ビロウな話で恐縮です日記

日常の隙間を埋める試み
と仕事情報

本日、ドラマ『舟を編む』第七話放送です

2024年03月31日 09時35分23秒 | 情報
本日、夜10時から、NHK BS/NHK BS4Kで、
ドラマ『舟を編む』第七話放送です。
ついに当日のお知らせになってしまい、
すみません。
どうやら吾輩の締め切り状況が
ピンチにおちいっているようだな
(他人事のように言うのが得意)。
ドラマのなかでも、死神社長の登場により、
岸辺みどりさんたち辞書編集部がピンチに!
『大渡海』はデジタルのみの刊行になってしまうのか。
みなさま、どうぞ玄武書房辞書編集部&あけぼの製紙を
応援してあげてください。
もちろん、「いや、俺は死神社長を応援する!」
というかたもいらっしゃるでしょう。
社長のおっしゃることも、もっともですからな。

小説『舟を編む』では、電子辞書や辞書アプリについては
触れませんでした。
これは当時、私が紙の辞書以外を使っておらず、
デジタルに詳しくないため、
また、そこに話を広げると連載回数に話が収まらないため、
などなど、いろいろ考えた結果なのですが、
一番大きな理由は、
「たぶん今後、辞書にかぎらず、紙の本は減っていくだろうな」
と思ったからです。
だからこそあえて、紙の辞書を、どういうひとたちが、
どんな思いをこめて、どうやって作っているのかを、
小説という形で書きたいなと思いました。
現時点において、私が予想していたよりも、
(辞書にかぎらず)紙の本は生きのびていますが、
今後もデジタル化の波は避けられないだろうと感じます。
もちろん、デジタルをいやだとはまったく思っておらず、
紙の本も、電子書籍も、各人の事情やシーンに合わせて、
自由に選択できるといいなと願っています。
つまり、紙の本と電子が併存する現在の状況が、
わりとベストなんじゃないか。
そう思っているのであります。

小説版では言及しなかった(言及できなかった)
電子辞書や辞書アプリを、
ものすごくうまくドラマのストーリーに組みこみ、
胸熱な展開を繰り広げてくださった
脚本家の蛭田直美さんに、心から感謝しています。
もちろん、スタッフ、キャストのみなさまにも。
ドラマ見てから小説書けばよかったんだが、
しまったですなあ(時空のゆがみ)。

日曜夜、ドラマ『舟を編む』第六話放送です

2024年03月23日 23時37分57秒 | 情報
みなさま、お忘れではないですかい?
明日、日曜日の夜10時から、
NHK BS/NHK BS4Kで、
ドラマ『舟を編む』第六話放送です。
え、「覚えてるよ」って?
どうもありがとうございます!

「前日のお知らせ」と言えるギリギリの
タイミングでブログをアップしている、
私のほうこそが忘れてるんじゃないか疑惑が
あるかと思いますが、
むろん覚えておりますとも。
めっちゃ楽しみに放送を待っています。
しかしさっきまで、チャーハン作って食べるのに
忙しくてな。
あなたは、こんな時間にチャーハン作って
食べたのですか。
はい! おいしかったです!(よい子のお返事)

第六話では、玄武書房の新社長に就任した、
「死神」と呼ばれるひとが
本格的に登場します。
会社を立てなおすため、ばっさばっさと
改革を推し進める新社長。
辞書を作るには、
長い時間とお金がかかりますから、
岸辺みどりさんたちのいる辞書編集部も
当然、新社長にロックオンされて……!?
大ピンチです。
どうなる、辞書編集部!
たすけて、ジーションズ!
(※ジーションズは私が推測するに、
五話だけの特別出演(?)です)
ドラマも後半戦に入り、
ますます目の離せない展開です。
どうぞご覧ください。

一方そのころ、私は死神社長の登場に、
「玄武書房のためにも、よかったんじゃないか」
と少し安堵していた。
そうだよな〜、
入社当時の馬締さんを営業部に、
西岡さんを辞書編集部に配属した玄武書房って、
ひとを見る目というか経営方針というか、
どうなってんのかなと気を揉んでたんだよな〜。
(※他人事のように言っていますが、
原作にある設定です。
だれが書いた小説なのかしら)
そりゃあ、立てなおしができる
死神社長を招聘するよな〜。
玄武書房、まともな判断能力があったようで、
よかったよかった。
(※死神社長の登場は、
ドラマ版で加えてくださった
エピソード、展開です。
ということは、原作の玄武書房、
まともな判断能力が……ない!?
ほんと、だれが書いた小説なのかしらねえ)

