ばん馬のいる風景-BANEI Photo Gallery -

ばん馬や馬文化のコラムと少し写真。

ばん馬の牧場見学について

2015-10-07 00:37:52 | ばんえい資料
最近、ばん馬(元競走馬)の牧場見学について聞かれることが増えてきました。
私なりの見学方法や考えについてまとめておきたいと思います。
繁殖シーズンが終わったころまでにまとめなければと思ったのですが、もう冬になってしまう(汗) すいません……

私はもともと、サラブレッドの牧場に行くのが好きでした。
私がサラブレッドの牧場に行き始めたころは、馬にいたずらをしたり、人の家である牧場に失礼な態度をとったりと、マナーが問題視されはじめたころでした。
今では「競走馬のふるさと案内所」というのが各地にあり、引退した好きな馬に会いたい時は、連絡先やマナーについて教えてくれます。

ばん馬には案内所はありません。サラブレッドも以前は、今のばん馬と同じような状況だったように思います。
ばん馬の案内所ができることのないよう(←言い方は悪いですが)、個人個人でマナーを考え、守って、お互いいい信頼関係を持ちながら馬に会いに行ける環境になればいいな、と思います。

こちらは私なりの考え方です。こうじゃなくてはいけないということではなく、このような気持ちが大事ではないか、という意見です。
また、牧場見学を推奨しているわけではありません。
馬と人との関係が良くなるように、と思ってこちらで紹介します。

元競走馬ではないばん馬に会いたいのであれば、
ばんえい十勝のふれあい動物園や、アースドリームノーザンホースパーク、大沼流山牧場の「Paard Musee(パド・ミュゼ)」へ(^O^)

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馬や牧場のマナーや接し方は、サラブレッドとほぼ同じところがあるので、ふるさと案内所のページをご確認ください。
「牧場見学の9箇条」
http://uma-furusato.com/guide/rule
「牧場見学にあたって」
http://uma-furusato.com/guide/info

「見学マナーQ&A」もいくつか重なるところがあるかなぁ
http://uma-furusato.com/guide/qa


牧場は人の家、または会社です。
特に、ばん馬がいる牧場は、酪農や農業の兼業がほとんどです。牛や豚などの畜産の場合、病気のウイルスが入らないよう各牧場が防疫対策を行っていますので、靴底の消毒をするなど、意識するようにしてください。(入り口に水の入った四角い箱があればそれが消毒液なので、靴底をひたします)
みんな人がいいので、どうぞどうぞーとか言いますが、あとでお互い嫌な気持ちになるのも避けたいですよね。
1日で繁殖牧場を渡り歩くことはできるだけ避け、牧場に行く前は、新しい服で訪れることを心がけています。


9箇条で特に
・牧場についたら指示に従ってください。
・危険ですから馬にさわらないでください。←(私らが、マナーを考えて触らないでいると、怖がってるかと思って「おとなしいよ」とか言ってくるのですが(^_^;) そのとき初めてなでたり遊んであげるのがいいのかなぁと)
・厩舎や放牧地は無断立ち入り禁止です。←(人の庭や作業場に勝手に入るようなものです)
・大きな音や声を出さないでください。
・カメラのフラッシュはご遠慮ください。
・牧場内は禁煙です。←(牧場のおやじ、そこでタバコ吸ってたりするんだけどね! でも藁が多いので、慣れない?とほんと危険です)
・食べ物は絶対与えないでください。←(ニンジンを持って行くと、そこで「馬にあげていいよ」とか言ってくれます。でもたまにお腹壊してたりするので、その時は「カレーにでも入れてください」と人間にあげてます笑 「人参代」にするか、人に持ってく方が無難と私は考えています)


牧場の横から見るのも可能なことありますが、見えないところにいるのがほとんどだし、馬見ている人がいると牧場の方もいろんな意味で気になるかなぁと。(悪い意味だけではなく。お話したいと思っているっぽいです)
私が会ってきた方の印象では、ファンだというとうれしい人がほとんどのように思います。
できればきちんと連絡して、馬に会いたい、と話すのが筋を通すということでもいいのかと。後ろめたさもないですし。

