
グラミー主要部門の一つ、最優秀楽曲賞はライターに授与される賞。いつもクインシーを引き合いに出してしまいますが、King Of Producerの彼の言葉は説得力があります。そのクインシーはアルバム製作をするにあたって何より大事なのは良い曲を見つける事だと述べています。
よい楽曲ありきと。そこからアレンジを加えていく。どういう楽器を使い、リズムを作り、音を重ねていくのがプロデューサーの腕のみせどころ。平凡な楽曲も、プロデューサーの手腕で素晴らしい仕上がりになる事もあるのかもしれませんが、すばらしい曲というのは、どんなアレンジをしようがその輝きは失わないように思います。
そういった観点で、楽曲からグラミー賞を私なりに見てみたいと思います。以前、この楽曲賞は、最優秀ソング、最優秀R&Bソング、最優秀カントリーソングの3部門だったと思うのですが、第34回の91年度グラミーから、最優秀ロックソング部門が創設されている感じです。最優秀ソングは、グラミー主要部門の一つですが、これはポップ部門を包括しているという事なのでしょうか。R&Bやカントリーはジャンルが限定されるという事でちょっと権威というか格が下がるのですかね。まーどちらにしろ、毎年、毎週のように多くの曲が生まれ発表されていく中で、グラミー賞においてノミネートされるという事はライターにとって最高の名誉でしょう。そしてそれは現実問題、仕事としての評価も上がり収入のUpにもつながるのでしょうから。まー稼ぐために曲を書くというより、降りてくるメロディー、湧き出るメロディーを表現するという感じではないかと思うのですが。
私も、曲を作れと言われれば適当な曲はピアノでコード伴奏で作れますが、メロディーの起伏もない、何ら心に響かないメロディーライン。音の組み合わせで、それこそ永遠に語り継がれるメロディーが出来たり、人の心に何かしらの影響を与える曲ができるのですから音の魅力というかパワーというものはすごいと思います。
日本の場合は、作詞大賞というのもあって、詩というものも重要視する。メロディーだけではなく詩というものも重要な要素だと感じます。欧米の場合も、やはりリリックも重要なんだと思いますが日本と同じ感覚なのでしょうか(その辺はよくわからない)。ヒップホップなんてリリックのメッセージ性が重要だと思いますが、日本のリスナーはサウンドのインパクトというかかっこよさが先行して、リリックまでダイレクトに理解して聞けてる奴なんてそういないと思うんですが。
洋楽を聞き始めた80年代、なんとなくの英語の聞き取りは出来ましたが、やはりメロディーライン重視で曲の好みが決まったようにも思います。
私は、R&B、ブラックミュージックが好きですが、日本的にはマニアックなジャンルなんでしょうね。ただこれらの楽曲を白人アーティストが歌ったらポップに聞こえる気もします。やはり黒人の独特のソウルさがR&B的にするのだと思います。やはりノミネートされた曲は魅力的です。
前置きが長くなりましたが、今回は、最優秀R&Bソングの紹介です。(次回、最優秀楽曲を)ノミネートの基準は、ビルボードチャートでのヒット曲重視ではなく、あくまでも曲の芸術性に重点を置かれています。ノミネートされた5曲は魅力的です。受賞は、プリンスですが、他の2曲もプリンスの影響下にあるように思います。対抗馬が、クインシーといったところでしょうか。84年は、パフォーマー、ミュージシャン、ライターとプリンスの才能が広く認知された年に思えます。
★ I Feel For You / Prince Perfomed By チャカ・カーン
受賞は、プリンスです。この年パープル現象で大注目のプリンスで、自身もレボリューションとともに最優秀ロック・グループと『パープル・レイン』が最優秀オリジナル・スコア・アルバムも受賞していますが、ライターとしてもこの曲で受賞です。
元は、プリンスの80年の2nd『Prince』(愛のペガサス)収録曲。このアルバムからは「I Wanna Be Your Lover」がR&Bで1位。POPでも11位というプリンスの初めてのヒット曲となります。まだ時代の先を行きまくるSOUNDではないですが、フィリーっぽい雰囲気とDiscoをミックスさせた心地いい曲。リズムアレンジがさすがプリンス。このアルバムからこの後2枚シングルカットされますが、「Fell For You」はカットされず。このアルバムは隠れた名曲が多く、後にいろいろカバーされてますが、「Feel For You」もプリンスの大ファンでもあるチャカがとりあげ、メガヒットとなります。R&Bで1位。Hot-100で3位。さらにすごいのが85年年間チャートで5位です。
