’08/05/25の朝刊記事から
青森・六ヶ所村 核燃施設下 活断層か
研究者指摘 最大100キロ、M8地震も
試運転中の使用済み核燃料再処理工場がある青森県六ヶ所村の核燃料サイクル施設の直下に、これまで未発見だった長さ15キロ以上の活断層がある可能性が高いとの研究を、渡辺満久東洋大教授(地形学)らが24日までにまとめた。
沿岸部海域の「大陸棚外縁断層」とつながっている可能性もあり、その場合、断層の長さは計約百キロに達し、マグニチュード(M)8級の地震が起きる虞があるという。
日本原燃は昨年、新潟県中越沖地震とほぼ同じM6.9の直下型地震などを想定しても「施設の安全性は確認されている」と国に報告したが、教授は今回の研究を踏まえ「耐震性を再検証すべきだ」と指摘している。
渡辺教授は研究結果を、千葉市で25日から開かれる日本地球惑星科学連合大会で発表する。
教授らは、サイクル施設周辺で露出した断層や地形を調査。
東側の太平洋沿岸の陸域で、幅1~2キロ、長さ約15キロのたわんだ地形を見つけた。
原燃による地下探査データと照合したところ、地下には地表のたわみと位置や幅が一致する、傾いた地層がみられた。
教授は「地表のたわみが断層活動による隆起でできたことを示す証拠だ」として、一連の地形を活断層によるものと判断。
地層に含まれる火山灰の年代などから、約12万5千年前に形成された平らな海岸段丘が、何十回もかけて30~40メートル隆起したと結論付けた。