ウエスティに猫な日々

日々の料理と外食、趣味の熱帯魚と読んだ本の感想と我が家の犬と猫の話。
ほか、日々のちよっとした独り言。

「 ひよこ太陽 」  田中 慎弥

2020-01-14 00:05:46 | 
     「 ひよこ太陽 」  田中 慎弥

          

図書館のお薦めの本の棚で見つけました。 久し振りに名前を拝見して手に取りました。 田中さんの本はこれで3冊目。
第47回 泉鏡花文学賞受賞作品。 

頑張って書かれているんだなと、さっそく読み始めましたが、読んでいてワクワク感がない。

主人公は作家の田中。 これは実生活( 私小説 )なのかフィクションなのか?
行き詰って作品を書けない田中は、毎日、鉛筆を持ったまま悶々と苦しい日々を過ごしている。
彼女にも去られ、経済的にも行き詰まり、時々踏切に飛び込みたくなる自殺願望に襲われる。
なんだかこちらまで気分が落ち込む。

本当に書くことに行き詰っているのか、そんなことを楽しんで書いているのか全く分からず、純文学は難しい。 
とにかく読まなくちゃと、あの田中さんの顔を思い浮かべながら読み進める。

母親の友人の作家志望の息子Gが行方不明。母親に頼まれ彼を探すことに。
同棲していた彼女との思い出。 小学生の時の友達の話。 出会った白い帽子の謎の少年。 彼のおかげで自殺を思いとどまることができたことなど。

内容はともかく、文章は読みやすく短いのですぐに読めました。
作家さんにも、スラスラ何百冊も書かれる方や、超大作を書かれる方。
ジャンルにも寄りますが、次々、アイデアが出る方や七転八倒して締め切りに間に合わせる方などいろいろ大変だと思います。
そんな苦労も知らず、おかげで我々は楽しめるんですが、今回の作品は正直、田中さんらしかった。

まあ、また、田中さんの作品を見かけると手に取ると思います。『 読んでおいてやる! 』かな?


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