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’08/03/27の朝刊記事から
潜水艦報道 空自一佐を書類送検
記者に秘密漏洩容疑
2005年5月に起きた中国潜水艦の事故をめぐり、読売新聞記者に防衛秘密を漏洩したとして、自衛隊の警務隊は26日までに、防衛省(当時は防衛庁)情報本部電波課長だった1等空佐(50)=同本部総務部付=を自衛隊法違反(防衛秘密漏洩)容疑で東京地検に書類送検した。
防衛秘密漏洩罪は、同法の守秘義務違反罪より刑は重く、記者に防衛秘密を漏らした容疑で自衛官が書類送検されるのは初めて。
取材源の摘発で、自衛隊をめぐる「知る権利」や「報道の自由」への影響が懸念される。
警務隊は記者について、「正当な取材活動を逸脱した違法行為は確認できない」と判断したもようで、送検を見送った。
ただ、聴取も行っていないとみられ、片方の当事者を捜査せず一佐を立件したことは漏洩防止を図るため捜査権を乱用したとの批判を招きそうだ。
調べによると、一佐は知人を通じて読売新聞政治部記者と知り合い、防衛秘密を漏洩した疑い。
一佐は事実関係を大筋認めているという。
漏洩内容が掲載されたのは、中国海軍潜水艦が南シナ海を航行中に事故を起こしたと報じた05年5月31日の読売新聞朝刊の記事。
潜水艦が中国海軍所属の「明」級ディーゼル式攻撃型潜水艦で、300番台の艦番号がつけられていることを日米両国の防衛筋が確認したと記されている。