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DAZN観戦 2023年J1リーグ第34節 アルビレックス新潟vsセレッソ大阪

2023-12-07 16:00:35 | サッカー視聴記(2023年J1)

<両軍スタメン>

とうとうJ1も最終節。
しかし前節で(神戸の)優勝が決定し、1クラブのみの降格クラブもほぼ決まり。
激闘の昇格プレーオフで締められたJ2、最終節まで昇格がもつれたJ3とは緊張感は比べ物にならず。
ACL圏や順位による分配金の差異はあれど、ラスト1試合を綺麗に終わるか否かに焦点が当てられました。

個人的に、J1で今季最注目していたクラブが新潟。
J2で培ったポゼッションスタイルが、上のカテゴリでも通用するか否かというテーマを下に1年間戦い通し。
しかしそのスタイルを常時貫き通したかは、J1の座を守らなければならないという意思の下ズレる事もあり。
守勢一辺倒ながら何とか勝利したり(21節・札幌戦、1-0)、縦に速い運びを意識し過ぎて失点を重ねたり(23節・湘南戦、2-2)と、盤石では無いながらもこうして残留を決めて最終節を迎える事が出来ました。
それでも綺麗に締めくくるべく、最後の試合はスタイル通りの戦いを見せたうえで勝利したい所。

この日の相手はセレッソと、開幕節⇔最終節というカードの一環に。
その開幕節は点の取り合いという展開で引き分け(2-2)でしたが、この日はともに得点力を欠く中での対決と化し。
新潟は2試合連続スコアレスドロー、セレッソに至っては7試合で得点1という低調ぶりで、お互いぶつかる事となりました。

新潟は言うに及ばず、セレッソもボールを繋ごうと思えばその精度は高いチーム。
立ち上がりはセレッソがボールを握りパスワークで前進、という展開に。
前半2分にGKキムジンヒョンのフィードを起点として右から攻撃、香川を経由して逆サイドへ展開の末にエリア内を突き。
阪田のポストプレイを経て奥埜がミドルシュート(ブロック)と先制攻撃を果たしましたが、その道中にカピシャーバが藤原のチャージを受けて倒れ込む事態も発生。
よって試合が止まり、カピシャーバは1分ほどかけて何とか起き上がりピッチ外に。
するとボールポゼッションに入った新潟は、復帰を待つカピシャーバのすぐ側でパスを繋ぐ事により、主審は中々「入れ」の合図を出せずにカピシャーバが苛立つという珍妙な絵図が生まれます。
そして新潟がアタッキングサードを突こうとする所で復帰を果たすも、当然新潟の好機となり。(松田が右ワイドからカットインも奥埜に防がれる)

それでもセレッソ優勢は変わらず、6分の新潟はGKからのビルドアップを図るも、渡邊泰の苦し紛れの縦パス(周囲のパスコースの殆どを切られていた)を香川が前に出てカット。
そして拾ったセアラがエリア内を突いてシュート(GK小島セーブ)と、ショートカウンターで決定機。
その後もGKキムジンヒョンからの組み立てで前進、要所で香川が送る急所へのパスで好機を作るという流れで、ゲームを支配しに掛かった立ち上がり。

しかしその流れも、新潟がボールを持った香川に対し強めにプレッシャーにいく事で終焉。
13分に谷口がプレスバックして香川から奪い反転攻撃、松田が右ハーフレーンをドリブルで疾走してスルーパス、走り込んだ藤原がポケット奥からマイナスのクロス(合わず)という好機を機に新潟ペースに移り変わり。
直後の14分には敵陣で攻撃が途切れるも、ゲーゲンプレスを掛けて蹴り出させたボールを星が回収、そのまま放ったミドルシュートが右ポスト直撃と決定機も作り出します。

その後のセレッソは立ち上がりの好循環は何処へやら、ビルドアップに難儀しリズムを生み出せず。
新潟のプレッシングをいなす方策が、ダイレクトパスの連続に頼り気味なので、その分パスミスも生まれ易く中々敵陣まで運べず。
21分にはあろう事かGKキムジンヒョンの縦パスがズレてしまい、高が直接縦パスを送り返すというショートカウンターに。(受けた谷口は撃てずに命拾い)

一方新潟のビルドアップも、セレッソのプレッシングを受けて危ないシーンはそこそこあるものの、「相手の際を通すパス」で剥がしにいっていた感があり。
安全に回すのでは無く、「取れそうで取れない」位置にパスを送ってプレッシャーを誘発する事で、剥がした時のリターンを大きくする狙いが見て取れました。