(追記)
最近聞くのが、牧場への遅刻です。「待ってたのになかなか来なくて」と。
北海道広いです。なめんな北海道。車でどれくらいかかるか、牧場の方や地元の人に聞いてみましょう。しかも地元民スピード出しますから、それにプラスしてください。車でしか行けないところにある牧場も多いです。バス停(しかも1日数本)からタクシー(むしろハイヤー)で1万とかざらです。
というか前日飲みすぎて来なかったという話も聞きましたが論外です。人として。
そのようなことが続いてファンの受け入れをしぶりはじめている方もいますので、今後のファンの方のためにも節度を持って行動していきたいです。


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で、行き先ですが、移動が多く、ちょっとのタイミングで肉馬になってしまうのが、ばん馬の現実です。
ばんえい競馬の馬を好きになってしまったら、そのような流れの中でばん馬がいて、ばんえい競馬があることに、正面から向き合わなくてはいけないと考えています。いろいろ考えはあると思いますが、このような時、外部者はできる限り、迷惑をかけないことが一番大切だと思います。
(特に今は馬の値段が高いため、親しい人も知らないところで肉になっててびっくりすることがあります)
となると行かないことが一番ってなっちゃうので悩ましいところなんですが。私も頻繁には行かないようにしています。こんな風にいろいろ考えると、基本小心なので、行きたくても躊躇してしまう……。
でも亡くなった話を聞くと、1回だけでも会っておけばよかったかな、と思ったりするんです。その後悔をしてほしくないのが、ここに書いている理由の一つでもあります。

(追記)
ばん馬は亡くなった後、それを公にすることが少ないです。サラブレッドも昔はそうでした。隠しているのでなく、「もう死んでしまった馬のことは語らない」という伝統のようなものだと思います。
全国にファンがいるのだから知ってほしい、と多くの牧場の方が思ってくれればいいのですが(ニシキダイジンのように)、まだそのような考えは先のことのように思います。私も馬の死はどう伝えていいのかわからず悩んでいます……

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繋養されている場所は、ばん馬関係に知り合いがいるのなら聞くのが一番ですが、おおよその目安として、私が普段やっている探し方(人に聞く以外)を以下に紹介します。
今のところ、ファンが殺到して仕事にならないってほどファンの数は多くないと考え……
結局は人対人。牧場の方との信頼関係になっていくと思います。


種馬は日本馬事協会の種雄馬名簿でおおよそどこにいるかわかります。
https://www.bajikyo.or.jp/book_02.html
十勝、釧路、根室の各農協連合会などで出している「種雄馬名簿」にはもうちょっと詳しく連絡先が出ています(1回目の能検で売ってます)
基本的にばん馬は種馬が牝馬のもとに出かけていくので、春はいない場合も多いです。というか春は種付けで野生に戻ってちょっと怖くなっていたりするので、種付けのないのんびりとした時期がどちらにしろいいかなぁと。牧場の方も忙しいし。夏~秋は、日曜のばん馬大会に出てる馬もたまにいます(笑)

牝馬は生まれたところとも限らないので、子どもがどこで産まれたかを確認するしかないかなぁ…。
地全協のほか、家畜改良データバンクとかで
http://www2.keiba.go.jp/KeibaWeb/DataRoom/DataRoomTop
http://www.rg.liaj.jp/bj/index.do
最近は種付けの時期だけ、種馬の牧場に嫁入りする馬も増えてるように思います。

私もサダエリコに会いたくて、引退後、どこにいるか何人かに聞いたのですが、そのつど場所が変わるので「俺らもわかんねーんだわ」という状況(意地悪じゃなくて、ほんとにわからなかったっぽいんです)。ウンカイの牧場に行った時に偶然会えたのが最後でした。



以前はばんえい十勝に問い合わせもあったようですが、全てを把握しているというわけではないかな?と思います。馬主さんなどに「今どこにいる」と聞きまくる状態かなぁと。
基本的には農家さんなので、おおよその場所さえわかれば、その地域の農協に聞いてみる方法もあるのかな、と。
昔のサラブレッドの見学も、農協に電話していた人が多かったように思います。

ある程度活躍した馬であれば、私でもお答えできることがあるかもしれないので、メールなどでお問い合わせください。できるかぎり探してみます。

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