怪道をゆく(仮)

酸いも甘いも夢ン中。

怪評vol.56 V for Vendetta

2010年01月28日 02時49分29秒 | 怪評
えー、まぁ近しいオトモダチにはぼちぼちご連絡中なんですが、来年初夏頃を目標にダブリンに移住しようかなと。そうゆうと古くからのオトモダチ達は5秒ほど沈黙した後に住む所が決まったら遊びに行くよと穏やかなまなざしで肩を叩いて下さいますがw、新しいオトモダチはリアルかつ具体的な心配と制止をしてくださるのでなんか新鮮ですw いや制止も何も行くんだけどさw

何はさておき、かくも真摯にエゲレス語と格闘する日が来ようとは思いもよらず、きゅうきゅうゆうております次第でありまして。どうせなら愉快にべんきょうしたいですしね、昨今のDVDには英語字幕という便利なものがありマスネ。それを利用しまして気に入った映画の全会話をひたすら書き写すという遊び半分なことをしているわけです。そんな中で出会うたのが、本日のネタ、"V for Vendetta"。日本では2006年に公開されたハリウッド映画でございます。その頃といえばアテクシはジャパネスクなモノゴトにゲロはまりしていたのでそんな映画の存在すらしりませんですた。何を今さらこの映画と思われた方、ゴメンナサイ。ついでにネタバレするかもしれませんけどアテクシのことですから脱線したまま迷走するのがオチだからまぁご海容くださいというわけで。

Vと言えば「V ビジター・宇宙からの訪問者」とかありましたねあぁなつかしぃ、なつかしいよドノバンさん!・・・えー、ヴァンデッタの方は同名のアメコミを原作として2005年に米英独が合作。ヴァンデッタなVも訪問者なVも、描くところは同じ、全体主義社会への抵抗と自由をうたう聖林らしい娯楽映画であります。それだけ聞くと聖林の王道みたいな感じだけど、少々異色な感じがするのは、その主人公"V"なる一人の血の復讐―Vendetta―に燃えるテロリストの話であるところでしょうか。

舞台は近未来、第3次世界大戦後のイギリス。独裁者アダム・サトラー議長のもと、イギリスは監視と抑圧に満ちた全体主義国家となっていた。ある11月5日未明、ガイ・フォークスの仮面を被った謎の男"V"が、オールド・ベイリー(中央刑事裁判所)を爆破。翌日テレビ局を襲撃し犯行を声明する中、かつてこの国で弾圧に立ち向かった「ガイ・フォークス」を、「11月5日」の精神を思い出せ。そして1年後、議事堂前で会おうと語りかける。"V"による「血の復讐」がくりひろげられる中で、人々の間にさざ波のように広がる自由への渇望、抑圧に対する抵抗の心、そして明らかになる英国の過去。1年後、11月5日を迎えた議事堂前で、人々は何を見るのか――。指輪物語のエルロンドやエージェント・スミスでおなじみのヒューゴ・ウィーヴィングが仮面のテロリスト"V"を好演、サトラー議長やってるのは多分ハリー・ポッターの杖屋のオヤジです。そんでもってとりあえずナタリー・ポートマンがちょうかわいい。

さて、11月5日やガイ・フォークスというのは、1605年、イギリス議会史上屈指の大事件であるかの「火薬陰謀事件 Gunpowder Plot」が起きた日であり、フォークスはその実行犯であります。イギリス国教会優遇政策下、弾圧されていたカトリック教徒の一部過激派が起こした政府転覆未遂事件で、毎年11月5日にはじまるイングランド議会の開院式にあわせて議事堂地下に大量の爆薬を仕掛け、議場にに会する国王ジェームス1世をはじめとした支配貴族達の一挙爆殺を狙ったもの。コトは直前に露見、前日の夜にフォークスが議事堂地下で捕らえられ、また彼の自白により犯行にかかわった全員が処刑されて事件は終結します。

