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TV観戦 FUJIFILMスーパーカップ2023 横浜F・マリノスvsヴァンフォーレ甲府

2023-02-13 16:01:01 | サッカー視聴記(2023年その他)

<マリノススタメン> 4-2-1-3
GK オビ・パウエル・オビンナ
RSB 上島 CB 畠中 CB 角田 LSB 永戸
DH 喜田 DH 渡辺
IH 西村
RWG 水沼 CF アンデルソン・ロペス LWG エウベル
<甲府スタメン> 4-2-3-1
GK 河田
RSB 須貝 CB 山本 CB エドゥアルド・マンシャ LSB 三浦
DH 松本凪生 DH 佐藤
RSH 鳥海 CH 長谷川 LSH 水野
FW ピーター・ウタカ

そういえばマリノスの試合を取り上げるのはずいぶん久しいと思い、過去を遡るとこの試合(2021年9月・J1第30節)の事であり。
前年のJ1王者をつかまえて何たる無礼を、なんて感情に駆られたりもしますが、今年もレビューの選択は気分次第にやっていくつもりであります。
そもそもこのスーパーカップ自体取り上げたり取り上げなかったりだし

神奈川県のクラブが覇権を握る流れとなっている近年のJ1、その2大巨頭の一角を占めるのがマリノス。
その編成も、選手獲得のサイクルを滅茶苦茶に早め、頻繁に入れ替えを敢行して強さを保つという他のクラブとは一線を成すものであり。
トップレベルの海外移籍という、現代サッカーのトレンドに対応するためのものなのは明白で、まさにJリーグのトップに座るのに相応しいクラブと化しつつあります。
もう一つの巨頭である川崎が、選手を大事にしていくスタイルを採っているのとは対照的で、その両雄の決着に今季も注目といった所でしょうか。

今オフも、2月に入るという段階でGK高丘の海外移籍が発表される(正式決定はまだ先との事)事態となるや、すかさずフリーとなっていた飯倉を再び獲得と手当て。
イレギュラーに対する素早い動きは健在でしたが、流石にこの日出場する事は叶わず。
J1初出場を狙うオビがこの日のGKとなりました。
またセンターバックが本職の新戦力・上島が右サイドバックで出場という具合に、試行錯誤の跡が見て取れるスタメン。

いきなりその上島がヘッドでのバックパスをミスし、甲府のコーナーキックからスタートするという危なっかしい幕開けとなった試合。
その二次攻撃、左サイドからカットインを仕掛けた須貝がシュート(GKオビキャッチ)を見せた甲府、王者の隙を突かんとします。

マリノスはやはり本職でないその右SBが足枷となっているようであり、本来の流動性を見せるのはもっぱら左サイドから。
永戸が例によって偽SBの動きを交えながら、エウベルと良い関係性を保ち抉っていく攻撃を見せていきます。

7分に甲府は左サイドを三浦・水野のコンビで攻め上がり、再びCKに持ち込み。
キッカー松本凪がクロスを入れ、クリアされた所を鳥海がミドルシュート。
GKオビがセーブし、跳ね返りをさらに須貝が詰めましたが枠を捉えられず。
セットプレーも絡めてゴールを脅かしますが、以降はその王者が向けた牙に晒される事となります。

直後の9分に今度は最終ラインから右へ展開するマリノス、パスを受けた上島は斜めの縦パスを打ち込むと、西村がサイドへ流れて空いたスペースのロペスにピタリ。
そのまま逆の左へ展開、スルーパスで左ポケットを突いた永戸がマイナスのクロスを入れる(シュートまではいけず)好機となり。
これを機に、「左サイドではSBが受け手、右サイドではSBが出し手」という基本線が出来上がったでしょうか。

マリノスのボールポゼッションに晒される甲府、自陣でブロックを敷いて耐える時間が増えていき。
反撃としては裏狙いに活路を見出し、敵陣で素早くエリア内へミドルパスを送って走らせる場面を何度か作るも実らず。
また最終ラインからSBを走らせるロングパスも見せつつ、何とかマリノスの高いラインを攻略せんとします。
20分、クリアボールを拾った鳥海が体勢を崩しながらボールキープ、そして送られたスルーパスに須貝が抜け出す好機となり。
そして右ハーフレーンを前進してエリア手前で横パス、そこに走り込んだ鳥海がダイレクトでシュートするも、枠を捉えられず。
綺麗に裏を取ったものの、得点には辿り着けませんでした。

