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DAZN観戦 2024年J2リーグ第15節 徳島ヴォルティスvs栃木SC

2024-05-16 16:01:56 | サッカー視聴記(J2)

※前回の徳島の記事はこちら(13節・愛媛戦、0-0)
※前回の栃木の記事はこちら(8節・千葉戦、0-8)

<徳島スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 代行監督の立場だった増田功作氏が、前節(岡山戦、2-1)の指揮から正式に監督に就任。それに伴い、コーチの山口将弥氏がヘッドコーチへ昇格。
  • エウシーニョが累積警告により出場停止。

<栃木スタメン>

  • 前節(藤枝戦、0-1)出場停止だった石田・大森がスタメン復帰。
  • その前節はドイスボランチの3-4-1-2で、この日は奥田が一列前に上がるマイナーチェンジ。
  • 10節(水戸戦、2-2)で負傷交代した矢野は、2試合の欠場を経て13節(清水戦、1-4)から復帰。

あいにくの天気となった徳島のホーム・ポカリスエットスタジアムでの一戦。
徳島の負の感情によるものか……とはこの試合でも書いた事ですが、時を経て逆に、それを清算するべくの降雨となったでしょうか。
前節上位の岡山に勝利した事で、ようやく正常なチームへの足取りを始めた感があり。

守備を固める意識を高め、塹壕戦のように勝利を拾う流れを構築した増田監督。
何度か新監督招聘の噂は有れど、その戦いぶりが評価されてか正式に監督就任したのが前節の前の事であり。
拡大路線(欧州スタイルへの傾倒)の反動故の消極的路線か、と思われた監督への昇格だっただけに、開幕から散々荒廃してきたチームならびに関係者もとりあえず一安心といった所。

この日の相手は、そんな徳島にとって代わるように不振に至っている栃木。
やはり千葉戦の0-8が尾を引いているようで、以降引き分けを2つ重ねたのみの未勝利という歩み。
前節から最終ラインが、ラファエルと藤谷が左右入れ替わるという具合に、迷いも感じられるスタメンとなり。

キックオフでいきなり徳島は、森昂ミドルパス→渡ポストプレイ→チアゴミドルシュート(枠外)と、開始7秒でフィニッシュ。
対する栃木もその直後にゴールキックのロングフィード→イスマイラフリックから繋いで好機、左ポケットを取ったイスマイラの戻しから神戸がミドルシュート。(枠外)
開始1分間で、双方ファーストシュートを放つ珍しい入りとなりました。

この日の栃木は、最終ラインのみならず中盤の底も弄り、前節のドイスボランチ(神戸・奥田)から神戸のアンカーシステムに。
ここは迷い云々では無く、前から果敢にプレッシャーを掛け、徳島のビルドアップを阻む算段と推測されます。
しかし2トップの一角に入るイスマイラは、前年も指摘した通り規制の掛け方が巧くなく。
最終ラインにプレッシャーを掛ければボランチが空いた所を通され、逆にボランチを意識すると前に出れないという、守備面では一つの事しか出来ない弱点が露わとなります。

チームとしての狙いが外れる格好となった栃木。
12分に自陣で反則を受けると、その遠い位置(右サイド)から放り込みを選択するという、強引かつ不格好な手法で何とかリズムを掴まんとします。
その後も13分に、今度は敵陣浅めでのこぼれ球に対し、拾いにいった藤谷が田向と交錯する格好となっての反則。
田向の足が遅れて入ったという事で警告の対象となり、またも得たFK(左サイド)からキッカー石田が放り込み。(クロスが直接ゴールライン割る)
前半風上に位置し、さらに判定に運が巡っている間に、それを果たしたいという展開に。

しかし徳島のボール保持が本領を発揮すると、それは叶わぬ願いとなり。
序盤は縦に速い攻めの意識が強く、前述のチアゴはじめ遠目から狙うという場面が目立っていましたが、栃木のチーム特性を理解してからはポゼッションを高め。
チアゴが降りてビルドアップの出口となる所に、藤谷が喰い付くというシーンが何度も見られ。
つまりはマンツーマンの意識が高いという、柳下正明氏がコーチを務めるチームらしい特徴が露骨に現れます。

20分に左からパスワークで前進しようとした徳島、栃木に遮断されるもこぼれ球を森昂がすかさず縦パスでカバー。
受けたチアゴも素早くスルーパスを送り、棚橋がエリア内でスライディングで繋いだ所を渡がダイレクトでシュート(GK川田セーブ)と鋭い一撃。
防がれた後も栃木の最終ラインにプレッシャーを掛け、橋本が左サイド深めで石田の蹴り出しをブロックし、左ポケットで渡が拾う好機に。
そして戻しを経てチアゴが中央からシュート。(枠外)
繋ぎの部分でミスが出ても、奪いきれなかったら逆にピンチを招くのが喰い付く習性があるチームであり。

