前にも書きましたが、がっちゃんは「それなりに」本を読んでいます。
ブログを始めてから読書量がガクンと落ちましたが、さっき1月に読んだ本を数えたら、15冊でした。
で、とにかく読み終わった本については、今後の資料にとして手元に残すもの以外は、古本屋に持っていくか、友人に送るか、とにかく、どんどん処分するようにしています。
しかし、漫画は捨てられない・・・
特に今まだ連載中のものは特に・・・
なるべく買わないようにと思いつつ、本棚のかなりの分量を占めています。
で、このブログにわざわざ取り上げたってことは、イタリアに関係しているハズですよね。すいません。前フリが長くて
それが、惣領冬美の「チェーザレ 破壊の創造者」です。
既に4巻出ていて、なんで今頃紹介するの?ってところもあるんですが、実は出たんです。
はい、イタリア語版が・・・
残念ながら装丁の写真がカラーで見つからなかったのですが、雑誌モーニングで紹介された写真を見る限り、冒頭の日本語版とほぼ同じです。
チェーザレ⇒CESARE
破壊の創造者⇒Il creatore che ha distrutto
惣領冬美⇒Fuyumi Souryo
です。イタリアで日本のマンガが出版される際は、2冊に分割されて出ることが多いのですが、これは日本版と同じ編集のようです。
日本に住んでいるからと言って、全ての人が歌舞伎や日本史に詳しいわけではないように、イタリアが好きだと言ってもイタリアの歴史を学んでいる方は少ないでしょう。「マンガで学ぶ○○」って言うとすごく安っぽく聞こえますが、このチェーザレに関しては、詳細な時代考証を行って本当に緻密に描かれていて、「マンガ」と言う域を超えて、一つの立体的、視覚的な読み物として味わうことが出来ます。
イタリア在住の方も、是非手にとって見てください、ルネッサンス時代のイタリアへ思いをはせることができると思います。
以下は、日伊文化交流協会の会報誌LA SPIGAに記した書評です。
よろしければ参考になさって下さい。
チェーザレ 破壊の創造者
著 者:惣領冬実
監 修:原基晶
発 行:講談社モーニングKCDX
定 価:本体743円+税
(現在1~4巻発行 以下続刊)
本誌で取り上げる初めての「漫画」である。今まで登場しなかったのは、決して漫画を軽視するものではない。ただ、「イタリア」を主題に置いた漫画は数が非常に少なく、完成度と言う意味において紹介するに値する作品に出会うことができなかった。
それ故、本書「チェーザレ」の雑誌連載が始まった時は、まさに開闢ともいえる瞬間であった。しかしながら、本人の遅筆に加え、余りにも不定期な掲載のためストーリーが追いきれず、単行本の発売を待ちわびていた。連載開始から実に1年7ヶ月。その期待を裏切らない素晴らしい仕上がりである。
手放しの誉め言葉は見苦しいが、それでも尚、私は今まで手にしたどのチェーザレ・ボルジアに関する本よりも、本書のチェーザレが魅力的だと思う。
惣領氏の絵は、繊細で流麗な線と、しっかりしたデッサンが持ち味で、奥行きのある背景と、描かれる人物の美しさに秀でている。
その一方で堅苦しくも感じられるその硬質なラインは、キャラクターを形作る要素の一つとして、「潔癖さ」や「頑迷さ」そして「志の高さ」を表現しているように思う。
また、歴史物を扱う上で欠かせないのが、時代考証であるが、ダンテ学者の原基晶氏の協力を得て、服装、調度品、建築物、そして生活の細部に至るまで綿密に調べていることが見て取れる。
しかしながら、どれほど熱心に資料を紐解いても、またどんな時代であっても、その日その人が、何処で、何時、何をしたか。を完璧に知ることは不可能である。自分のことでさえ、1週間前の出来事を正確に語ることは難しい。つまり、実際に起こったことの点と点をどう埋めるのか。ここが作家の想像力であり、情熱であり、遊びである。
