‘08/05/21の朝刊記事から
ロシア大統領就任2週間
汚職対策に独自色
【モスクワ20日加藤雅毅】ロシアのメドベージェフ大統領は21日で就任から2週間。
プーチン首相に組閣の主導権を握られたものの、その後、自らをトップに汚職対策会議を新設、独自色を発揮し始めた。
近い関係の経済人をブレーンに登用し、政策立案に影響力を行使する構想も浮上している。
「昨年は1万500件以上の汚職容疑捜査が行われたが、氷山の一角にすぎない。構造的な改革が必要だ」。
メドベージェフ大統領は19日、関係閣僚らで構成する汚職対策会議を設置し、蔓延する汚職一掃を目指して陣頭指揮を執る考えを表明した。
まず、公務員の資産状況について監視を強化する方針。
また、ナルイシキン大統領府長官に1ヶ月以内に総合的な対策を取りまとめるよう指示した。
汚職対策は大統領の主要公約の一つで、その成否は支持率に直結する。
20日のロシアの経済紙は「地方も含め汚職摘発でポストを空け、大統領の意向に沿う人事を行って影響力強化を図る狙いもある」と報じた。
また、経済財政運営では、著名な経済人や経済学者が3月中旬に設立した民間のシンクタンク「現代発展研究所」を、大統領の知恵袋として活用する構想もある。
人選にはメドベージェフ大統領もかかわった。
日本の「経済財政諮問会議」のように、自らの意向を反映した基本方針を提言させ、政権運営の主導権を確保したい考えだ。
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