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080405 天皇陛下の写真、資料 焼却せよ

2013-10-16 20:54:22 | 歴史
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’08/04/05の朝刊記事から

天皇陛下の写真、資料 焼却せよ
敗戦時 海軍が命令 英に暗号解読文書
「戦犯」回避も目的か


1945年に日本が敗戦受け入れを決定した後、旧海軍が天皇の「御真影(写真)」などを含む重要文書類の焼却を命じた通達内容が4日までに、連合国側が当時、日本の暗号を解読して作成された英公文書で判明した。
戦犯訴追に言及したポツダム宣言を念頭に、昭和天皇の責任回避を敗戦決定直後から意識していた可能船をうかがわせる希少な史料という。(ロンドン共同)

関東学院大の林博史教授(現代史)が英国立公文書館で見つけた。

研究者によると、当時の日本軍が出した分書類の焼却命令は現在、旧陸軍関係の原文が防衛省防衛研究所にわずかに残っているほか、米国立公文書館で旧陸軍による命令の要約史料として若干見つかっている。
旧海軍関係の個別命令が原文に近い形でまとまって確認されたのは、今回が初めてとみられる。

発見されたのは、45年8月16日から22日までの間に、東南アジアや中国などで連合国側に傍受された通達で、計35の関連文書のうち天皇関係は4文書。

同17日の第23特別根拠地隊司令官名の命令は「すべての兵器などから(菊花)紋章を外せ」と指示。
第10方面艦隊司令長官は翌18日に御真影、紋章などを神聖なものとして「最大限の敬意を払い、箱に安置」するよう指示し、敵に渡る恐れがある場合は処分を命じた。
21日にはスラバヤの第21通信隊から「御真影は敵の手に渡らないように扱うべし。必要ならばその場で厳粛に火にささげ、海相に報告せよ」と具体的な命令が出ていた。

ほかの焼却命令は、暗号帳や軍艦に関する文書、個人の日記などを細かく指定し、今後の「外交関係に不利となる恐れ」のある文書はすべて焼却するよう繰り返し指示。
通達自体の焼却を命じたものもあった。

重要文書類の焼却は、45年8月の閣議決定などを受け、連合国軍進駐までの約2週間に、政府や旧軍が組織的に実施。
研究者らは、焼却は戦犯訴追回避が目的で,御真影などの焼却も、天皇と軍の密接な関係を可能な限り隠し、天皇の責任が追及されるのを避けようとした可能性もあると指摘している。

元の資料なく貴重
一橋大大学院の吉田裕教授(近現代史)の話

今回の英公文書から、旧海軍が1945年8月の段階で、天皇の戦争責任の訴追回避をかなり意識していたのは確かだと思う。
焼却命令で、天皇の御真影や紋章などに言及した日本語の原史料は残っておらず、重要な発見だ。


英公文書の要旨
▽ 1945年8月16日、第17警備隊より
  1、ポツダム会談の××(判読不明)、帝国は以下の手順で機密文書を処分することになった。
  1、現在使用中の暗号帳、機密文書を除き、すべてを完全に焼却せよ。作戦終了後、残りも完全に焼却せよ。命令了解後、この通達も焼却せよ。
▽ 同、大本営海軍軍令部第三部長より(海軍の)学校長あて
  1、捕虜や尋問に関する全文書は、敵に口実を与えないように、この通達とともにただちに確実に処分せよ。
▽ 同17日、海軍より第9特別根拠地隊あて
  1、軍艦旗、機密に関する本、資料、帳面、日記といった作戦の目的を敵に知らせる恐れがあるものはすべて即刻焼却せよ。この電文を内容理解後すぐに焼却せよ。
▽ 同、第23特別根拠地隊司令官より同隊分遣隊などあて
  1、すべての兵器などから(菊花)紋章を外せ。
▽ 同18日、クパン分遣隊第6警備隊より
  1、わが国の外交関係に悪影響を与える恐れのあるすべての暗号通信文や文書を焼却し、その旨を報告せよ。
▽ 同、第10方面艦隊司令長官より同艦隊などあて
  1、天皇陛下の御真影、勅命、紋章などは最大限の敬意を払い、箱の中に安置せよ。敵に渡る恐れがある場合は処分せよ。
▽ 同21日、スラバヤの第21通信隊より第6警備隊などあて
  1、天皇の御真影と××(判読不能)は敵の手に渡らないように扱うべし。必要ならば、その場で厳粛に火にささげ、海相に電報で報告せよ。



ポツダム宣言
米、英、中国(当時の中華民国)が1945年7月、戦争終結の諸条件を示し、無条件降伏を呼び掛けた宣言。8月にソ連も参加。日本の軍国主義者の除去や軍事占領、主権制限、戦争犯罪人の処罰などを明記し、全13条からなる。

天皇の御真影
大日本帝国憲法で天皇は、「神聖不可侵」とされ、写真は「御真影」「御写真」と呼ばれた。当時の宮内省から各学校などにも交付され、丁重に取り扱うことが求められ、直視を禁じられることもあった。

   


ーーーーーーーー
退却する時あるいは占領された時に、残された国旗や天皇陛下の写真やその象徴である紋章が敵兵によって汚され毀損廃棄されることを想像すれば、どう対処すれば良いと考えるのか。
第一に天皇の戦争責任回避を思い立つのか。

「恐れ」 新聞表記のまま 正しくは「虞」




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