)きよしこの夜すてきな酒も
飲んで終りじゃ味気なや

(ーー;)憎い言葉で言い寄られては
駄目とつぶやき消す灯り

(ーー;)灯り消しても輝き増して
吐息蠢く白き肌

(ーー;)残る理性もすぐとけ燃えて
抱かれ微睡みゃ今朝は雪

(ーー;)服を着る間も  をこつるなんて
鏡も冷えて薄寂し

(ーー;)暗い心で吸い込む寒気
家で朝餉の縁じゃなし

都々逸 暮らす家

2012-12-01 08:33:06 | 都々逸
096:拭
涙なんかは明日にゃ乾く
拭いきれぬはキスの味

097:尾
尾っぽ振る犬可愛いけれど
私ふる人憎いだけ

098:激
心通わぬ激しさなんて
後で痛みを残すだけ

099:趣
いつの間にやらあなたの趣味に
似てきたような服を買う

100:先
いつになるやらまだ先かしら
手を携えて暮らす家

短歌 ゲームオーバー

2012-12-01 08:23:28 | 短歌
096:拭
積年の塵窓拭けば流れ落つ涙の空は過去から碧へ

097:尾 
尻尾振る犬になれずに振る首は縦か横かと迷う夕暮れ

098:激
激しさを増す波の音に雨音に想いの音はやがて静かに

099:趣
趣を変え墓に咲く彼岸花三回忌終え心も乾き

100:先
まだ先と我が身騙してひた走るゲームオーバーしたマラソンコース