プロデュースは、アリフ・マーディンで、斬新な1曲に仕上げています。今でこそラップと曲の融合は普通ですが、83年でこのスタイルをしているのは見事です。当時の最先端のテクノロジーを駆使してのエレクトリックSOUNDは、ちょっと古さを感じますが、80'Sの音です。そしてハーモニカがスティーヴィー・ワンダーという豪華さ。プリンスも自分のオリジナルが、こういう形でシングル化され、ここまでのヒットになりグラミーでも受賞するというのは想定外ではなかったのではないでしょうか。
チャカ自身もこの曲のパフォーマンスで最優秀R&B女性歌手を受賞。2年連続の受賞です。チャカのVocalはかっこよくて好き。受賞はできませんでしたが、最優秀アレンジメントでもノミネート。80'SのR&Bにおいても重要な曲だと思います。イントロからメリー・メルのSmoothなラッピンがインパクトを与えます。この曲で彼も一躍注目されますが、この後ドラックに溺れシーンから遠ざかります。しかし、89年のクインシーの『Back On The Block』で声をかけられ復活の機会を与えられます。
『I Feel For You』収録のもう一つの重要曲、デヴィッド・フォスターが手がけた「Through The Fire」は翌85年のグラミーにR&Bソングでノミネートされています。
☆ カリビアン・クイーン / キース・ダイアモンド、ビリー・オーシャン Performed by Billy Ocean
Hot-100で1位にも輝いた曲ですが、この曲のおもしろいエピソードは、元は「ヨーロピアン・クイーン」というタイトルでリリースされたそうなのですが、その時はまったくヒットせず。カリブ海のトリニダード出身のビリーにリンクさせ、「カリビアン・クイーン」として再リリースするとじわじわ上昇し、見事に1位に輝くのです。キャッチャーなメロディーとGroove、カリブというエキゾなイメージが見事にあたった感じ。
ライターは、ビリー自身とキース・ダイアモンド。キース・ダイアモンドは、もってるCDにもけっこうクレジットされてて有名な方だと思いますが良く知りません…ポップ、ロックとかなり幅広いWORK。ビリーも歌えるし、曲も書ける才人ですね。
楽曲賞は受賞できませんでしたが、スティヴィ―・ワンダーやジェームス・イングラムを抑えて最優秀男性R&B歌手を受賞。
ビリー・オーシャンも今回振り返ると、チャート実績もあなどれないというか、すごい。80年代が中心ですがhot100-1位が3曲、2位が2曲。R&Bでも4曲が1位。90年代に入ると勢いは衰えますが、R.kerryとも絡んでるんだな。
☆ Dancing In The Sheets / Bill Wolfer & Dean Pichford Perfomed by シャラマー
メガヒットのサントラ『フットルース』からのシャラマーによるヒットシングル。シャラマーは、80'Sブラックミュージックにおいて重要なユニットだと思います。メンバーチェンジを繰り返していますが、ジョディ―・ワトリーとハワード・ヒュウェットが共存した時が最高。Floorにピッタリのかっこいい曲が多い。
この曲のライターの2人はよく知りませんが、ビル・ウルファーを調べたら、なんとMJの「ビリージーン」にシンセ演奏とプログラミングで絡んでるではないですか。さらに82年の彼のソロ作『WOLF』ではMJが1曲バックボーカルで参加してるとありました(知らなかった)。曲は、プリンスの82年のヒット曲「1999」のシンセアレンジに似てる。「1999」からヒントを得ているのは間違いない。「1999」に影響受けたシンセアレンジけっこうありますよね。
☆ The Glamorous Life / シーラ・E Perfomed by シーラ・E
