ビロウな話で恐縮です日記

日常の隙間を埋める試み
と仕事情報

手紙の隠し場所

2010年06月28日 22時27分45秒 | 日常
御年九十ニだか三だかになる祖母が遊びにきて、
「ときにあなた、私とひろしさん(半世紀ぐらいまえに死んだ、祖母の連れあい)が交わしたラブレターを読みたい?」
と聞く。
いつもながら、なんの前振りも脈絡もなく会話をおっぱじめるなあ、と思いつつ、
「そうだね、読ませてくれるんなら、読みたいね」
と答えると、
「引き出しに大切にしまってあるんだけど、四、五十通はあるかしらねえ。うふふ」
と、もじもじしている。「でも、引き出しの鍵をなくした」
おいおいおい!
「……じゃあ、読ませてもらいたいけど、読めないね」
「そうなのよ。私ももう三十年以上、読み返していない。なにしろ鍵を探しだせなくて」
じゃあなんで、「読みたい?」って話を振ったんだよ、ばあちゃん。
たぶんそのラブレター、引き出しのなかで原料(「こうぞ」とか?)に戻っちゃってるぞ、ばあちゃん。


日記の隠し場所

2010年06月28日 22時07分58秒 | 日常
父がやってきて、
「おまえは……あれか、欲求不満なのか」
と聞く。
なんでそんなセクハラ発言を唐突にかましてくんだよこのオヤジは! と思い、無視していると、
「お父さんその……、おまえの日記を読んだんだが」
と言う。
「ひとの日記を勝手に読まないでよ!」
「そうは言っても、全世界に向けて公開してるじゃないか。だからお父さんだって、つい……」
そう言われてみれば、そうでした。
「ええまあ、わりといつもいろいろ欲求不満ですわね」
と開き直って答えたところ、
「それにしたって、相手はもう少し選びなさい」
と説教される。
そういう夢を見ちゃったんだからしょうがないだろ、とか、勝手に夢に出演させられただけの小○氏に対して失敬じゃないか、その言い草、とか、あんたの娘は相手を選べるようなお年頃はとうに過ぎてしまっているんだが、とか、さまざまな想念がよぎるも、三十過ぎた娘が欲求不満であることを知ってしまった父親ってかわいそうだな、という思いがすべてを凌駕し、
「善処します」
と、とりあえず前向きな回答をしてあげた。