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1984年 グラミー賞 最優秀アルバムを振り返る 

2011年09月13日 | Back To The 80'S
 前回、ビルボード(オンエア重視)とキャッシュボックス(セールス重視)を組み合わせて1984年のチャートを振り返ってみましたが、今回はグラミー賞から84年を振り返ってみようと思います。今回は最優秀アルバム部門です。
 個人的に84年を振り返ると、この年の春にMJのショートフィルム「スリラー」に出会い、そこからアルバム『スリラー』、さかのぼって『オフ・ザ・ウォール』、当時、ジャクソンズのベスト盤的だった『Best Live』を聞きまくっていました。そしてリアルタイムにジャクソンズの『Victory』を購入し、マイケルとジャーメインがリードをとる「Torture」にはまりました。それからマイケル以外に初めて購入したアーティストが、ジャーメイン・ジャクソンの『ダイナマイト』(邦題)でした。元々、MJとのデュオ「Tell Me I'm Not Dreamin』が目的での購入でしたが、ジャーメインのVocalにも魅了され(ネタではなく)ジャーメインのファンにもなるのです。個人的にはジャクソン一色の84年でした。ほんと、『スリラー』はこの頃からずーと聞いてるな~。
 まだジャクソン以外のアーティストには興味がなかった頃です。リアルタイムに84年の曲は聞いていないのですが、後追いでアルバムを購入しいろいろ聞きました。84年度のグラミー賞のアルバム部門は、80'Sを代表する名盤ぞろいです。といっても私、すべてのアルバムをもっているわけではありません。ブルースの『ボーン・イン・ザ・USA』とシンディーの『She's So Unusual』は持っておりません。シンディーはベスト盤と12inch Remix集は持っていますが、アルバム購入してません。ただ両者ともシングルヒットを連発したアルバムです。ラジオやTVで耳にした曲も多かった。
 それではそんな中途半端な感じでこの年の音楽と触れている私が、ノミネートの5枚を浅く紹介したいと思います。

オール・ナイト・ロング
クリエーター情報なし
USMジャパン

 ちょうどマイケル・ジャクソンショーのようだった83年のグラミーを紹介したところですが、MJの前に涙をのんだリッチーの『Can't Slow Down』が84年最優秀アルバムを受賞します。リッチーも喜んだ事でしょう。84年の年間アルバムチャートでも3位です。(ちなみに1位は『スリラー』→2年連続1位の快挙です)シングルヒットも5曲のTop10ヒットを生み、「オール・ナイト・ロング」と「ハロー」が全米1位を獲得しています。MJはKing Of POPとよく言われますが、リッチーの方がふさわしいんじゃないかな~って思うおれです。そんなにR&B色は強くない、実にポップな曲を作るんです。すごく聞きやすいアルバムです。ただおれ、実は「ハロー」好きじゃないんです。ベタすぎて。おれと同じように、リッチーのこの辺のベタさを好まない人もいると思う。しかし、他の名盤4枚を抑えての受賞です。おめでと~。

ボーン・イン・ザ・U.S.A.(紙ジャケット仕様)
クリエーター情報なし
Sony Music Direct

 もってないアルバムを語るのは難しいですが、12曲中、7曲がシングルカットされ、すべてTop10に入るという記録をうみます。これは『スリラー』と並ぶ記録です。ですから「ダンシン・イン・ザ・ダーク」や「ボーン・イン・ザ・U. S. A」などのヒット曲は聞いていました。王道ロックがなじまず今にいたっているので購入していないのです。でも今回紹介するにあたって聞きたくなった。ブルースのライバル的にヒューイ・ルイスも人気がありました。『スポーツ』も大ヒットした。84年のアルバム年間2位ですがノミネートされていませんね。80'Sのブルースはパワー全開って感じですが、90年代に入りわびさび感がでたブルースが好き。
 グラミーの最優秀ロック歌手も受賞。ロックは語れませんが、ブルースのようにここまで国民からも愛されたロッカーっていないような気がする。このアルバムは、80'Sだけでなくアメリカロック史に刻まれた名盤だと思う。(持ってないのに適当な事をいうぜ、おれ)

Private Dancer
クリエーター情報なし
Capitol

 ティナの復帰アルバムもノミネートされます。ティナの復帰を多くの人が喜んでいる感じです。80'Sを聞いてきた人たちは、「What's Love Got To Do WIth It」ではなく、邦題の「愛の魔力」のタイトルがなじんでるはず。そして、レコード・オブ・ザ・イヤーを獲得します。アルバムまで受賞したら、84年はティナのグラミーぽかったですが、受賞はできず。
 アイク&ティナの時代は知りません。このアルバムからファンになりました。このティナのVocal、表現力は何と言っていいのか。ソウルという簡単な言葉ではくくれない感じ。アル・グリーンのカバー「Let's Stay Together」は最優秀R&B歌手でノミネートされ、「Better Be Good To Me」では最優秀ロック女性歌手を受賞しています。これまた黒人女性がロック部門で受賞するのは珍しいように思うのですが、ティナはしばらくこの部門他の追随を許さない感じで翌85年、86年、88年と連続受賞しています(ノミネートはほぼ毎年)。
 アルバムには他にも魅力的な曲が満載です。ビートルズのカバー「Help」、デヴィッド・ボウイが書いたPrinceっぽいちょっと変な曲「1984」、マーク・ノップラー(ダイアー・ストレイツ)作の「Private Dancer」それらの曲を、パワフルに情感を込めて歌います。次作の『Break Every Rule』も好きなアルバムです。90年代に入ってからは、ちょっと遠のきました。
 個人的には、あえてソウルな、R&B的なアルバムも作ってほしかった。