そんな流れで、時間が経つとともに新潟の洗練ぶりが明白となる展開に。
セレッソが好機を生むには冒険が必要、という流れとなります。
28分、右サイドで柴山が反則気味のアタックで奪ってからの攻撃、毎熊の縦パスをセアラがダイレクトで前方へポストプレイというプレーで新潟の裏を突き。
そして阪田のグラウンダーのクロスを、ニアサイドに走り込んだセアラが合わせたものの、ジャストミート出来ず力無くゴール左へと外れ。
結局これが前半最後のフィニッシュとなり、その後はオフサイドディレイもあり好機は膨らまなかったセレッソ。

それを尻目に攻撃権を支配する新潟は、普段通りに数多パスを繋ぎながら、戻して作り直しという流れを交え隙を窺う体勢に。
それでも自身のビルドアップからよりは、(セレッソ側のミスも絡んでの)縦に速い攻めが好機に繋がり。
39分にパスミスを拾った三戸が左ハーフレーンをドリブルし、エリア手前でカットインからミドルシュート(ゴール右へ外れる)と彼らしいフィニッシュ。
41分にも自陣でパスカットした星から素早く前進、裏へのミドルパスがディフェンスに当たるも谷口に渡り、左ポケットへ短いスルーパス。
これを受けてシュートしたのはまたも三戸でしたが、GKキムジンヒョンの足でのセーブに阻まれ先制ならず。

三戸の立て続けのフィニッシュを経て、その後も43分に高のミドルシュート(枠外)、44分に再度三戸がミドルシュート(枠外)と攻め続ける新潟。
しかしゴールは奪えず、この辺りは未だにチームのトップスコアラーが夏に移籍した伊藤(7得点)という苦しさも露わにするものであり。
結局スコアレスのまま折り返す事となりました。

ハーフタイムという長いブレイクを挟んだものの、後半も新潟の勢いは止まらず。
後半1分デンから組み立てる攻撃、パスワークを経て再度デンに渡ると、彼の本来の得意手であるフィードが右→左へのサイドチェンジという形で披露され。
これを三戸がダイレクトでスルーパス、受けた新井が奥を取るもクロスは上げられず。
その後も松田の突破力を前面に押し出すなど、各個の特技を生かす方針へとシフトしたでしょうか。

その松田に決定機が訪れたのが2分で左CKから、高木の2度目のクロスがファーに流れた所をフリーで拾った松田、そのまま鋭角の位置からシュート。
しかしこれもGKキムジンヒョンのセーブに阻まれ決められず。

どちらもグラウンダーのパスで勝負するチームですが、後半になるとセレッソはより短いパスで、狭い局面での勝負に傾倒した感があり。
その結果新潟のプレッシャーにより狭まる選択肢、ダイレクトパスもより増える事となり繋げられず。
次々にパスを遮断されていった結果、セレッソの後半最初の好機は13分と大幅に遅れる事となってしまいました。
一方の新潟も細かい繋ぎが目立つも、要所で松田のドリブルが交わる事で密集を打開できて好循環に繋げられ。

かくして新潟が攻撃権独占の状態となりますが、2分の松田のシュート以降はフィニッシュを放てずというポゼッションスタイルの悲しき性に。
決定的なシーンが生まれる前に流れを変えたいセレッソは、17分にベンチが動き清武を投入します。(柴山と交代・同時に阪田→為田へと交代)
これによりカピシャーバが右ウイングに回り、中盤は奥埜アンカーでその前に清武・香川の2人が並び。

しかしその直後、再びセレッソはビルドアップの段階でダイレクトパスの連続を強いられた結果、三戸に奪われて新潟がショートカウンター。
高木がペナルティアークからシュートするも鳥海がブロックと、その危機の招き方は決壊寸前の様相にも映り。

それでも清武というもう一人のパサーが生まれた事で、新潟ディフェンスは香川を潰すのみでは対処できない状態に。
清武の急所を突くパスを軸に、再び好機を量産する流れを得ます。
乱れていた後方も、27分に自陣からのビルドアップで、新潟の前線も同数(6対6)でプレッシング。
これを受けたセレッソサイドは進藤が左サイドに開いて持ち上がり、為田とのパス交換も交えて強引に剥がすのに成功(その後為田が奪われる)した事で、閉塞感は幾ばくか振り払えたでしょうか。