その後はチアゴが降りて受けに来るのを利用し、入れ替わるように高い位置を取る田向を使って攻め上がり。
29分、児玉のミドルパスに入れ替わった田向、そのまま前進し右ポケットを突いてグラウンダーでクロス(その後こぼれ球を逆のポケットで拾った橋本がクロス)とベテランらしからぬ上下動で貢献します。

栃木は前述の遠目からのFKや、時折見せるカウンターに活路を見出すのみで、ひたすら徳島のパスワーク中心の攻めに難儀する展開に。
3-3-2-2(3-1-4-2)というオリジナルフォーメーションも、自然に南野がボランチの位置に回る事で5-4-1での守備を強いられるシーンが目立ちます。
必死の守備を見せるも、後追いの反則も膨らみ始め(36分には杉本に対するアフターチャージで神戸に警告)、30分台はそれによるセットプレーで時間を浪費する時間帯に。

そしてその流れから、仕留める格好となった徳島。
40分、ここは田向・チアゴが正常通りの位置での繋ぎで、杉本の前進からのパスを受けたチアゴの右奥へのスルーパス。
走り込んだ児玉のクロスがクリアされるも右コーナーキックで継続し、キッカー・チアゴのファーサイドへのクロスが杉本に収まり。
そしてワントラップから放たれたシュートがゴールネットを揺らし、セットプレーを量産した果てに生まれた先制点。
この際に杉本のハンドを主張した栃木サイド(実際に右腕に当たっているようではあった)でしたが、その前に何故杉本がフリーとなっているのかに着眼した方が良いように思えました。
マンツーマン守備で、杉本に付いていたはずの矢野が綺麗に外された結果GK川田が無理目な飛び出しを余儀なくされるという具合に、千葉戦と何ら変わらない症状であり。

その後も栃木の劣勢は変わらず、45分にも空中戦を制して確保したカイケからの前進で、溜めを作ったチアゴがスルーパス→田向右ポケット奥からクロスと特徴通りの攻め。
流れた所をさらに逆サイドから橋本がクロス、GK川田がパンチングで掻き出した所を児玉がシュート(枠外)と、分厚い攻撃を展開する徳島。
何とかその流れを切り、アディショナルタイムにはCK・ロングスローで徳島ゴールを脅かした栃木でしたが、状況打開には至らず。
1-0のまま前半終了となります。

ハーフタイムで交代カードに手を付けた栃木、藤谷→大谷へと交代。
チアゴの跳梁を許していた所を、駒を代える事で対処しようとしましたが、後半も然したる変化は無く。

反撃したい栃木ですが、敵陣へ運んだ所パスミスでボールロストするシーンを目立たせるなどその攻撃は正確性に欠け。
前半と比べ最終ラインから地上で繋ぐ意識が高まったものの、徳島と比べて可変する事も殆ど無いので相手のプレッシャーの的となるだけに終わり。

逆に徳島の攻撃の跳梁は止まず。
双方スローインばかりで途切れ途切れの流れを強いられる立ち上がりの中、後半6分にそのスローインを右奥で受けたチアゴがディフェンスに当てて出してCKに。
すると自身でキッカーを務めるチアゴ、追い風を利用してのインスイングのクロスで脅威を与えます。(ここではニアへのクロスにカイケが合わせにいくもクリア)
セットプレーで時間を使ったのち、10分には栃木の繋ぎのミスから敵陣で攻撃開始、児玉→杉本→棚橋と経由しチアゴに渡り。
そして中央からミドルシュート(大谷がブロック)と、その左足が冴え渡る展開に。

12分にはGKスアレスからの繋ぎ、左サイドから中央を使っての前進の末に橋本がアーリークロス。
ファーで棚橋が合わせにいくもこぼれ、クリアされるも杉本がヘッドで繋ぐというまたも分厚い攻めを展開すると、児玉のミドルパスが裏を突いた所を渡がボレーシュートで合わせ。
しかしGK川田のキャッチに阻まれ、異なる手札で再三攻めるも追加点は奪えません。

流れを変えんと、栃木が13分に2枚替えを敢行。(大森・矢野→森俊・宮崎)
しかしその直後(14分)にも、今度はカイケがドリブルで自陣から一気に右サイド奥を突きに掛かり。
そしてグラウンダーのクロスにニアで棚橋が跳び込む(クリアされてCKに)というあわやの場面を創出したカイケ。
特徴である最終ラインからの持ち運び(と表裏一体の、プレッシャーを受け続けての苦し紛れの縦パス)も、こうした形で活かせるのならば、天職はやはり(一時期途中交代で起用されていた)アタッカーでは無いのかと思わせるプレーであり。

好循環を保つ徳島でしたが、16分にベンチは3枚替えを敢行。
杉本・棚橋・渡→永木・杉森・柿谷へと交代しましたが、攻勢を続けていた事もあり、正直もう少し持たせても良かったのではないかと思ったり。(ベテランの多い徳島故に仕方無い側面はある)

