今日の東京は、午後から凄まじい夕立に襲われました。
雨もすごかったのですが、特筆すべきは落雷の激しさでしょうか。
まるで古きインドラ神が去って、新たにその地位に着いた若きインドラ神が、デビュー戦に臨んで、張り切り過ぎたような感じでした。(←「インドラ神のデビュー戦」は、吟遊詩人さんに頂いたネタです)
リグ・ヴェーダでは最も多くの讃歌を捧げられている雷霆神インドラも、時代が下るに従って、その地位も下がっていったようです。『マハーバーラタ』(「アーディ・パルヴァン 189章」)には次のような話が載っています。
あるときインドラがヒマラヤの山頂に行ってみると、そこでは見目麗しい若者が女性と一緒にサイコロ遊びに夢中になっていました。自分を無視されたインドラは怒って若者に言いました。
「全世界は私の支配下にあるのだ。私は主宰神であるぞ!」と。
その若者は怒ったインドラを見て笑い、おもむろにインドラを凝視しました。するとインドラは硬直し、その場で柱のように立ち尽くしてしまいました。遊戯を終えてから、若者はインドラに言いました。
「そのヒマラヤの峰をどけて、その中に入りなさい。その中には太陽のように輝く過去のインドラたちがいるであろう。」
インドラがその峰をどけてみると、果たせるかな、その洞穴には自分と同じ輝きを持つ神が、4神ほど閉じ込められているではありませんか。不安にかられてインドラは考えました。
「自分も彼らのようになるのであろうか」と。ぐずぐずしているインドラを見て、若者は両眼を見開いて、怒って言いました。
「インドラよ、この洞穴に入れ! 汝は愚かにも、シヴァである私を侮辱したのだから。」
主シヴァに、このように言われたインドラは恐れおののき、頭を垂れ、合掌して言いました。
「今日のところは大目に見てください」と。
シヴァは笑って答えた。
「これらの者と同様、汝のような性質のものは救済されることはない。それゆえ、この洞穴に入って寝ておれ。」
シヴァとインドラの性格がとてもよく描き分けられているようで、大好きなエピソードです。インドの輪廻思想に従えば、神々の位でさえも無常のものであり、その地位は、長年の善業によって与えられる役職の如き物と考えられています。
夕方、公園に行ってみると、西の空には夕焼けが、そして東の空には微かに虹がかかっていました。インドラ君もデビュー戦をかざれて満足したのでしょうか。
世界もまた、かくの如く平和でありますように! (インドの列車爆破テロに心を痛めつつ。)
雨もすごかったのですが、特筆すべきは落雷の激しさでしょうか。
まるで古きインドラ神が去って、新たにその地位に着いた若きインドラ神が、デビュー戦に臨んで、張り切り過ぎたような感じでした。(←「インドラ神のデビュー戦」は、吟遊詩人さんに頂いたネタです)
リグ・ヴェーダでは最も多くの讃歌を捧げられている雷霆神インドラも、時代が下るに従って、その地位も下がっていったようです。『マハーバーラタ』(「アーディ・パルヴァン 189章」)には次のような話が載っています。
あるときインドラがヒマラヤの山頂に行ってみると、そこでは見目麗しい若者が女性と一緒にサイコロ遊びに夢中になっていました。自分を無視されたインドラは怒って若者に言いました。
「全世界は私の支配下にあるのだ。私は主宰神であるぞ!」と。
その若者は怒ったインドラを見て笑い、おもむろにインドラを凝視しました。するとインドラは硬直し、その場で柱のように立ち尽くしてしまいました。遊戯を終えてから、若者はインドラに言いました。
「そのヒマラヤの峰をどけて、その中に入りなさい。その中には太陽のように輝く過去のインドラたちがいるであろう。」
インドラがその峰をどけてみると、果たせるかな、その洞穴には自分と同じ輝きを持つ神が、4神ほど閉じ込められているではありませんか。不安にかられてインドラは考えました。