「11月5日」はその後のイングランドに大きな影響を与えました。これをきっかけに開院式The State Opening of Parliament前日にウェストミンスター宮殿一帯を点検する伝統が生まれ、現在もIRAやイスラム過激派に対する、儀式を越えた現実的行事として連綿と続いております。ヴァンデッタの作者はこの事件の理念を弾圧への抵抗を象徴するものとしてらっしゃるわけですね(イングランドやウェールズはさておき、スコットランドやアイルランドではガイ・フォークスを英雄視する傾向があるんだそうな)。ちなみに映画のメイキング見てたら火薬陰謀事件協会の会長てのがしゃべってたですけど・・・何する協会なんでしょw

アテクシのハートを見事ストラックアウトしてくだすったのは他でもない、このガイ・フォークス。この火薬陰謀事件、イングランド社会にもう一つの変化をもたらすんですが、それがいわゆる「ガイ・フォークス・ナイト」と呼ばれる行事。ご存知の方も多いかと思いますが、毎年11月5日、子どもたちがガイ・フォークスに見立てた人形を市中を引き回し、最後に広場にたかれた篝火で燃やすというもの。人形は子どもたちによって作られるですが、その際に「A penny for the Guy!」と近所をまわる風習もあるんだそうで。むかし何かの番組かでこの行事をチラ見した時は実盛送りでもしているのかと思うていたけど、よう考えたら時期が全く違いますネ。火を焚くことが行事の主たる部分であることやコドモサン達が大暴れする辺り、元々は余所さんとこでいうハロウィンのようですな。実際、イギリスではハロウィンはこのガイ・フォークス・ナイトが盛んになったために廃れたんだそうです。さらに気づかれた方も多いかと思いますが、アングロフォンな方々が呼びかけに多用する「Guy」はこのガイ・フォークスから来ておるんですよ。

ハロウィンは日本でいうお盆と理解していたけれど、ハロウィンはもともとケルト系の文化に発する行事。ケルトの暦では10月31日は一年の終わりで、その日に聖霊や先祖の往来があるというのがそもそもの考え方なんだそうですね。11月5日のガイ・フォークス・ナイトはハロウィンに取って代わった行事なわけですけども、それは火薬陰謀事件が11月5日に行われていたイギリス議会の開院式をねらって起きたことがもとにある。11月1日が年のはじまりなら、5日は三が日のんびりしてぼちぼち仕事はじめよか、ぐらいの日程なわけです。こうみると少なくともイギリス議会がケルト社会でいう一年のはじまりは11月、という感覚に基づいていることがよくわかりますよね。うん、なんか妙に感心したワケデス。


・・・ほぅら脱線したw

えー、映画ですがw とにかく"V"というすぐれてキャラ立ちした主人公が実に魅力的であります。ヒロイン・イーヴィーへの自己紹介は"Voila!"からはじまって"call me 'V'."までの怒涛の130語の中にVから始まる単語はなんと一度もかぶることなく約50語を数え、・・・音感だけで圧倒されますw←そして意味は全く聞き取れないw そのことに示されますように"V"のセリフは言葉の使い方が非常にクレバー。公開の時期がイスラム過激派によるロンドン・テロが起こって大騒ぎなご時世だっただけに、議事堂ことウエストミンスター宮殿の爆破シーンが話題になったらしいんですがね、かくも美しく痛快にして、また心を打つ哀しみを持ったえくすぷろーじょんをアテクシは知りません。・・・感想はそれだけかい、て感じですねスミマセンw

気づいたらこんな時間にw 眠いのでもう寝ますけど、ヒマつぶし&痛快なキモチになりたい時にオススメな感じですのでよろしければどうぞw

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2 コメント

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マジすか!! (龍橋)
2010-03-20 02:41:17
ひさびさにこっそりお邪魔したら、ビッグニウスw
で驚いたです。
ダブリンってあの・・えーと・・
ビールが美味しそうな・・
赤ら顔のおっちゃん達が、機嫌よくうまいギネス・ビール飲んでそうな・・・
ううビールくらいしか知らないや
でもすげ~。いってらっしゃい
体に気をつけて~。そしてできればダブリンよりの
「新・怪道をゆく」をまた是非にw
返信する
どーもどーも。 (主催者)
2010-03-21 11:42:40
ありがとさんですー。
怪道は向こうからも続けるつもりでおりますんでよろしくなのですー。
・・・まぁ、出発は来年ですけどねw
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