パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

「ヤバい統計」と「香子」が読了の足を引っ張る

2024年05月14日 09時22分23秒 | 

競っているわけではないが、読了の記録をつけていると
その数がなかなか増えていかないことに少しストレスを感じることがある
先月から今月にかけて読了の数が増えていかないのはこれらの本のせいだ

少し前の中日新聞の書評にもあった「ヤバい統計」ジョージナ・スタージ
前々から統計については違和感を覚えることが多かったので
タイトルに惹かれて購入した
この本には数式は全く登場しない
だがそれでわかりやすくなったか!といえばそうでもない
この本で扱われるのはイギリスの国内事情のものが多く
事情を知らないものにはすぐわかる類ではない
それでも一般論として言わんとすることはわかるし、それらは予想した内容だった
(比較のためのバッドデータとか母集団のこととか)
しかし、ヨーロッパ人の根気の良い文体は精緻であっても読むには疲れる
読んでいてもページが進まないことに苛ついてしまう
こんなんじゃダメだと思いつつも、雑な読み方になっているがまで読了となっていない

「香子 紫式部物語」帚木蓬生著
5冊あるうちの一冊目はとりあえず読了した
大河ドラマの「光る君へ」では「まひろ」と呼ばれる紫式部だが
この本では「香子」となっている
学説でも「香子」とするものがあるらしい

「源氏物語」は読んでおいて良かったと思う作品だが
この小説は紫式部の物語と「劇中劇」としての源氏物語が登場する
紫式部の生活(結婚・出産・地方暮らし)と彼女の「源氏物語」の進行状況が登場する
そして出来上がった作品を祖母や妹たちが読んで感想を言い合ったりしている
ここでは当時の権力闘争は誰かを通してしか知ることができなくなっていて
大河ドラマのように、紫式部も権力闘争の実態をなんとなく知っている
ということがない
メディアがない時代だからそんなものだろうと思う

悲しいことに読んでおいて良かったとする源氏物語だが
劇中劇の作品を読んでいて、こんなシーンあったかな?と思うことが度々あって
自分の記憶も怪しものだと改めて再確認する

ページが進まず読了が進まないが現在は5冊あるうちの2冊め
ここであることに気がついた
それは劇中劇の源氏物語は、主人公の紫式部の物語より数段面白いということ
人物描写が源氏物語のそれのほうが紫式部物語 つまり香子の物語より
ずっとリアリティがあって面白いということだ

1000年以上大事に残され、世界中にも認められている傑作と
フィクションとしての紫式部物語を比較するのは無理なのかもしれない

ということで読了が進まない現状だが、このように手こずって悪戦苦闘している時間こそが
実は長編小説を読む醍醐味かもしれない
でも読了数が増えないことが気になって仕方ないのは、どうしても消し去ることができない

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする