残照日記

晩節を孤芳に生きる。

女子バレー

2010-11-16 10:20:02 | 日記
▼<人ひとたびしてこれを能くすれば、己はこれを百たびす。人十たびしてこれを能くすれば、己はこれを千たびす。果たしてこの道を能くすれば、愚なりと雖も必ず明らかに、柔なりと雖も必ず強からん>(「中庸」)──或る能力に、特に優れていなくとも、又、当初は柔弱であったとしても、他人が一度やることを自分は百回やる、他人が十回することを自分は千回やるという具合に、他人の百倍努力すれば、きっと賢くなり、強者になることができるものだ。

∇<世界バレー日本32年ぶりメダル!> ── バレーボール世界選手権女子大会の決勝ラウンドをTVで見た。日本は世界ランク5位。準決勝は世界ランク1位のブラジルと、3位決定戦は世界ランク2位の米国とだった。素晴らしい激闘で、久し振りにテレビにかじりついて見た。面白かった。感動した。そう感じたのは老生だけではあるまい。準決勝戦の視聴率約22%、3位決定戦の最高視聴率が約36%、平均20%だったというのだから。共にフルセットまでもつれこんだ文字通りの“死闘”だった。作戦タイムの際に流れるコマーシャルの合間にトイレに立ち、あとは手に汗を握り、固唾を呑んで見守ったものだ。

∇平均身長が日本の177センチに対し、ブラジル、米国共に平均約10センチも背の高い選手たちとの闘い。竹下、佐野、中道、井野らは彼女たちに比べたらまるで中学生に見えた。それが的確なサーヴで敵陣を襲い、自コート内では拾いまくる。竹下がトスを挙げる。ベテランの域に入った木村や、今年初めて全日本に選ばれた若い江畑と迫田らが、左右から、バックセンターからアタックする。井上、荒木がブロックする。──兎に角しぶとく食らいつく選手たちの凄さ。その活力は、千鍛万練の日常努力から生れた。彼らの目指す目標はもっと高い。成功の秘は、決して派手な試みにあるのではなく、“積小致大”(小を積んで大を致す)に徹することだろう。

▼<子の曰わく、譬(たと)えば山を為(つく)るが如し。未だ一簣(き)を成さざるも、止(や)むは吾が止むなり。譬えば地を平らかにするが如し。一簣を覆(くつがえ)すと雖も、進むは吾が往くなり>(「論語」子罕第九)──孔子がいうには、「物事を為すか為さぬかは、例えば山を作るようなものだ。もう一もっこ頑張って積めば山はできる。又、地を平にするのも同じことだ。要するにやりとげようと努力して進むか、諦めて止めるのか、自分次第だ、と。