たとえば、作中のレオナルド・ダ・ヴィンチとチェーザレとの邂逅もその一つである。実際に遇ったかどうかについての裏づけは別にしても、時代的に矛盾はない。つまり、氏のあとがきの言葉を借りるならば、「歴史的に間違っていない範囲でわかっていることから推測してフィクションを作る。」作業に関して、読者は「点」の部分を激しく逸脱しない限り、作家の創造性を支持する。
イタリア・ルネッサンス時代の風俗を楽しみつつ、複雑な人間関係と熾烈な権力闘争をこうして漫画で味わえる至福に酔う。続刊に期待。
↑イタリア情報の方は、イタリアに関するブログばかりなので、面白いですよ! よろしければクリックお願いします
ブログを始めてから読書量がガクンと落ちましたが、さっき1月に読んだ本を数えたら、15冊でした。
で、とにかく読み終わった本については、今後の資料にとして手元に残すもの以外は、古本屋に持っていくか、友人に送るか、とにかく、どんどん処分するようにしています。
しかし、漫画は捨てられない・・・
特に今まだ連載中のものは特に・・・
なるべく買わないようにと思いつつ、本棚のかなりの分量を占めています。
で、このブログにわざわざ取り上げたってことは、イタリアに関係しているハズですよね。すいません。前フリが長くて
それが、惣領冬美の「チェーザレ 破壊の創造者」です。
既に4巻出ていて、なんで今頃紹介するの?ってところもあるんですが、実は出たんです。
はい、イタリア語版が・・・
残念ながら装丁の写真がカラーで見つからなかったのですが、雑誌モーニングで紹介された写真を見る限り、冒頭の日本語版とほぼ同じです。
チェーザレ⇒CESARE
破壊の創造者⇒Il creatore che ha distrutto
惣領冬美⇒Fuyumi Souryo
です。イタリアで日本のマンガが出版される際は、2冊に分割されて出ることが多いのですが、これは日本版と同じ編集のようです。
日本に住んでいるからと言って、全ての人が歌舞伎や日本史に詳しいわけではないように、イタリアが好きだと言ってもイタリアの歴史を学んでいる方は少ないでしょう。「マンガで学ぶ○○」って言うとすごく安っぽく聞こえますが、このチェーザレに関しては、詳細な時代考証を行って本当に緻密に描かれていて、「マンガ」と言う域を超えて、一つの立体的、視覚的な読み物として味わうことが出来ます。
イタリア在住の方も、是非手にとって見てください、ルネッサンス時代のイタリアへ思いをはせることができると思います。
以下は、日伊文化交流協会の会報誌LA SPIGAに記した書評です。
よろしければ参考になさって下さい。
チェーザレ 破壊の創造者
著 者:惣領冬実
監 修:原基晶
発 行:講談社モーニングKCDX
定 価:本体743円+税
(現在1~4巻発行 以下続刊)
本誌で取り上げる初めての「漫画」である。今まで登場しなかったのは、決して漫画を軽視するものではない。ただ、「イタリア」を主題に置いた漫画は数が非常に少なく、完成度と言う意味において紹介するに値する作品に出会うことができなかった。
それ故、本書「チェーザレ」の雑誌連載が始まった時は、まさに開闢ともいえる瞬間であった。しかしながら、本人の遅筆に加え、余りにも不定期な掲載のためストーリーが追いきれず、単行本の発売を待ちわびていた。連載開始から実に1年7ヶ月。その期待を裏切らない素晴らしい仕上がりである。
手放しの誉め言葉は見苦しいが、それでも尚、私は今まで手にしたどのチェーザレ・ボルジアに関する本よりも、本書のチェーザレが魅力的だと思う。
惣領氏の絵は、繊細で流麗な線と、しっかりしたデッサンが持ち味で、奥行きのある背景と、描かれる人物の美しさに秀でている。
その一方で堅苦しくも感じられるその硬質なラインは、キャラクターを形作る要素の一つとして、「潔癖さ」や「頑迷さ」そして「志の高さ」を表現しているように思う。
また、歴史物を扱う上で欠かせないのが、時代考証であるが、ダンテ学者の原基晶氏の協力を得て、服装、調度品、建築物、そして生活の細部に至るまで綿密に調べていることが見て取れる。