「自分も彼らのようになるのであろうか」と。ぐずぐずしているインドラを見て、若者は両眼を見開いて、怒って言いました。
「インドラよ、この洞穴に入れ! 汝は愚かにも、シヴァである私を侮辱したのだから。」
主シヴァに、このように言われたインドラは恐れおののき、頭を垂れ、合掌して言いました。
「今日のところは大目に見てください」と。
シヴァは笑って答えた。
「これらの者と同様、汝のような性質のものは救済されることはない。それゆえ、この洞穴に入って寝ておれ。」
シヴァとインドラの性格がとてもよく描き分けられているようで、大好きなエピソードです。インドの輪廻思想に従えば、神々の位でさえも無常のものであり、その地位は、長年の善業によって与えられる役職の如き物と考えられています。
夕方、公園に行ってみると、西の空には夕焼けが、そして東の空には微かに虹がかかっていました。インドラ君もデビュー戦をかざれて満足したのでしょうか。
世界もまた、かくの如く平和でありますように! (インドの列車爆破テロに心を痛めつつ。)
面白いお話ですね。かつては人気絶大だった神も時代と共に凋落するとはインドらしい。
シヴァは非アーリアの神だったはずですが、最高神に君臨するから、神の世界も競争が激しいですね。
インドの列車爆破テロ事件は痛ましいです。4年前のグジャラート暴動のような報復が起きなければよいのですが…
いつも書き込みありがとうございます。
インドラの「今日のところは大目に見てください」は、人間臭くて笑えますね。
シヴァの「これらの者と同様、汝のような性質のものは救済されることはない。」という返答も面白いです。
パキスタンを非難するデモは起きているようですが、このままでは、インドもますます混迷を深めそうです。
話は変わりますが、ワーグナーの『リング』は、CD、LDあわせて5セット所有しているのですが、毎回「ラインの黄金」から視聴し始めて、「ジークフリート」で力尽きるというパターンです。ということで、いつも気になりながらも、「神々の黄昏」は未視聴だったりします^_^;
雷は荒れ狂うだけてで、有益な事は全くないと、某ア○メではあります(雷は独裁皇帝の咆哮と例えられ、主人公は前述のような発言をしています)。
しかし、日本では、雷=稲妻は、稲を実らせるものともとらえています。現代の私たちでは恐らく、某ア○メのキャラのような感想ですね。
(雷が鳴れば凄まじい音を発し、落ちれば、現代の文明社会(TV、エアコン、PC、蛍光灯、電車など)が麻痺してしまいます。そういう生活に慣れ親しんだ現代人にとって、雷とはやっかいなものでしかありませんね。)
自然とは、恵みと共に多くの暴力、破壊・殺戮をも行うものですが、それに座して従うべきものではないと、無謀にも抗うのは人間なのでしょう。
これからの時期は台風もそうですし、万が一の地震もあるかもしれません。不測の事態に備える事はできませんが(準備できたら、不測とはいいませんね)、杞憂でも、できることだけでも、準備したいものですね。
(本当にまとまりのない文章で申し訳ないです。)
昔は雷を「かっこいい」と言う印象でしか見ていなかったのですが、自分の頭上で「バリバリバリ」と轟音をたてて電気が集まるのを見て以来、さすがに怖くなってしまいました。
>雷は荒れ狂うだけてで、有益な事は全くない
これはなんというアニメののセリフなのでしょう?
エヴァンゲリオンが評判だった頃にDVDをレンタルしてきて見始めたのですが、13話あたりで力尽きました(笑)
私は自然の猛威を感じるたびに、子供の頃に観た映画「大魔神」を思い出してしまいます。
大魔神がひとたび怒れば、善人も悪人も一緒くたに潰されてしまうというあたりに、作品の奥深さを感じてしまいます。
しかし、温暖化のせいなのか、最近の天候不順は脅威ともなって来ましたね。昨年は近所の川が氾濫しましたし・・・・・・。Marsさんの仰るように、「備えあれば憂いなし」、ですね。