アトリエ 籠れ美

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平成27(2015)年5月4日より

油絵具、国内と海外の差

2019-11-21 05:08:42 | 画材、技法、芸術論、美術書全般、美術番組
 私自身、国内外の油絵具のメーカー比較を多少やってみたことがある。そこで知っている限りを書いておくのも悪くないかなと。

 さて一般に言われている通り、海外の油絵具の方が重たいし(持ってみればよくわかる)、また乾燥も遅い。

 重たいのはそれだけ顔料が多く含まれているからで、乾燥が遅いのもそれだけ余計なもの(乾燥促進剤や助剤)が含まれていないからとされる。

 じゃあ、国内の油絵具はダメかというとそんなこともなく、私は国内のしか使っていない(主にクサカベ ミノー)。

 国内の話だが、かつてはクサカベが一番良いとされていた。これは何十年も前の話らしく、今はそんなことはない。

 戦後、国内メーカーが猛勉強し、今は海外と大差ないと言われているにもかかわらず、未だに海外の油絵具の方が上なんじゃないかと思われている。

 こうした原因は、おそらく透明色にあるのだと思う。私は不透明(または半不透明)色を使っているので、その分には国内外の違いは実感しにくい。ところが透明色となると、随分と違うらしい。

 グレージングを多用する方には、透明色の発色の差は命取りである。どうも透明色となると海外の方が上のようだ。

 以上が、国内外の油絵具に対する一般的な見方で、これ以上の話は出てこない。私もネットで随分調べてみたが、あまり詳しいことはわからなかった。

 じゃあ、一体、国内外のどの油絵具を使ったらいいのかという話になるが、基本的に海外のは高価なので、国内のでいいと思う。

 で、実際に使ってみて不満があるようなら、他のに替える。逆に言うと、不満がないなら、替えない。これがいいと思う。

 所詮、腕前がないと、どんないい油絵具を使っても、それは宝の持ち腐れになってしまう。よい油絵具を生かすも殺すも、その人の腕次第である。

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