残照日記

晩節を孤芳に生きる。

発想転換

2010-11-17 09:01:58 | 日記
<「強国論」> D・S・ランデス
 大雑把にいえば、世界の国々は三つに分けることができる。
  1.体重を増やさないことに多額の金を費やす国。
  2.生きるために食べる国。
  3.次の食事がどこで手に入るかさえも分からない国。

<成功と幸福とを、不成功と不幸とを同一視するようになって以来、人間は真の幸福が何であるかを理解し得なくなった。>(三木清「人生論ノート」)

∇<大学生の就職内定率 過去最低>──厚生労働省と文部科学省の調査によれば、来春卒業する予定の大学生の就職内定率は、10月の時点で57.6%と、就職氷河期といわれた平成15年の60.2%より更に低く、高校生の就職内定率も9月末時点で40.6%と、依然と厳しい状況が続いているという。「履歴書を40~50通出して、まだ面接すらできません」と、TVインタビューに答える学生たちを見ていると、暗澹たる気持ちになる。一方で、幾つも内定を貰って、学生生活最後の冬期休暇を満喫しようと計画している“優勝者”もいるだろうに。

∇C・ダーウインが提唱した「自然淘汰説」は、H・スペンサーによって「適者生存」という概念に昇華した。そしてこの進化論的思考は市場原理にまで敷衍され、「優勝劣敗」は当然の理とされた。世界的に経済至上主義社会化した現代に於いて甚だしい。資本主義の保護的側面である「弱者救済」「人間の安全保障」(A・センの思想)が、優勝劣敗の強力なアンチテーゼ政策として呱呱の声をあげる風土を醸成したいものだ。そのためには、政策は「独り占め→ワークシェアリング」へであり、個人的には「弱者→棲み分け」への発想転換が必要ではないか。