転がり坂

登りつめたわけでもないのに、そろそろ下山したくなってきた。

サルビアの道

2013-07-24 12:35:50 | 短歌
手に取ればサルビアの蜜赤々と
思い出燃ゆる逃げ去りし恋

サルビアの蜜に染まりし思い出を
日毎変らぬこの道でまた

サルビアの一瞬の味に戸惑いて
ビール飲み干す自販機の前

誘惑に乗れぬ身体をひきずりて
サルビア残しまたとぼとぼと

いつかまたサルビアの道花咲けば
未完のままの言葉目覚めよ

千夜枕を

2013-07-19 06:01:09 | 都々逸
(ーー;)今夜たっぷり食べたいお肉
どんなコースかシェフ次第

(ーー;)弾む心であなたのもとへ
沈む思いで帰る家

(ーー;)孤独だけれど愛しい人の
夢を見ましょか ほろ酔いで

(ーー;)千夜枕を並べた仲も
浮気一夜で閉じた幕

(ーー;)御国訛りで甘えてみたい
温い布団のなかじゃもん

一輪の花

2013-07-18 00:58:17 | 短歌
恋しくて答え債(はた)れば睡蓮の
葉の彼方には一輪の花

信念は形なさずに怨念を
沈めた池に睡蓮の花

迫りくる老いの嵐に睡蓮は
声もたてずに闇に包まれ

睡蓮の青の心は切り裂かれ
葉では隠せぬ底なしの沼

瑠璃色の鉢を狭しと遠慮して
咲く睡蓮は命を終えて

夜になったら

2013-07-09 05:24:27 | 都々逸
(ーー;)いつもコンビニ今夜はスーパー
たまに来る日はあの人と

(ーー;)試合長引き意識も薄れ
対戦相手の汗の味

(ーー;)あそこばかりに指紋を残し
すぐに逃げ出すヘボなドロ

(ーー;)心第一 気にせぬ顔は
だけどあんたの顔が好き

(ーー;)夜になったら一人にさせて
朝がくるまで見たい夢


女)たまには私だって料理するわよ。あの人が来た時は一緒にスーパーで買い物して。
男)でもさ結局は俺が支払い、料理、後片付けも俺がやることになる。いそいそと手料理準備して、座るとすぐに酒が出る。そんな女がいる家、ないかね。


女)心を奪われ、許した身体。なのにさ、こいつったら、あそこばかり触りまくって、挙げ句の果てには、あっという間に終り。
男)ほらほら、どうだ、感じるだろう。それそれ潮吹けワンワン。


女)自由になりたい。せめて夢の中ではあの人と過ごしたい。
なのに亭主のいびきがうるさいったらありゃしない。

貴(あて)ぶの時は

2013-07-05 18:33:45 | 短歌
咲き誇る百日草を道連れに
貴(あて)ぶの時は色を失い

恋すれど百日草は幕を閉じ
冷えゆく闇に弱き虫の音

地獄より百日草は湧き出でて
色さまざまに怨念を描く

舞う蝶は百日草を見失い
夢成らぬまま土に横たう

そもそもは百日草の時重く
命一夜の花ぞ愛しい

色は褪せても

2013-07-03 19:02:05 | 都々逸
色は褪せても寝床でたまにゃ
汗のあなたを思い出す

冷やをコップで一気にあおり
酔えば酔うほど寂しさが

妻じゃないけど愛妻弁当
つくり笑顔で送り出す

楽しかったと泣かずに書くわ
終った恋のあとがきに

意味もないのに微笑む時が
増えて白髪もまた増えて

脇道小道

2013-07-02 09:33:27 | 短歌
配慮さえするもされるも哀しくて
擬宝珠咲かす脇道小道

千を超え万を超えても哀しみは
色褪せぬまま擬宝珠は枯れ

擬宝珠に近づくほどにあの人に
伝えきれない溝を深める

脇に咲く擬宝珠見えぬ貴女には
僕のすべてを理解できまい

フルーツを食い散らかして擬宝珠の
思い出隠す生ゴミの中