新潟ベンチが動いたのは23分で、松田・谷口→太田・長倉へと2枚替え。
その後もセレッソのパスワークに翻弄されかかりますが、30分に香川の対角線のロングパスを、藤原が良い出足でカットした事で優位に立ち。
直後の31分にはGK小島からの繋ぎで縦パス中心に運び、高木から右への展開を受けた太田がカットインからミドルシュート。(枠外)
チーム2位の5得点という実質トップスコアラーの太田が加わった事で、再びゴールを目指す姿勢を取り戻しに掛かり。

32分に双方選手交代。
新潟が高木→小見に交代したのに対し、セレッソは舩木・セアラ→山中・上門へと2枚替え。
セレッソのフレッシュ効果か、33分には自陣で追いつめられた新潟のビルドアップ、渡邊のGKへのバックパスがズレてしまいCKに。
この左CKから、キッカー清武の中央へのクロスに進藤が合わせヘディングシュート、しかしゴール上へと外れ。

大胆なセレッソの采配の前に沈む流れが漂い始めた新潟ですが、それを堰き止めたのはディフェンス。
35分にセレッソのビルドアップで、為田がパスを入れ替わりで受けようとした所を太田が寄せて追い詰め、右サイドで星が奪い。(その後パスを繋ぐも攻めきれず)
38分には再び対角線のロングパスを藤原がカットと、3試合連続無失点という歩みを記録してきたチームの本領が発揮されます。
一方のセレッソは40分の新潟のビルドアップに対し、高のドリブルを防いだもののこぼれ球を進藤が繋ぎをミス。
そして長倉→太田と右サイドを運ばれてクロス、クリアボールを三戸がミドルシュート(GKキムジンヒョンキャッチ)と、再び後方の乱れが露わになり始め。

良い攻撃は良い守備からという格言の下、ゴールを挙げたのは新潟で42分。
最終ラインでサイドを振りながら繋ぐ新潟、左ワイドで受けた渡邊はここでボールキープを選択し、切り返しの連続で上門のプレッシャーをいなし。
そして倒れながらも送ったミドルパスを三戸が足下でフリック、小見がダイレクトで繋いで見事に脱出成功すると、数的優位のなか長倉がドリブルで持ち込む絶好機が生まれます。
そしてエリア手前でパスを選択した長倉、受けた太田が右ポケットへ切り込んでシュート。
山中にブロックされるも、こぼれ球に素早く反応して横パスを送ると、長倉がダイレクトで合わせてゴールへとパス。
自陣エリア内からの攻めを綺麗にまとめ上げ、辿り着いた先制点にスタンドも沸き上がります。

これですっかり流れを手にした新潟。
セレッソの反撃機運が高まらずにいる所を、何でもありという具合に攻め上がり。
43分に再びパスワークから長倉がボックス付近まで迫り、今度はヒールパスで小見に託し。
そして小見が右ポケットから浮き球を中央へ送るも、走り込んだ高には惜しくも合わず。
44分には左ワイドから新井がドリブルで中央へと向かいそのままミドルシュート(ゴール右へ外れる)と、肩の荷が下りたようにゴールに迫ります。

迎えたATも、セレッソのCKからの流れを切ってカウンターに持ち込んだりとその流れは続き。
最後はGK小島のロングフィードを収めた長倉が中央へと流れミドルシュート(ブロック)と、それまでの攻めを逆手に取るようなロングボール一本からのフィニッシュで締められました。

結局1-0のまま試合終了、無事に最終戦を勝利で飾った新潟。
順位はボトムハーフでトップの10位と、やや物足りないながらもJ1の並み居る強豪のなかで、堂々たる位置と言っても良いでしょう。
それでも難しいのは昇格2年目に位置する翌シーズンで、既に移籍話もあり。
前のJ1時代(2004~2017年)に散々苦難した、主力選手の引き抜きは今後も不可避となるでしょうが、そこで身に付けたサッカースタイルの真価が発揮される時であり。
それがクラブ全体の意思統一でのものか、あるいはアルベル・プッチ・オルトネダ氏による一過性のものだったかは、選手入れ替えを経ても維持出来るかどうかがその審判となる。
そんな事を思い浮かべながら、次なる新潟のシーズンも今から楽しみになって来ました。

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