パープル・レイン(紙ジャケ SHM-CD)
クリエーター情報なし
ワーナーミュージック・ジャパン

 そしてプリンスです。個人的には、『パープルレイン』に1票です。前作『1999』も名盤だと思いますが、あのアルバムでミネアポリスのスターから、USAにその名を認知させた。そしてプリンスの名を世界的に認知させたアルバムが今作だと思います。映画もけっこう評価されます。それで上がっちゃったプリンスは、さらに自慰的な『Under The Chery Moon』を作っちゃいました。(ダイジェストでしか見たことないのですが、モノクロのフランス映画ってのがさらなるプリンスの美学が全開って感じ→なんか見たくなったぞ)
 84年は、プリンスの年だったのではないでしょうか。一応サントラなので、トータル感を感じます。湿った夜のStreetと妖しげな世界が浮かぶ。映画も見ましたが、映像と音楽も絶妙に溶け込み、ベタなStoryではありますが、退屈することなく最後まで見れました。プリンスの美学を感じる映画です。ギターからピアノまでできるプリンス。さらにテクノロジニーにも長けてるプリンス。グラミーも最優秀ロックバンドで受賞していますが、あまりバンド色を感じないアルバムです。意外とけっこう打ち込み感がある。このギターサウンドと、テクノロジーと絶妙なPOP感の融合が素晴らしい。そしてプリンスの、爬虫類系シャウトと言われた七変化Vocalにも魅了される。「Beautifui One」の終盤のシャウトはすごい。1曲1曲にドラマ性も感じる、捨て曲なしの名盤だと思います。
 並行して『Around The World In A Day』を制作していたというのもすごい。この2枚でプリンスの世界にもはまる事になるおれです。

シーズ・ソー・アンユージュアル
クリエーター情報なし
エピックレコードジャパン

 シンディー・ローパーのこのアルバムもノミネートされたんですね。これまた日本では『ハイスクールはダンステリア』で認知されています。シンディー自身はこのタイトルには憤慨してるって聞いたことがあります。このアルバムもシングルヒット連発です。グラミーの最優秀新人賞も受賞します。(他のノミネート者は、シーラE、フランキー・ゴーズ・トゥー・ハリウッド、コリー・ハート、ジャッズ)グラミーの新人賞をとるとその後伸び悩むというジンクスがありますが、けっこう当たってるかも。ちょっと飛んでるキャラも愛されたシンディー。あれは地なのかキャラなのか。芯はすごく真面目な方のように思います。
 シンセ感というか、このポップ感は80'Sを代表する1枚です。シンディーのライバルとしてマドンナがいました。80'Sはアーティストのライバルを作って盛り上がるとこもありましたが、これって日本だけなんだろうか。自然にそういった流れができるんですかね。マドンナも『Madonna』でデビューし、「ボーダーライン」や「Holiday」がDanceチャートを中心にヒットします。これらのセンチメンタル系Dace曲好きです。ただグラミーではDance系の曲の評価は低い。翌85年はマドンナの年になりました。
 なんといってもシンディーで取り上げたいのは「Time After Time」です。一生モンの名曲バラードです。アルバムからは最終的に4曲がTop10に入るヒットにもなります。「She Bop」も好きでした。「ハイスクールはダンステリア」を聞くとこの頃を思い出す人も多いはず。好き嫌いは別にして、80'Sといえばとふられたら出してしまう1曲です。

 以上5作品を紹介しました。80年代を代表する5枚だと思いますし、80年代を代表するアーティストが集結しています。象徴的なのが翌85年、80'S的プロジェクト「We Are The World」が発表されますが、この5名のアーティストは全員からんでいます。プリンスのみ参加をキャンセルしアルバムに楽曲のみの提供になっていますが、他の4名はメインヴォーカルで参加しています。イントロのリッチーのVocalで曲がすごく落ち着く。ティナのVocalも存在感がある。Bridgeのシンディーもいい。プリンスが歌う予定だったパートをブルースが歌います。
 80'Sを聞いたことのない人、なじみのない人にもお勧めできる名盤5枚でした。


☆シンディーのヒット曲がExtendedで収録されてます。けっこう好きです。
ベスト・リミックス
クリエーター情報なし
エピックレコードジャパン


☆デラックスCD、「All Night Long」のExtendedや他にも貴重なデモバージョンも収録。
オール・ナイト・ロング+16〈デラックス・エディション〉
ライオネル・リッチー
ユニバーサル インターナショナル



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