北海道新聞2009.12.10.朝刊第3社会面
地球温暖化は南極大陸の形も変えるのでしょうか。
巨大氷山南極→豪州へ北上 長さ19キロ、幅8キロ
【シドニー時事】
長さ19キロ、幅8キロ、広さ140平方キロの巨大氷山が南極からオーストラリアに向かってゆっくりと漂流しているのが9日、豪南極局の衛星写真を使った観測で分かった。AFP通信によると、現在、豪州の南約1700キロの位置にあり、専門家らは、氷山がこれほどの大きさを保ったまま、ここまで北上するのは1世紀に1度のイベントと話しているという。
同局の氷河学者二ール・ヤング氏は同通信に対し、過去にこのような例があったかは知らないとし、「恐らくは帆船が往来していた(19世紀の)時代にまでさかのぽらないといけないだろう」と述べた。同氏によると、地球温暖化で海水温が上昇すれば、氷山の漂流が頻度を増す可能性があるという。先月にはニュージーランドに向かって漂流する100以上の氷山も観測されている。