ぜひ、『舟を編む』(ドラマ版)をお楽しみください。

日曜夜、ドラマ『舟を編む』第五話放送です

2024年03月16日 17時22分13秒 | 情報
明日、日曜の夜10時から、
NHK BS/NHK BS4Kで、
ドラマ『舟を編む』第五話放送です。
どうぞお忘れなく〜!
全10話の折り返し地点となりますが、
第五話も登場人物のみなさんすべての思いが胸に迫って、
もう、もう……。
一足おさきに七話まで拝見しているのですが、
このあともいろいろ起きて、もう、もう……。
いや、みなまで言うまい。
とにかく笑いと涙にあふれた
素晴らしいドラマにしていただいているので、
ぜひご覧ください。
いまからでもお話には追いつけますから、大丈夫です!
どうぞよろしくお願いいたします。

そういえば、登場人物の一人である馬締さんは、
原作の小説では、自分のことを「俺」と言います。
あらたまった場でも、目上のひとと話しているときでも、
「俺」一辺倒。
映画化、漫画化、アニメ化、そして今回のドラマ化と、
すべてのケースで、制作してくださるかたから、
馬締の「俺」について、質問があったり、話題に上ったりしました。
登場人物が自身をどう呼ぶかって、
性格などが表れるところだと思うし、とても大切ですものね。
丁寧に原作を読んでくださっているんだなあと
感激しつつ、「俺」にした意図を説明しました
(意図の内容については、ここでは省略します。
読者のかたそれぞれの、「なんで馬締は『俺』なのかな」
という自由な解釈があるのが当然だと思うので)。
そのうえで、
「とはいえ、『僕』でも『私』でも『拙者』でも『それがし』でも、
なんでもいいですよ〜」
とお伝えしました。
ドラマ版では、原作の「俺」を踏襲してくださっていますが、
この機にぜひ、映画版、漫画版、アニメ版の馬締が、
自分のことをなんと呼んでいるのか、
確認してみていただければと存じます。
この一点だけ取っても、
作り手のみなさまのいろんな解釈が感じられて、
楽しいです。
はたして、「拙者馬締」や「それがし馬締」は存在するのか。
ドラマ版をはじめ、ひきつづきさまざまな媒体・表現で、
『舟を編む』をお楽しみいただけましたら幸いです。

『しんがりで寝ています』発売中&日曜夜、ドラマ『舟を編む』第四話放送です

2024年03月08日 23時49分47秒 | 情報
エッセイ集『しんがりで寝ています』(集英社)が
発売されました。
ファッション誌「BAILA」で連載中のエッセイをまとめた一冊です。
おしゃれな雑誌にふさわしくない、
おしゃれじゃなさ! と定評あります。
どんな定評なんだ。
追記や書き下ろしもせっせと加えて、
またもみっちりの大ボリュームになりました。
でも、お高いんでしょ?
大丈夫、紙の価格が上がっている昨今ですが、
集英社さんががんばってくださり、
お値段据え置き、300ページ超で1600円+税!
こいつぁお買い得だ(自分で言っていくスタイル)。
装幀は円と球さん、カバー写真は魚地武大さんが
手がけてくださったので(どうもありがとうございます!)、
中身はおしゃれじゃないけど、本という物体としてはおしゃれ。
こいつぁインテリアにもなることまちがいなしだ。
お手に取ってみていただければ幸いです。

そして、今週日曜日(3月10日)、夜10時、
NHK BS/NHK BS4Kで、
ドラマ『舟を編む』の第四話放送です。
わたくし毎回、出演者のみなさまの静かなる熱演に
だーだー泣いているのですが、第四話も……。
いや、みなまで言うまい。
今回は図版会議が行われ、
辞書に載っているイラストにまつわるストーリーが
展開されます。
『大渡海』専用の、特注の本文用紙の開発も、
みどりちゃんと宮本くん(登場人物)が
着々と進めてくれているもようです。
四話からでもまだまだお話に追いつけますので、
ぜひご覧いただければと存じます。
どうぞよろしくお願いいたします。

本日、ドラマ『舟を編む』第三話放送です

2024年03月03日 14時03分42秒 | 情報
連続ドラマ『舟を編む』、
今夜10時から、NHK BS/NHK BS4Kで
第三話が放送です。
わたくし、この第三話も大好きなのです。
それを言ったら全話、大好きだし素晴らしいのだが。
お楽しみいただければ幸いです。

一、二話を見逃しちゃったなというかた、
こちらはいかがですか?(あやしいおすすめ風)
いえ、あやしくないです。
YouTubeで、NHKさんが公式に、
一、二話をギュギュッとダイジェストにした映像を
アップしてくださっているのです。
予習復習にぜひご活用ください。
https://www.youtube.com/watch?v=7SppbjO7Xx4


映画『舟を編む』の期間特別上映をご覧くださった
みなさまにも、御礼申しあげます。
リバイバル上映ってなかなかないので、
お近くの映画館でラインナップに加わっているようでしたら、
この機に足をお運びいただければと存じます。
大画面で見ると、映画『舟を編む』、ますますサイコーですだよ。

