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9人目の証言者(ミケーレ)

2008年01月06日 10時41分52秒 | 夕闇のせまるころに
■9人目の証言者(ミケーレ:自動車修理工の男)


工場に持ち込まれた修理について聞きたいって? ちょっと待ってよ。日誌を見るからさ・・・。
電気系統の故障とか、パンクとか、板金とか、色々あったけど、大きなものは・・・、えっと、そうそう、ちょうど一昨日納車したばっかりなんだけどね。バンパーとボンネットがへこんで、右側のヘッドライトが割れた黒のワンボックスカーがあったんだよ。エアバッグまで出ちゃってたからね。かなり大きな衝撃だったんじゃないかな。
鹿が飛び出してきたらしいよ。鹿肉よりも、車の修理の方が高くついたって笑ってたけど。新車だったし、気の毒だよねぇ。持ち主の住所はっと・・・ あったよ。ほら。
もしかして、事故を起こした車が、死体をどこかに隠したとかって考えてるわけ? ありえる話だけどね。 でもあの車の様子から見ると、「子供がぶつかった」って程度の衝撃じゃなかったと思うよ。
それよかさ、事件のあった日なんだけどね、男の子たちがね、数人で女の子を取り囲んでいるのを見たんだよ。人数はえっと、そうだなぁ~ 3~4人いたんじゃないかな。
ポプラ並木に平行して、川があるでしょ。あの川の橋を渡るとき、下の川原で、男の子が女の子をいじめているように見えたんだよね。橋の上からだったから顔はよくわかんなかったけど・・・新聞に書いてあった女の子の特徴と良く似ているような気がしてさ。
とにかくさ、その時は、なんか仲良く遊んでいる風には見えなかったんだよ。
そいでね、クラクションを鳴らして「こらぁ~。何してんだ~」って怒鳴ったんですよ。そしたら蜘蛛の子を散らすように逃げたんだけど、その後どうなったかはわかんないなぁ~。
車の修理に行く途中だったから、急いでたしね。修理はね、バッテリー上がりだったから、ものの5分で片付いたんだよ。でも、年代物のメルセデスだったからね、サービスでラジエターの水を補給したり、オイルの様子をみたり、書類に記入してもらったりしたから、30分ぐらいかかったかな。帰りはもういなかったよ。


これはフィクションです、実在する氏名との重複があったとしても、なんら関係はございません。




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