最優秀新人賞にもノミネートされたシーラ・エスコベードことシーラ・E。才能ある女性だと思います。だからあちこちで引っ張りだこ。プリンス経由でシーラの事を知ったので、ミネアポリス出身のプリンスファミリーかと思ったら全然ちがった。もともとはパーカッション・Playerとして、ジョージ・デュークやライオネル・リッチーのバンドメンバーとして活躍。しかし、プリンスと出会い、プリンスにもその才能を惚れこまれミネアポリスに引き込まれます。自身がボーカルをとるなんて想定外だったようですが、84年のデビューアルバムには、プリンスも大きく関わり、彼女自身のチャレンジも大成功となります。
SOUNDは、この頃のプリンスの音。ライターは、シーラ・E単独だけど、プリンスは関わってないのかな~。シーラ自身も、プレイヤーとしてに自分に価値を置いていたようで、ソングライティングは本格的にしていなくて、自信もなかったと述べています。
こないだあらためて見たプリンスの『サイン・オブ・タイムズ』のシーラのドラムは圧巻だった。
☆ Yah Mo Be There /ジェームス・イングラム、マイケル・マクドナルド、ロッド・テンパートン、クインシー・ジョーンズ Performed By J・イングラム&M・マクドナルド
マイケル・ジャクソンとクインシーの絆も深いけど、元々クインシーのお抱えシンガー的なジェームス・イングラム。このデビューアルバム『It's Your Night』の前に、基本歌えないクインシーに変わってクインシーの世界を歌うシンガーが、このJ・イングラムだったりパティ―・オースティンだったと思います。そのクインシーがマイケルの『スリラー』(82)前に手がけた力作『The DUDE』はグラミーでも5部門を受賞します。その中で、J・イングラムがフューチャーされた「One Hundred Ways」で最優秀R&B歌手を受賞。アルバムデビュー前にグラミー受賞歌手となってしまうのです。(81年度グラミーの新人賞にもノミネートされていますが、シーナ・イーストンが受賞)
そして『スリラー』の後に制作された『It's Your Night』からのこの曲がノミネートです。このアルバムと『スリラー』を比較するのは興味深い。ほとんど同じ時期に制作されたアルバムです。やはり『スリラー』の感触はこのアルバムにも感じます。ただ明らかにイングラムの方はR&B色が強い。でもさらに歴然としているのがやはりボーカルです。マイケル・ジャクソンが歌うとその曲はマイケル・ジャクソンに染められる。イングラムももちろん超うまい歌手ですが、マイケル・ジャクソンとは比較できない。マイケルの、リズム感のある、グルーブも感じるボーカル。そしてバラードでは美しく、ソウルさも感じるけど濃くはない。シャウトもかっこいい。すごいボーカリストです。
さて「Yah Mo Be There」に話はもどりますが、イングラムは、歌うだけでなく曲も書けます。マイケルに提供した「PYT」は彼とクインシーの共作。この曲は、この時代のブラック・コンテンポラリーの魅力が凝縮されているようにも思います。このシンセアレンジはさすがクインシーといった感じ。マイケル・マクドナルドとのボーカルも熱い。なんかタイプは似ててデュオっぽくないですが。この曲も楽曲賞は獲得できませんでしたが、最優秀R&Bデュオを受賞。(マイケル&ジャーメインの「Tell Me I'm Not Dremin」は受賞できず)
他に私の好みで、この5曲以外にノミネートしてほしかったのが、ROCKWELLの「Waching Me」(マイケルも参加)も魅力的な1曲だと思います。The JACKSONSの「Torture」やMJ作曲の「State Of Shock」、ポール・マッカトニーとの「Say Say Say」もまったくとりあげられていません。Jam&Lewisの初のR&B-No1ソング、シェリル・リンの「アンコール」もこの年ですが、この曲は正直なとこそこまでの曲でもないと思います。
以上R&B最優秀楽曲の紹介でした。
☆MJが1曲バックボーカルで参加しているらしい。
☆名盤です。『スリラー』並みにクインシーの凄さを感じる。
よい楽曲ありきと。そこからアレンジを加えていく。どういう楽器を使い、リズムを作り、音を重ねていくのがプロデューサーの腕のみせどころ。平凡な楽曲も、プロデューサーの手腕で素晴らしい仕上がりになる事もあるのかもしれませんが、すばらしい曲というのは、どんなアレンジをしようがその輝きは失わないように思います。