その予感通りに、以降栃木が主導権を奪いに掛かり。
18分、石田の裏へのロングパスを右奥で受けた南野、橋本のクリアでこぼされるも宮崎が繋いで再度南野の下へ。
そしてワイドの位置から果敢にシュートを放ちましたが、惜しくもゴール左へと外れ。
20分にはラファエルロングパス→イスマイラフリックというお決まりの流れから攻撃開始、サイドを振ったのちに石田の右ポケットへのパスがまたも南野に。
ここはリターンを選択した南野、そして石田がダイレクトでクロスを上げましたが、ファーの森俊には僅かに合わず。

攻撃権を確保したい栃木ですが、それでも徳島は守勢にならず真っ向からぶつかり合う姿勢を取り。
23分には空中戦でボールを確保し、柿谷がワントラップからバイシクルで繋ぐ技を見せたのちポゼッションに入り。
右からの前進を経てポケットでキープする児玉が逆向きでヒールパス、そして走り込んだ田向が奥からクロス(クリアされる)と、ボールキープする中でもしっかり最後の局面まで繋いでいき。
栃木のポゼッションに対しても果敢にプレッシャーを掛ける姿勢を保ちましたが、ここでは24分に平松をスライディングで倒してしまった柿谷が反則・警告を受ける事に。

劣勢は変わらない栃木、それでも守りに入られ何もできないよりはマシだったでしょうか。
25分徳島が最終ラインから繋ぐ所を、前に出た大谷がボール奪取してすかさず縦パス、イスマイラが受けるショートカウンターに。
これを中央からミドルシュートを放ったイスマイラ(GKスアレスキャッチ)という具合に、相手が攻めの姿勢を見せてくれるだけチャンスはありそうな状況となり。
29分にも徳島の縦パスがズレた所をラファエルが逆にミドルパスを送り返し、宮崎の収めを経て再度イスマイラに渡り。
そして右へと流れて再度ミドルシュートが放たれましたが、右サイドネット外に終わり同点ならず。
攻撃面は栃木の中では万能のイスマイラ、それだけに守備能力の欠如が悔やまれる所。

30分に再び栃木ベンチが動き、神戸→青島へと交代、これで奥田がアンカーへとシフト。
その後32分に再度GKスアレスからの繋ぎで左サイドを前進する徳島、杉森のドリブルが奥田に倒されて反則・警告。
これで左からのFKとなった所で徳島ベンチも動き、橋本→高田颯へと交代。
あくまで攻める姿勢のカードを切ると、このFKからチアゴが低いクロスと見せかけて直接ゴールを狙う弾道のボールを送ります。(GK川田正面でキャッチ)

その後栃木は自陣でのスローインを直接カットされるなど、中々ボールを前に運べない状況を強いられ。
相変わらずプレッシャーの強い徳島に対し、膨らむ反則によるFKで遠目からの放り込みをする事ぐらいしかやれる事が無く。
そのFKから36分、キッカー石田の中央への低いボールに宮崎が足で跳び込むという一幕がある(合わずにGKスアレスキャッチ)など、1点差な以上どんな形でも……という可能性は残りますが。

主な絵図は徳島のパスワークという中で時間が進んでいき、手詰まり感漂う栃木サイド。
最後のカードは39分で南野→小堀となりましたが、局面を変えるには至らず。(徳島は38分にチアゴ→ブラウンノアに交代)

その後も高田颯の切り込みを使い、再三アタッキングサードでサッカーを展開する徳島。
そのままATに入り、得たCKでもショートコーナーからの繋ぎで時間を使うなど勝利への進軍に入り。

しかしその最中、栃木のスローインを例によってカットするも、その後のパスワークを遮断され。
そして栃木の繋ぎに対するゲーゲンプレスをかわされ、イスマイラがドリブルに持ち込むという栃木の実質最後にして最大のチャンスが。
ここで前に走る小堀へのスルーパスを選択したイスマイラでしたが、これが青木に遮断される結果に終わり、活かす事は出来ませんでした。

結局次の1点は最後まで生まれず。
1-0のまま試合終了となり、徳島が内容的にも順当といった勝ち点3に辿り着きました。

一方これで5連敗と、光明が見えない栃木。
試合から2日後、とうとう監督交代の一報が流れるに至り。
田中誠監督・柳下コーチが揃って解任(双方合意の下で契約解除)となり、新体制の構築を模索する事となりました。

この日はどちらかというと柳下コーチの思考(皆マンツーマンで付いていくところなど)が強く出た試合に思えましたが、それはやはり田中氏が風前の灯火である事を暗示するものだったでしょうか。
しかし柳下氏も、前年で既に余力を使い果たすかのような監督歴で、そのサッカー感は現代においては厳しいものがあり。(皆マンツーマンで付いていくところなど)
かくして元磐田子弟コンビの体制は終了となりましたが、新監督には昇格請負人こと小林伸二氏の名前が。
ここからの昇格は至難の業でしょうが、まずはしっかりとチームの建て直しを図ってもらいたい所です。

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