松山総合公園の桜。環状線の信号待ちの車上より。
心に触れる花を見つけると、接近し、手に触れ、匂いをかぎ、しげしげと見るのが、好きです。写真もついつい超アップで撮ってしまうことが多いです。でも桜だけは遠景も美しい。いつもの見慣れた風景が、突然さくら色に染まる様子は、まるで魔法のようだと、毎年毎年飽きもせず感動してしまいます。
もう、4年前になりますが、次男が高校を中退しました。退学届を持った彼と高校の門をくぐると、満開の桜。黒い詰襟の制服姿も、これが最後かと見上げると、その上にのる顔があまりに幼く、もう泣くのはやめようと思っていたのに涙がとまりませんでした。本当はやめたくない。息子の心の声を聞きながら、親としての自分を責めて泣きました。
昨年、その息子から、サクラサクのメールがありました。あれから、大検を受け、予備校に通い、やっと念願の大学に合格した知らせでした。
桜はやはり、入学式の花。子供たちへの思いの花。悲喜こもごもの親子たちの頭上に、桜は今年も美しく咲いては散っています。
かなり前のことだけれど、大学のサークル(その名も植物同好会!)で、ナギという木の枝をもっていると好きな人と結ばれると聞き、一生懸命探したことがありました。でも、見つけることができなかった私に、一枝渡してくれた人がいた。・・・・・で、その人の嫁になりました。それが、とある神社の森で人生二度目の大発見!イザナギ、イザナミの夫婦神につながるとか、凪につながるので航海のお守りだとか、あるいは鏡の裏に置くと好きな人の姿が映るとか不思議な力がいっぱい。もし出会っても乱暴にむしったりしないでね。神社に多い御神木で、場所によっては天然記念物にもなってます。関東以北にはないようです。しんとした神の杜で出会う木々たちは、確かにそんな力を持っていると思えた冬の午後でした。