残照日記

晩節を孤芳に生きる。

死生観

2010-11-05 10:38:22 | 日記


∇昨日の朝日新聞朝刊に、朝日が実施した「死生観」に関する全国世論調査が載っていた。有効回答数は2322人(77%)。上図は新聞記事から、下図は老生が図示。先ず、「死に備えて、準備しておきたいのは…」の1位(61%)である「身の回り品の整理・処分」は、遺品処理する側が真っ先に出会う苦闘事項だ。故人の何がどこにあり、何を残し、何を捨てるべきか。できるだけ早い時期から取り掛かるべし。2位・3位が「延命治療・臓器提供等の意思表示」。加えて、末期癌等の告知はどうするか。「知らせて欲しい」が自分の場合78%、家族に対しては37%と躊躇があった。孰れにせよ、これも普段の会話の話題として「死に備える」準備事項であろう。

∇意外だったのが「遺言状の作成」(19%)、「死を知らせたい人のリスト作り」(12%)である。3ヶ月前に家内を亡くしたばかりの老生の経験からいえば、実はこれこそが筆頭格に相当する準備事項だと考える。遺言状は所謂“遺産相続”は勿論のこと、上記に述べた諸々のことを自分の意思表示として遺すものである。殊に家系が複雑だったり、子供がいない場合は絶対不可欠事項である。又、急に何かあった場合や葬儀の際に知らせるべき縁戚・友人・知己等の重要連絡先は、本人しか分らぬ場合が多い。簡単なコメント付きのリストを普段から作成しておくべし。

∇葬式やお墓に関して──日本消費者協会の07年度調査によれば葬儀費用の全国平均は約230万円だったそうだ。それに応えて、「こんなにかけたくない」が圧倒的(85%)で、通夜・葬儀などを簡素化する方向が鮮明に表れていた。例えば、「身内や親類だけの参列でよい」が74%、「葬儀をしなくてもよい」が36%もあった。墓地に埋葬せず、山や海に散骨するのを「自然葬」というが、約4割の人が関心を持っていた。実際の希望としては墓地が7割だった。etc etc 死は間違いなく誰にもやってくる。“死生観”を若いうちから練っておくがよい。最後に、がん等重い病気の治療過程で、「苦しい思いをするくらいなら、病気と闘うのはやめたい」とする人が53%、いや「闘いたい」が35%強だった。老生の場合、「苦しまずに逝かせてやって下さい」が、医師や神に必死に願い・祈り続けたことであった。是か非か……