そういった観点で、楽曲からグラミー賞を私なりに見てみたいと思います。以前、この楽曲賞は、最優秀ソング、最優秀R&Bソング、最優秀カントリーソングの3部門だったと思うのですが、第34回の91年度グラミーから、最優秀ロックソング部門が創設されている感じです。最優秀ソングは、グラミー主要部門の一つですが、これはポップ部門を包括しているという事なのでしょうか。R&Bやカントリーはジャンルが限定されるという事でちょっと権威というか格が下がるのですかね。まーどちらにしろ、毎年、毎週のように多くの曲が生まれ発表されていく中で、グラミー賞においてノミネートされるという事はライターにとって最高の名誉でしょう。そしてそれは現実問題、仕事としての評価も上がり収入のUpにもつながるのでしょうから。まー稼ぐために曲を書くというより、降りてくるメロディー、湧き出るメロディーを表現するという感じではないかと思うのですが。
私も、曲を作れと言われれば適当な曲はピアノでコード伴奏で作れますが、メロディーの起伏もない、何ら心に響かないメロディーライン。音の組み合わせで、それこそ永遠に語り継がれるメロディーが出来たり、人の心に何かしらの影響を与える曲ができるのですから音の魅力というかパワーというものはすごいと思います。
日本の場合は、作詞大賞というのもあって、詩というものも重要視する。メロディーだけではなく詩というものも重要な要素だと感じます。欧米の場合も、やはりリリックも重要なんだと思いますが日本と同じ感覚なのでしょうか(その辺はよくわからない)。ヒップホップなんてリリックのメッセージ性が重要だと思いますが、日本のリスナーはサウンドのインパクトというかかっこよさが先行して、リリックまでダイレクトに理解して聞けてる奴なんてそういないと思うんですが。
洋楽を聞き始めた80年代、なんとなくの英語の聞き取りは出来ましたが、やはりメロディーライン重視で曲の好みが決まったようにも思います。
私は、R&B、ブラックミュージックが好きですが、日本的にはマニアックなジャンルなんでしょうね。ただこれらの楽曲を白人アーティストが歌ったらポップに聞こえる気もします。やはり黒人の独特のソウルさがR&B的にするのだと思います。やはりノミネートされた曲は魅力的です。
前置きが長くなりましたが、今回は、最優秀R&Bソングの紹介です。(次回、最優秀楽曲を)ノミネートの基準は、ビルボードチャートでのヒット曲重視ではなく、あくまでも曲の芸術性に重点を置かれています。ノミネートされた5曲は魅力的です。受賞は、プリンスですが、他の2曲もプリンスの影響下にあるように思います。対抗馬が、クインシーといったところでしょうか。84年は、パフォーマー、ミュージシャン、ライターとプリンスの才能が広く認知された年に思えます。
★ I Feel For You / Prince Perfomed By チャカ・カーン
![]() | フィール・フォー・ユー |
クリエーター情報なし | |
Warner Music Japan =music= |
受賞は、プリンスです。この年パープル現象で大注目のプリンスで、自身もレボリューションとともに最優秀ロック・グループと『パープル・レイン』が最優秀オリジナル・スコア・アルバムも受賞していますが、ライターとしてもこの曲で受賞です。
元は、プリンスの80年の2nd『Prince』(愛のペガサス)収録曲。このアルバムからは「I Wanna Be Your Lover」がR&Bで1位。POPでも11位というプリンスの初めてのヒット曲となります。まだ時代の先を行きまくるSOUNDではないですが、フィリーっぽい雰囲気とDiscoをミックスさせた心地いい曲。リズムアレンジがさすがプリンス。このアルバムからこの後2枚シングルカットされますが、「Fell For You」はカットされず。このアルバムは隠れた名曲が多く、後にいろいろカバーされてますが、「Feel For You」もプリンスの大ファンでもあるチャカがとりあげ、メガヒットとなります。R&Bで1位。Hot-100で3位。さらにすごいのが85年年間チャートで5位です。
