転がり坂

登りつめたわけでもないのに、そろそろ下山したくなってきた。

短歌 偲ぶ盃

2012-10-31 12:45:20 | 日記
021:示
月曇り心の闇も見え隠れいつかきそうな別れを暗示

022:突然
小夜ふけて別れられなくなりそうで突然ですが別れましょうか

023:必
偶然の嬉し涙は必然の吐息重ねた闇の露草

024:玩
巡る夏どこに消えたかあのいのち玩具浮かべて遊んだ波と

025:触
今はもう触りもせぬにこの指に染みた匂いを偲ぶ盃

都々逸 ままならぬ

2012-10-28 10:04:49 | 日記
016:力
力尽きたか消えゆく命
生きた証を消さぬまま

017:従
奪う力に従う気など
ないが命はままならぬ

018:希
希釈できずに膨らむ希望
かなわぬ夢と知りながら

019:そっくり
いつのまにやら似たもの同士
浮気心も二人して

020:劇
部屋は劇場寝床は舞台
演ずる二人に客はなし

短歌 生きた証を

2012-10-28 09:50:36 | 日記
016:力
力尽き消えゆくいのち今どこに生きた証を消さないままに

017:従
従えば失う命さからえば苦しむ命ままならぬまま

018:希
子に託すかなわぬ夢と知りながら希釈できずに膨らむ希望

019:そっくり
離れゆく心模様の不織布で浮気を隠す二人そっくり

020:劇
見る人もなきこの部屋は劇場演じる二人愛憎喜劇

都々逸 今日の酒

2012-10-27 05:30:57 | 日記
011:揃
あれやこれやと揃えてみても
何か足りない今日の酒

012:眉
眉の動きであなたの嘘が
わかってしまう隙間風

013:逆
逆らうつもりはなかったけれど
素直になれない恋心

014:偉
外で見たときゃ偉そうに見えて
床の中では柔い人

015:図書
声をひそめて夢読む子らと
共に図書室波に消え

短歌 夢読む子らと

2012-10-26 12:45:39 | 日記
011:揃
不揃いの想い並べた皿と猪口あれやこれやと食い散らかして

012:眉
すきま風眉間凍らせひた隠す重ねた嘘を崩さぬように

013:逆
恋心素直になればなるほどに逆鱗に射る震える指で

014:偉
母子手帳未完のままの偉人伝わが子に託す想い残して

015:図書
声ひそめ夢読む子らと図書室は静けさ残し波間に消えた

都々逸 程々ほどに

2012-10-25 08:50:59 | 日記
006:時代
そんな時代もあったじゃないか
粋な背中に爪の跡

007:驚
こんな涙に驚くなんて
ほんにお主はウブな人

008:深
秋も深まり人肌恋し
酒もちょつぴり温めて

009:程
流す涙も程々ほどに
明日は心も晴れるよに

010:カード
望むカードはなかなか来ずに
婆あとこのまま暮らすのか

短歌 沈むお酒を

2012-10-25 08:29:20 | 日記
006:時代
掻く背中に浮かぶ想いの爪の跡そんな時代も確かにあった

007:驚
今もなお幼心の風に舞うこんな涙に驚くなんて

008:深
深々と沈むお酒を温めて人肌恋し秋の夕暮れ

009:程
枯らすまじ流す涙も程々に心の湿度明日へとつなぐ

010:カード
繰り返す望まぬカードまた伏せて伏せては開く変わらぬ暮らし

短歌 切り捨てる爪

2012-10-25 00:40:19 | 日記
01:今
ほかのひと想い浮かべて好きだよと今も好きかと問われ答える

002:隣
残り香を今も隣に偲ぶ夜の声も出せずに時は流れて

003:散
繰り返す季節巡れば散らす恋散る葉散る花実らぬ果実

004:果
老いてなお苦しむ恋の成れの果てさらに老いゆく切り捨てる爪

005:点
涙落つ点々点と今もなおあの日の酒の味を偲びて

都々逸 散る葉散る花

2012-10-24 23:56:08 | 日記
001:今
今も好きかと問われりゃ好きと
答えて浮かぶ  ほかのひと

002:隣
遠く離れてしまった人の
今も隣に残り香が

003:散
散る葉散る花散らした恋も
季節巡れば繰り返す

004:果
年をとったかとらされたのか
苦しい恋の成れの果て

005:点
膝に涙が点々点と
落ちたあの日の酒の味