青森県六ケ所村に4月、英国から返還された高レベル放射性廃棄物(核のゴミ)の輸入価格が、1本あたり1億2800万円だったことが税関への申告でわかった。過去最高額で、海外に処理を委託した廃棄物の返還が始まった1995年の3倍。管理や輸送の費用がかさんだとみられる。費用は電気料金に上乗せされる。 原発から出る使用済み核燃料を再処理して再び燃料として使う「核燃料サイクル政策」について、政府は4月、閣議決定した新たなエネルギー基本計画のなかで「推進」するとしたが、再処理で出る核のゴミの費用もかさむことで、サイクル政策の非経済性が改めて浮かんだ。
再処理事業では新たな燃料のほか、利用不可能で強い放射線を出す高レベル放射性廃棄物も発生する。六ケ所村にある日本の再処理工場はトラブル続きで完成しておらず、電気事業連合会によると、日本は69年以降、英仏両国に送って再処理を依頼してきた。
再処理でできたプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料などは英仏から日本の各原発に順次運ばれて一部は使われてきた。一方で、高レベル放射性廃棄物を固めた「ガラス固化体」も95年以降、六ケ所村に返還されている。固化体は円柱形で直径約40センチ、高さ約1・3メートル、重さは約490キロ。地下深くに埋める地層処分を目指すが、処分場の候補地は決まっておらず、六ケ所村の施設内で保管されたままの状態だ。
固化体の返還は今年4月が16回目で、132本が入った。固化体を所有する各電力会社は「私企業間の契約のため」として価格を明らかにしていない。
だが函館税関八戸支署への届け出によると、4月に管内に入った固化体の輸入総額は169億3800万円で、1本あたり1億2800万円。13年2月の前回は1億2200万円で、95年4月の1回目は4400万円だった。
固化体はテロ対策などのために管理や輸送に厳重な警備が必要となる。また、再処理を委託した英国の工場でトラブルが相次ぎ、事業費もかさんだとみられる。固化体は英国に約640本残っており、19年までに順次運ばれる予定だ。
使用済み燃料の再処理費用について、各電力会社は電気料金算定のもととなる経費「原価」に組み入れている。東京電力福島第一原発事故後に相次いだ電気料金値上げの際も原価に入れて申請し、認められた。 (朝日新聞 大谷聡)
2兆2千億円という税金をつぎ込み、完成が20回も延期されて、未だに正式稼動していない六ヶ所村再処理工場。国策のサイクルがいっこうに回らない中で、使用済み燃料や核のごみは六ケ所村にたまる一方だ。
危険な使用済み核燃料を弄び、高額な給料を受け取り、失敗の責任も取らずに研究という名の遊びを続ける科学者。
当初は1997年完成予定だった。現在の予定は今年の10月。建設費は当初の3倍の2兆2千億円に膨らんだ。
2006年に実物の使用済み燃料を使う試運転を始めた。今年1月には原子力規制委員会に稼働に向けた審査を申請。日本原燃の赤坂猛理事(60)は「技術的には完成している」と強調するが、規制委の審査をクリアできるかは不透明だ。
再処理工場に隣接する使用済み燃料プールは北海道電力泊原発(後志管内泊村)のプールの3倍の3千トン、国内最大の貯蔵容量を誇るが既にその98%が埋まっている。使用済み燃料は99年から受け入れ始めたが、再処理工場が動かないのでプールから取り出せない。使用済み燃料は各地の原発のプールで1年、再処理工場のプールで3年の計4年冷却し再処理する予定だったが、今は「平均して13年ぐらい寝ている」(赤坂理事)。
海外で再処理され返還された核のごみも六ケ所村に集まる。放射能の強い廃液をガラスと混ぜ固めたガラス固化体1442本が一時貯蔵庫で保管され、今回132本を受け入れた。国は、核のごみを「青森県以外の場所」(資源エネルギー庁幹部)で地下300メートルより深くに埋める方針で、処分技術の研究は宗谷管内幌延町で行われているが、実際に処分する場所は全国どこにもない。
再処理では、燃料棒をちょん切ってセトモノをむき出しにするという作業から始まる。次にセトモノの中からプルトニウムだけを取り出す。濃い硝酸を温度をかけて温めて、セトモノをドロドロに溶かして液体にし、薬品を加えて、燃え残りのウランと核分裂生成物とプルトニウムを化学的に分ける。閉じ込めていた放射性物質はバラバラにする事によって外に出してしまう。特にクリプトン85というのは完全なガス体で、どんなことをやっても他の物質と化合しないし、フィルターというものにもくっつかない。クリプトン85に関しては、一切捕捉しないで全量を放出するという。 お金をかければクリプトン85もマイナス153度で液化でき、閉じ込めることができる。しかし、六ヶ所村では放出する。
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