転がり坂

登りつめたわけでもないのに、そろそろ下山したくなってきた。

あの臭い

2014-02-25 05:45:16 | 都々逸
(ーー;)はやるばかりで文さえ書けぬ
早く来いこい春の恋

(ーー;)雪が降っても今夜は行くわ
会えばもうすぐ春だから

(ーー;)せめて今宵は女に戻り
抱かれたくなる雪景色

(ーー;)いつになったら電車は来るの
あなた待つより辛い雪

(ーー;)惚れていたいの酔わしておくれ
雪がやんだら帰るから

(ーー;)もっとお飲みよこのままずっと
雪よ降れ降れ帰しゃせぬ

(ーー;)子には見せれぬ想いを胸に
見せてしまった白い胸

(ーー;)臭い仲でも はな(端・鼻)から消えぬ
他の女のあの臭い

(ーー;)吹雪く夜には別れが辛い
着たり脱いだり乱れ酒

(ーー;)今朝は雪晴れ昨夜のことに
顔を赤らめ はしゃぐふり

蕾のままで

2014-02-24 00:12:29 | 短歌

わざわざと冷たい家に帰るより
朝まで酔えば雪さえ温し

飲むほどに帰りたくない雪降れば
帰らない家帰れない道

改札でゆくえ決まらず凍える手
このままいっそ旅に出ようか

歴史的大雪降りし東京を
雪を求めて来た宿で知る

誰がための歌声なるか知らねども
愛しき想い聴くたびに増し

ローレライ幾千の舟沈むとも
この歌声は我を呼ぶもの

棲む鳥が戻らぬままの鳥籠に
歌声偲ぶ春の曙

愛ゆえに失うよりはオンディーヌ
肉欲の火で水蒸気になれ

ふくれたり縮んだりしてトラウマは
咲かず枯れずに蕾のままで

砂浜に温もり見つけ恋と書く
春は逃げずに波のまにまに

雪が降る

2014-02-17 00:18:23 | 日記
二週連続で東京に大雪が降った。積った雪はすぐに白さを失い、黒く変色してとけて行く。

僕はアダモの「雪が降る」が好きで、雪が降るとすぐこの歌を思い出す。全部歌えるわけではなく「雪は降る あなたはこない」の部分だけを口ずさみ、あなたはこないとつぶやく。

以前この歌をもとに都々逸をつくったことがあったのだが思い出せなかった。ネットで検索したら、すぐに見つかった。便利な世の中になったものだ。

僕は子どもの頃から俳句、短歌、都々逸などをつくってきたのでかなりの数になっているはずなのだが、作品を残さずにきてしまった。
できた作品は教科書や本やノートなどに落書のように書きなぐっていたのだが、全て処分してしまった。東京の雪のように真っ黒になって消えてしまった。

今でも紙に書かれた作品はひとつも残してはいないのだが、ネットに書き込んだものは自分の部屋のスペースを使わずにちゃんと保管されている。しかも検索すればすぐに見つけ出せたのだ。ノートに書いていた頃は、どのノートに書き込んだのかを思い出せず、探し出せなかったのに。

