転がり坂

登りつめたわけでもないのに、そろそろ下山したくなってきた。

今日も濁して

2013-11-30 19:12:01 | 短歌
枯れ枝は若葉青葉の季節経て
今は枯葉の上を貴女と

生きてきた証を捨てて老い仕度
枯葉とともに土へと帰す

水墨の景色の中に散る枯葉
別れの言葉今日も濁して

夕闇の枯葉の上に書く文字は
「老」より「恋」の一字を選び

時を止め歩みを止めて一日の
汚れを土へ枯葉とともに

さまざまな色

2013-11-30 17:56:46 | 短歌
変わりゆく季節を浴びて恋の路
春夏秋冬さまざまな色

歳月が愛を育む確証は
会えば会うほどさらに遠のく

濁流が緩やかになり上澄みが
清流となる老後目指して

恋愛は文字がなければ絵にならず
別れも文字で色塗りながら

立ち止まり継続させることよりも
歩け走ろう別れるために

濁り酒

2013-11-30 16:56:12 | 都々逸
(ーー;)季節変れば忘れるかしら
忘れられないこの季節

(ーー;)惚れた証に裸になって
肌が合わないことを知り

(ーー;)白い液体目を閉じグッと
無理に飲み込む濁り酒

(ーー;)破り捨てましょ恋文なんて
どうせ返事を書けぬ人

(ーー;)逃げて行きたきゃお好きにどうぞ
どうせそっちは行き止まり


海へと歩く

2013-11-30 01:33:02 | 短歌
鯨追い闘い挑む心無く
水仙と海に癒し求めて

心底の局所の痛み隠し持ち
海岸線の水仙ロード

妄想のドアを押し開け水仙の
カーペット踏み海へと歩く

観衆の色に染まらず水仙は
海と空とに黄色く映えて

水仙と水面に映す微笑みは
春へ旅立つ例年の儀式