ドラマや映画をご覧になって、
「我が家にも辞書があるといいな
(あるいは、せっかくだから新しい辞書に買い替えてみようかな)」
という思いが高まっているかた、多いのではないかと推測します。
え、高まってない? そんなわけないよな、高まってるよな(圧)。
でも、どの辞書を買えばいいかわからない、というかたも
多いのではないかと推測します。
答えはひとつ、「気になった辞書は軒並み買う」なのですが、
それはやりすぎかもってこと、薄々わかってる。すまん。

国語辞書の場合は特に、「わからない言葉を調べる」だけでなく、
「パラパラと読んで楽しむ」
「知ってる言葉を引いてみて、語釈の妙を堪能する」
などのおもしろさがあるので、
一冊は紙の辞書がお手もとにあるといいかなと思います
(紙の辞書だと、調べたい言葉だけでなく、それ以外の言葉も、
ページを開くとパッと目に入ってきて、
「へえ、こんな言葉があるんだ」みたいな
思いがけない出会いが起こりやすいから)。

紙の辞書を買う場合、できれば書店に行って、
実物をいろいろ手に取ってみるのがベストです。
ページのめくりやすさや質感、文字の見やすさなど、
ご自分の「好み」で選ぶのが大事だからです。
中身に関しては、どの辞書もそれぞれの編集方針に基づき、
吟味に吟味を重ねて練りあげているので、品質は保証されています。
だから、まずは内容についてはあまり気にせず、
「なんとなく好きな質感だな」とか「使いやすそうだな」といった、
直感で選ぶのがいいんじゃないかな、と思う次第です。
ストレスなく、日常で気軽に活用することができれば、
辞書も「そんなに俺を頼りにしてくれて……!」と喜ぶでしょう
(すぐ擬人化する)。

しかし辞書は、「引き比べるのがおもしろい」というのも事実。
中身の品質保証は大前提として、
個性(編集方針=性格)は辞書によってまったくちがうのです。
一生のうち、一人の相手としか会話しないひとがまずいないのと同様、
一生のうち、一種類の辞書しか使わないというのはもったいない。
ぜひ、辞書ごとの個性のちがいを味わっていただきたい!
私のおすすめは、「同じサイズの辞書を複数冊所持する」です。
たとえば、『広辞苑』を買ったら、
二冊目は同じサイズの『大辞林』か『大辞泉』を選び
(三冊ともそろえるとなおよいのだが……!)、
同じ言葉を引いてみて、それぞれの語釈のちがいや工夫を堪能する。
言葉も、辞書も、生き物なんだなと感じられて、恍惚となります。
え、ならない? そんなわけないよな、恍惚となるよな(圧)。
むろん、小型辞書(とはいえ、充分大きい)でもいいのです。
『新明解国語辞典』『三省堂国語辞典』(この二冊、出版社は同じですが、
個性がまったく異なります)『岩波国語辞典』『学研現代新国語辞典』
『明鏡国語辞典』『旺文社国語辞典』『例解新国語辞典』『新選国語辞典』などなどなど、
挙げきれないほどたくさんの、
華麗なる小型辞書一族があなたをお待ちしております。
二冊以上を選んで、引き比べてみてください。
え、「いっぱいありすぎて、絶望……」って?
何度も申しますが、どの辞書も内容は保証されてるから、
あまり身がまえず、直感と好みで選べばいいのです!

しかし、家に二冊(以上)も辞書を置くとなると、
スペースの問題が……、というかたもいらっしゃるでしょう。
お気持ち、よくわかります。
私も軒並み買った辞書に圧迫され、
仕事机のスペースがどんどん狭くなり、
足もとにも辞書が並んでて歩きにくいので、
トイレへ行くときは早め早めの行動を心がけてます。
この場合はやはり、辞書アプリや電子辞書の出番です。
各辞書が電子版を出してますので、
二冊目以降はそれらを購入するという手があります。
外出先でも引き比べをお楽しみください。

どうすんの、そんなに辞書を所持して、
外出先でまで眺めろだなんて! 尋常じゃない……!
と思われるかもしれませんが、そんなことはない。
私なぞは、まだまだ辞書好きのこわっぱとも言えぬ生ぬるさ。
本物の辞書好きは、生活とスペースのすべてを辞書に捧げておられて、
尊敬の念を抱くほかありません。
どんな分野でも、オタクまじでやばい。もちろん、いい意味で、です。

各種国語辞典の特徴が、わかりやすく楽しく書かれているのが、
『学校では教えてくれない! 国語辞典の遊び方』
(サンキュータツオ・角川文庫)
です。
この流れだと、サンキュータツオさんがやばい辞書オタクみたいに
受け取られてしまうかもしれないが、そんなことはな……くもない。
文庫の解説を私が書かせてもらっていますが、そこは無視していただいてけっこうです。
「自分に合った辞書はどれかな」と選ぶ際に、ものすごく参考になりますし、
辞書のおもしろさ、楽しみかたがビンビン伝わってくる名著ですので、
まずはこの一冊を手がかりに、
お好みの辞書と出会うのもいいかもしれません。

みなさまが楽しい辞書ライフを送られますよう、お祈りしております!