ニャン子とワン太郎 終

　　
　「ニャニャんが　ニャン
　　ワワンが　ワン　ワワンがワンったら　ワン」

　「ギャアー　ギャーア　ギャアー」

　「おれがただしい　おれがただしい
　　まちがえたって　ただしんだぞー」

　朝から晩まで、ワンワン・ニャンニャン、うるさいったらありゃあしない。１年365日、
　「おれのもんは　おれのもん
　　おまえのもんも　おれのもん」

　そこに鉄火のおチョウねえさん、
　「みんな　なかよくするんだよ」
　「ふぁーい」

　こういうのがヒツヨーなのかもしれない。

ニャン子とワン太郎 ４

　　
　鉄火のおチョウ、イヌトネコに人気がある、
　「ねえさん　おねえさん」
　「ちゃんと食べているかい」
　「おなか　ペコペコ」
　「これを　おたべ」

　「ねえさん　きれいだワン」
　「ダイスキニャン」
　「ふん　みえすいているんだよ」

　「ねえさん　見えてるワン」
　「サービスだよ」

　鉄火のおチョウ、下町の人気者である。

ニャン子とワン太郎 ３

　15歳のおチョウ、もう、あのスタイル、ワン太郎が、
　「見えちゃうんだな」
　「ふん　うれしいくせに」

　ゾロリとした着物、はいてない、だから、風が吹くとチラリ、立てヒザでチラリ、
　「すごいんだ」
　「いろぽっいんでしょう」
　「ふつー　にんげんて　はくんじゃあなーい」
　「ふつーじゃーなさそうだね」

　ワン太郎、
　「あー　カゼがふかないかな」
　「ふん　このスケベが」

ニャン子とワン太郎 ２

　「あん時は　すごかったね」
　「ああー」
　「チワワのみっちゃん　なにしろ　ちっちゃいからね」
　なんのことだろう、
　「はいらないだろー」
　「きつう　きつう　かんにんどすえ」

　そん時、おチョウねえさんがあらわれた、
　「みっけ」
　その場のイキモノが、こおりついた、
　「ネンネに　ひどいことをするもんだね」
　「うっうっうっ」
　「あたいが　ちっとぐらい　手荒いコトしても　カミさまは　ゆるしてくれるってもんだね」
　青ざめるタマキン、
　「許さないと　おもうんですけど・・・」
　「バロー　あたいとタイトーな口をきくのは　ヒャクネンはえーんだよ」
　「はーい」
　「ひとつ　いただくからね」
　「ヒェー」

　取られちゃったんだナ。なにおって「アレ　アレ」。

ニャン子とワン太郎 １

　
　ダウンタウンのノラ、イヌとネコ、ニャン子はネコ、ワン太郎はイヌ、なかがいい。

　たくましく生きているんだが、気になるのがおチョウさん。

　おチョウは15歳になって、もう着物スガタでしゃなり・しゃなり、タイヘンな美少女なのだが、なにしろあのキショウ、
　「おっかねえー」
　「ほんとね」
　「あのペー助が　やられたんだよ」
　「知ってる　でも　ざまあみろね」
　「うん　うん」
　「あの　おみっちゃんをやろうとしたんだもんね」

　「おみっちゃん」は、としごろのチワワ。