数年前の作品だが、再掲載させていただく。

(ーー;)雪が降ったら あなたはこない
積もる話が あるのにね

(ーー;)雪が降る夜は 心は重く
夢も涙も凍りつく

(ーー;)遊ぶ子もなく 静かな時間
あなたきてよね 雪の夜

(ーー;)いくら呼んでも あなたはこない
しんと静かな白い雪

(ーー;)あなたふるのね 雪降るように
あついあの日を過去にして

(ーー;)すべて消えゆく かなしみ残し
震え淋しく夜ひとり

(ーー;)いくら降っても 隠せはしない
雪でおおえぬ この想い

(ーー;)いつか降り止む 雪とは違い
凍った心は 割れるだけ

(ーー;)あなたこないの 今夜も一人
ただ降るばかり 白い雪

ただ降るばかりの
白い雪

あなたはやはりこなかった

足の跡

2014-02-11 05:59:30 | 都々逸
(ーー;)行こか戻ろか雪降る道に
残したくない足の跡

(ーー;)よしなさいよとみんなは言うが
会いに行きましょ好きだから

(ーー;)襟を正せば進めぬ道も
胸襟開けば出る一歩

(ーー;)人目忍んで深めにかぶる
帽子取られてされたキス

(ーー;)堅い男はつまらぬけれど
硬くおなりよ酔わないで

(ーー;)哀しすぎるわ酔いすぎたのね
帰したくない終電車

(ーー;)追ってみたけど追い越しましょう
後姿で嫌になり

(ーー;)キスの痕かとよくよく見れば
虫に食われたあとでした

(ーー;)恋に溺れてチンした酒で
火傷しました熱すぎて

(ーー;)チョコを食べましょ告白できず
消えた希望に付く脂肪

背徳の言葉

2014-02-07 05:50:37 | 短歌
追憶にふければ老けるばかりなり
恋を追いたい童のように

カリヨンの音鳴り止みて聴こえくる
過去と未来に怯える鼓動

東京に積もらぬ雪が降る夜に
ふりもふられもせず募る恋

あの人の肩にとまりし淡雪も
名を呼ぶ声も儚く消えて

凍死した心を乗せた手のひらで
熱い涙に変わる淡雪

背徳の言葉沈めたカクテルを
静かに倒す君の横顔

薄めても薄めてもなお苦味増す
性と時間と愛のカクテル

素肌さえ襦袢のように本性を
包み隠して見えない貴女

明日には 忘れておくれ今日だけは
君にはさらす老醜無残

会うことを朝に怖れて夕闇に
別れ憂いて哀しみの帰路

好きだから

2014-02-05 09:33:22 | 日記

「わたしは良心を持っていない。わたしの持っているのは神経ばかりである」(芥川龍之介 )

敵か味方か、好きか嫌いか、快適か不快か、行くか戻るかなどを神経が判断し、僕は行動している。それでも人を殺したり、暴力を振るったり、盗んだりはしない。これらの犯罪を僕の神経が不快だと感じているからだ。

生命の方向性を決める舵取りは神経が行っている。知識や常識で包みこむのではなく、神経を高め、感性を磨いていきたい。

無神経な奴や僕の神経を逆撫でする奴が大嫌いで、そういう輩からは少しでも離れて暮したいものだ。彼らと争ったり、彼らの性格をなおそうなどとは思わない。それは無理だと知っている神経は、彼らとの距離を広げることだけを僕に命じてくる。

神経は微妙な匂いを察知し、恋心を活性化させる。例えば見ず知らずの人が書いたわずかなブログを読んだだけで、好きになってしまうことがある。もちろん書いている内容にもよるのだが、内容よりむしろ書いている人から漂ってくるわずかな匂いに僕の神経が反応しているのだろう。

(ーー;)よしなさいよと周りは言うが
会いに行きましょ好きだから

甘い汗

2014-02-02 02:50:38 | 都々逸
(ーー;)月は満ちても満たない心
ぽっかりきれいにあいたまま

(ーー;)自棄のやんぱち無理やり君を
犯す気持ちは純なもの

(ーー;)どうせ死ぬなら過労死よりも
快楽(けらく)求めて腹の上

(ーー;)何もぬかさず私でお抜き
抜けばわかるわ愛なんか

(ーー;)酔ったあなたは嫌いじゃないが
たまにゃ素面で抱かれたい

(ーー;)飲めぬお前を酔わせた罰か
何もできずに見る寝顔

(ーー;)俺はツブでも (つぶあん、こつぶ)
お前の腰で (こしあん)
暗室こもって (餡質)
甘い汗

(ーー;)なんで惚れたか訳などないわ
いつのまにやら深い仲

(ーー;)愛しあっても貴方と私
生きていきましょそれぞれに

(ーー;)お前ボケたら介護をすると
言ってたあなたの下の世話