プロデュースは、アリフ・マーディンで、斬新な1曲に仕上げています。今でこそラップと曲の融合は普通ですが、83年でこのスタイルをしているのは見事です。当時の最先端のテクノロジーを駆使してのエレクトリックSOUNDは、ちょっと古さを感じますが、80'Sの音です。そしてハーモニカがスティーヴィー・ワンダーという豪華さ。プリンスも自分のオリジナルが、こういう形でシングル化され、ここまでのヒットになりグラミーでも受賞するというのは想定外ではなかったのではないでしょうか。
チャカ自身もこの曲のパフォーマンスで最優秀R&B女性歌手を受賞。2年連続の受賞です。チャカのVocalはかっこよくて好き。受賞はできませんでしたが、最優秀アレンジメントでもノミネート。80'SのR&Bにおいても重要な曲だと思います。イントロからメリー・メルのSmoothなラッピンがインパクトを与えます。この曲で彼も一躍注目されますが、この後ドラックに溺れシーンから遠ざかります。しかし、89年のクインシーの『Back On The Block』で声をかけられ復活の機会を与えられます。
『I Feel For You』収録のもう一つの重要曲、デヴィッド・フォスターが手がけた「Through The Fire」は翌85年のグラミーにR&Bソングでノミネートされています。
☆ カリビアン・クイーン / キース・ダイアモンド、ビリー・オーシャン Performed by Billy Ocean
![]() | Billy Ocean - Greatest Hits |
クリエーター情報なし | |
Jive |
Hot-100で1位にも輝いた曲ですが、この曲のおもしろいエピソードは、元は「ヨーロピアン・クイーン」というタイトルでリリースされたそうなのですが、その時はまったくヒットせず。カリブ海のトリニダード出身のビリーにリンクさせ、「カリビアン・クイーン」として再リリースするとじわじわ上昇し、見事に1位に輝くのです。キャッチャーなメロディーとGroove、カリブというエキゾなイメージが見事にあたった感じ。
ライターは、ビリー自身とキース・ダイアモンド。キース・ダイアモンドは、もってるCDにもけっこうクレジットされてて有名な方だと思いますが良く知りません…ポップ、ロックとかなり幅広いWORK。ビリーも歌えるし、曲も書ける才人ですね。
楽曲賞は受賞できませんでしたが、スティヴィ―・ワンダーやジェームス・イングラムを抑えて最優秀男性R&B歌手を受賞。
ビリー・オーシャンも今回振り返ると、チャート実績もあなどれないというか、すごい。80年代が中心ですがhot100-1位が3曲、2位が2曲。R&Bでも4曲が1位。90年代に入ると勢いは衰えますが、R.kerryとも絡んでるんだな。
☆ Dancing In The Sheets / Bill Wolfer & Dean Pichford Perfomed by シャラマー
![]() | 12 Inch Collection |
クリエーター情報なし | |
Unidisc Records |
メガヒットのサントラ『フットルース』からのシャラマーによるヒットシングル。シャラマーは、80'Sブラックミュージックにおいて重要なユニットだと思います。メンバーチェンジを繰り返していますが、ジョディ―・ワトリーとハワード・ヒュウェットが共存した時が最高。Floorにピッタリのかっこいい曲が多い。
この曲のライターの2人はよく知りませんが、ビル・ウルファーを調べたら、なんとMJの「ビリージーン」にシンセ演奏とプログラミングで絡んでるではないですか。さらに82年の彼のソロ作『WOLF』ではMJが1曲バックボーカルで参加してるとありました(知らなかった)。曲は、プリンスの82年のヒット曲「1999」のシンセアレンジに似てる。「1999」からヒントを得ているのは間違いない。「1999」に影響受けたシンセアレンジけっこうありますよね。
☆ The Glamorous Life / シーラ・E Perfomed by シーラ・E
![]() | グラマラス・ライフ |
クリエーター情報なし | |
ダブリューイーエー・ジャパン |
