'06/12/30の朝刊記事から
シリア イラク避難民 増加の一途
流入毎日千人 物価高騰、生活を圧迫
【ダマスカス29日時事】
イラクでの宗派間抗争の激化による極度の治安悪化を受け、周辺アラブ諸国などへ脱出するイラク人が増加の一途をたどっている。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の推計では、これまでに国外に脱出したイラク人は180万人に達する。
約2900万人のイラクの人口から見て、異常な国民流出だ。
その中でも最も多数のイラク人避難民を抱えるシリアでは、物価上昇などでシリア人の生活にも悪影響を及ぼすほどになっている。
入国管理当局者によれば、現在シリアに滞在しているイラク人は約100万人の上り、さらに毎日千人が流入し続けている。
シリアに特に避難民が多いのは、地理的に近いことに加え、同国がアラブ国民にはビザなしで入国を認めており、滞在しやすいのが理由。
逃れてきたイラク人は主として比較的裕福な中産階級出身者で、貯蓄を取り崩して生活している人も多い。
バグダッドで酒店を経営していたキリスト教徒シモンさん(42)は半年前、イスラム過激派から「閉店しなければ殺す」と脅され、シリアに脱出。
現在はダマスカスでレストランを経営している。