しかしながら、どれほど熱心に資料を紐解いても、またどんな時代であっても、その日その人が、何処で、何時、何をしたか。を完璧に知ることは不可能である。自分のことでさえ、1週間前の出来事を正確に語ることは難しい。つまり、実際に起こったことの点と点をどう埋めるのか。ここが作家の想像力であり、情熱であり、遊びである。
たとえば、作中のレオナルド・ダ・ヴィンチとチェーザレとの邂逅もその一つである。実際に遇ったかどうかについての裏づけは別にしても、時代的に矛盾はない。つまり、氏のあとがきの言葉を借りるならば、「歴史的に間違っていない範囲でわかっていることから推測してフィクションを作る。」作業に関して、読者は「点」の部分を激しく逸脱しない限り、作家の創造性を支持する。
イタリア・ルネッサンス時代の風俗を楽しみつつ、複雑な人間関係と熾烈な権力闘争をこうして漫画で味わえる至福に酔う。続刊に期待。
↑イタリア情報の方は、イタリアに関するブログばかりなので、面白いですよ! よろしければクリックお願いします
私もこれ読んでいますが、本当に背景も丁寧に描かれていて奥行きがありますし、時代考証もよくされていますよね。
元々チェーザレに関する本っていうのは好きだったのですが、これでよりチェーザレの魅力に惹かれています。
イタリア語版も読んでみたいですが、とりあえず日本語版の続編を気長にまちます。
そうなんですよ。モーニングの巻末に、イタリア語版発売記念でポスタープレゼントとか書いてあって、イタリア語版の写真が写ってました。
日本語版は現在4巻まで出てます。だいたい1年に1冊ですよね。読むのは一瞬なだけに待ち遠しいです。
小さい本屋だとあまりマンガは置いてないのですが、探してみますね。
実はベルバライタ語版も買い集め中なんですが、
これもなかなか揃いません。。
そうなんですよねぇ~。マンガを買い揃えるのは至難の業。
特に私のようなイタリアに住んでいないものにとっては、行ったときにあるものを買うので、全巻揃えたことありません(泣)
Ledy Oscarは、1巻と15~21巻があります。
でも、今はフメッテリーアがありますから、ずいぶん買いやすくなりましたよね。
物によっては全巻揃えて売ってたりしますし・・・
チェーザレに関しては、通常のイタリア語版だったら多分1巻を2冊か3冊にしますけれど、このまま出ていますから、値段は高いと思いますが、揃えやすいと思います。日本では現在4巻までですが、イタリア語版は1巻と2巻が出たと書いてありました。
でも、読みたい時とそうでない時ってのがあって、最近はあまり読みたい時期ではないんだなぁ。なんでなんだろう?
日本ってこういう本とかテレビ番組でも歴史物とか結構あって面白いですよねぇ。
イタリアにはこういうのあんまりないもんなぁ。あることはあるんだけど、全然面白くなくしてくれるし(笑)
↓mannaggiaは辞書に載っていたように思うんですよねぇ。違うかったかなぁ?
私はイタリアの歴史にようやく興味を持ち始めたところで、
まだ何も1歩目を進めていないのですが、
この本をみんなが絶賛しているので、
今度の帰国時にでも読んでみようかなぁ~って思います!
イタリア語版は、日本語版で内容を把握してから挑戦しようっと(笑)
先日、ミラノのFumetteriaへ行きました。
ブックビニールがしてないので、アソコって立ち読みできるんですよね(笑)
だからか、イタリア人が沢山立ち読みしてました。
注意する人も居ないし、私がイタリア語完璧に理解してたら
私も立ち読みで済ましちゃうかもって思いましたよ(笑)
いやーこっちでみたらとりあえずチェックしてみます!
本はあまり読む方ではないんですが、漫画だったらスイスイ読めそうですね♪
特に歴史は大の苦手なんで・・・(汗)
でもイタリア語は絶対読めないので、日本に帰った時チェックしてみます☆メモメモ
皆さんも皆知っててこんなに有名だし、がっちゃんさんもお薦めだし、あたいも読んでみよーかなー