昨日、1月18日は23年前、当時の本島等長崎市長が右翼の暴漢に銃で襲撃され重傷を負った、という衝撃的な事件があった「記念日」でした。本島市長は保守陣営の人でしたが、「天皇にも戦争責任はあると思う」と発言したことで、右翼からの非難を浴びていました。そしてこの日、公務で外出先から市役所に帰庁し、玄関前で車から降りるところを銃撃されたのです。
長崎市役所の自治労連長崎市役所従業員組合はこの事件を「自由と民主主義への攻撃」ととらえ、毎年「自由と民主主義を願う市民のつどい」を開催してきました。きのうの夜、その催しがあり、かみさんの仕事が終わるのを待って一緒に参加してきました。今回のつどいでは、「橋下大阪市長の進める反動市政との大阪市労組の闘い」というテーマで、大阪市思想調査裁判原告団長の永谷孝代さんが大阪市で起こった出来事についての報告がおこなわれました。
大阪市では昨年の2月に、「市の職員の不適切と思われる政治活動、組合活動について徹底した調査を行う」として、全職員にアンケート調査を行いましたが、その内容や手法があまりにもひどい思想調査であり、「思想・良心の自由の侵害」や「政治活動の自由の侵害」「労働基本権の侵害」など、憲法違反もはなはだしいものでした。市労組は恫喝やいやがらせに遭いながらも回答拒否を貫いた人、悩み抜いた末に回答した人、回答を提出したがやはり不本意だったと思い直して返還を求めた人、などさまざまなドラマがあったようです。
そのような闘いの末、アンケートは回収されたものの集計は断念されシュレッダーで廃棄されましたが、橋下市長自身からは謝罪の言葉はいっさいない、とのことです。さらに、アンケート調査とは別に、職員基本条例や教育基本条例など、職員をがんじがらめに締め付ける悪法は次々に成立させてきています。
私はかつての革新府政を誕生させた、あの革新陣営のパワーは変質してしまったのか、と失望していましたが、今回の報告を聞いて、大阪の革新パワー健在なり、を認識して嬉しく思いました。しかし同時に、このような橋下市長の考えや手法を、日本維新の会とウルトラ右翼の安倍政権が手を結んで、日本の国全体に押し付けてくる可能性も十分にあるわけです。つまり、大阪だけの問題ではなく、日本の民主主義全体にかかわる問題としてとらえ、警戒を強める必要がある、と感じました。
きょうの1曲。前回の怒髪天のミュージックビデオの中にちらっと姿が見えた山中さわおさんがリーダーでボーカルをつとめるピローズというバンドの名曲です。「スケアクロウ」。歌う声も素敵ですね。
the pillows / スケアクロウ