最優秀新人賞にもノミネートされたシーラ・エスコベードことシーラ・E。才能ある女性だと思います。だからあちこちで引っ張りだこ。プリンス経由でシーラの事を知ったので、ミネアポリス出身のプリンスファミリーかと思ったら全然ちがった。もともとはパーカッション・Playerとして、ジョージ・デュークやライオネル・リッチーのバンドメンバーとして活躍。しかし、プリンスと出会い、プリンスにもその才能を惚れこまれミネアポリスに引き込まれます。自身がボーカルをとるなんて想定外だったようですが、84年のデビューアルバムには、プリンスも大きく関わり、彼女自身のチャレンジも大成功となります。
SOUNDは、この頃のプリンスの音。ライターは、シーラ・E単独だけど、プリンスは関わってないのかな~。シーラ自身も、プレイヤーとしてに自分に価値を置いていたようで、ソングライティングは本格的にしていなくて、自信もなかったと述べています。
こないだあらためて見たプリンスの『サイン・オブ・タイムズ』のシーラのドラムは圧巻だった。
☆ Yah Mo Be There /ジェームス・イングラム、マイケル・マクドナルド、ロッド・テンパートン、クインシー・ジョーンズ Performed By J・イングラム&M・マクドナルド
![]() | It's Your Night |
クリエーター情報なし | |
Warner Bros / Wea |
マイケル・ジャクソンとクインシーの絆も深いけど、元々クインシーのお抱えシンガー的なジェームス・イングラム。このデビューアルバム『It's Your Night』の前に、基本歌えないクインシーに変わってクインシーの世界を歌うシンガーが、このJ・イングラムだったりパティ―・オースティンだったと思います。そのクインシーがマイケルの『スリラー』(82)前に手がけた力作『The DUDE』はグラミーでも5部門を受賞します。その中で、J・イングラムがフューチャーされた「One Hundred Ways」で最優秀R&B歌手を受賞。アルバムデビュー前にグラミー受賞歌手となってしまうのです。(81年度グラミーの新人賞にもノミネートされていますが、シーナ・イーストンが受賞)
そして『スリラー』の後に制作された『It's Your Night』からのこの曲がノミネートです。このアルバムと『スリラー』を比較するのは興味深い。ほとんど同じ時期に制作されたアルバムです。やはり『スリラー』の感触はこのアルバムにも感じます。ただ明らかにイングラムの方はR&B色が強い。でもさらに歴然としているのがやはりボーカルです。マイケル・ジャクソンが歌うとその曲はマイケル・ジャクソンに染められる。イングラムももちろん超うまい歌手ですが、マイケル・ジャクソンとは比較できない。マイケルの、リズム感のある、グルーブも感じるボーカル。そしてバラードでは美しく、ソウルさも感じるけど濃くはない。シャウトもかっこいい。すごいボーカリストです。
さて「Yah Mo Be There」に話はもどりますが、イングラムは、歌うだけでなく曲も書けます。マイケルに提供した「PYT」は彼とクインシーの共作。この曲は、この時代のブラック・コンテンポラリーの魅力が凝縮されているようにも思います。このシンセアレンジはさすがクインシーといった感じ。マイケル・マクドナルドとのボーカルも熱い。なんかタイプは似ててデュオっぽくないですが。この曲も楽曲賞は獲得できませんでしたが、最優秀R&Bデュオを受賞。(マイケル&ジャーメインの「Tell Me I'm Not Dremin」は受賞できず)
他に私の好みで、この5曲以外にノミネートしてほしかったのが、ROCKWELLの「Waching Me」(マイケルも参加)も魅力的な1曲だと思います。The JACKSONSの「Torture」やMJ作曲の「State Of Shock」、ポール・マッカトニーとの「Say Say Say」もまったくとりあげられていません。Jam&Lewisの初のR&B-No1ソング、シェリル・リンの「アンコール」もこの年ですが、この曲は正直なとこそこまでの曲でもないと思います。
以上R&B最優秀楽曲の紹介でした。
☆MJが1曲バックボーカルで参加しているらしい。
![]() | Wolf |
クリエーター情報なし | |
UNIDISC |
☆名盤です。『スリラー』並みにクインシーの凄さを感じる。
![]() | 愛のコリーダ |
クインシー・ジョーンズ | |
ユニバーサル ミュージック クラシック |