攻撃機会の多いマリノスも、30分までのフィニッシュは2本と決して盤石の流れでは無く。
ここまでは一進一退といった感じでしたが、その30分でした。
GKオビを交えた最終ラインでのパスワークで甲府のプレッシングをかわし右へと展開ののち、上島が例によって斜めの縦パスを通して好機。
西村→水沼と経由し、エリア内右へ送られたパスをロペスが折り返すと、中央での永戸のスルーを経て逆サイドで走り込むのはエウベル。
ダイレクトで放たれたシュートがゴールネットを揺らし、貫禄と表現すべき攻撃で先制点に辿り着いたマリノス。

リードを奪われた事で一層キツくなる甲府。
32分に左サイドから、エースのウタカがカットインからシュートを放った(枠外)ものの、苦境を打開するには至らず。
その後も激しくなるマリノスの攻撃を受け続ける展開を強いられます。
構築する自陣でのブロックを嘲笑うかのように、多彩なパスで翻弄しアタッキングサードを脅かしていくマリノス。

何とか凌ぐ甲府、前半も終盤に賭ける事となり迎えた44分。
マンシャのパスカットから一気にウタカへ縦パスを送ると、その進路で長谷川がフリックでコースを変え、ボールはウタカの先に走り込む鳥海の下へ。
そして横パスを選択した鳥海、託されたウタカがその期待通りにシュートを放ち、ゴールに突き刺します。
しかし副審の旗が上がりオフサイドの判定となると、激しく異議を唱えるウタカを余所にVAR判定に持ち込まれ。
3D映像での綿密なチェックにより、長期のブレイクが齎され固唾をのんで見守る事となった両軍。
微妙な場面ながらも、長谷川が途中で触れた事が奏功したでしょうか。
判定が覆りゴールとなり、甲府が同点に追い付きます。

それも束の間、再び目の色を変えたマリノスの猛攻に晒される前半の残り時間の甲府。
マリノスのキックオフからの攻撃に対し、振出しに戻った事で意気揚々とプレッシングを掛けるも、それをかわされて危機を招くと防戦一方となり。
何とか凌いだ末に、前半終了の笛を聴く事となりました。

両チームともハーフタイムでの交代は無く、始まった後半。
マリノスは前半同様、再びミスでピンチとなる立ち上がり。
甲府が右サイドで鳥海の縦パスがズレてしまうも、回収しにいった角田がコントロールを誤った事でウタカが拾い。
そして切り返しを経て短くスルーパスを送るウタカ、追い越して受けた長谷川がシュート(枠外)と、前年見せた下克上をこの試合でも果たさんという意気込みを見せ付けます。

しかし直後の後半2分に、支柱的存在の山本がマリノス・エウベルのチャージを受け、足を痛めて倒れ込む姿に騒然となる甲府メンバー。
1分程して起き上がり、ピッチ外を経て復帰した山本でしたが、痛みを堪えながらのプレーを強いられる事となります。

立ち上がりの好機を逃した後も攻め上がりを見せていた甲府でしたが、それが遠因となったか5分以降は完全にマリノスが攻撃権を支配する流れに。
攻撃の組み立てもさることながら、ロペスの推進力をはじめとした個の力にも苦戦を見せ始めます。
12分右サイドから前進していき水沼がグラウンダーでクロス、ニアに走り込んだ西村がスリップするもボールはその奥のロペスの下へ。
甲府ディフェンスが何とか掻き出すも、クリアボールがあろう事かマンシャに当たってしまい跳ね返り、ロペスがそれを拾う決定機となりましたがここはマンシャがカバーして撃たせず。
続く13分には中盤で拾ったロペスがそのままドリブル、細かいタッチで突き進み長谷川・マンシャを立て続けにかわし。(エリア手前でボールロスト)
こうなると常に複数での対応を強いられ、それが更なる綻びを生むという流れは避けられず。

甲府が15分に先に動き、水野→ジェトゥリオへ交代。
そして迎えた16分、最終ラインから攻める姿勢のマリノス、ここで角田がドリブルという選択肢を取ります。
それは見事に奏功し、敵陣に進入したのち送られた角田のスルーパスで裏を取ったロペス。
エリア内から放たれたシュートはGK河田が足で辛うじて止めたものの、右ゴールポストに当たった跳ね返りを西村が綺麗に詰め。
どうしても相手FWへの警戒心が高まる甲府ディフェンス、角田の持ち上がりに成す術無かったという感じで、マリノスが再びリードを奪います。

反撃に掛かりたい甲府ですが、やはりマリノスのプレッシャーを前に、前半同様裏狙いが中心。
ウタカが様々なポジションを取り、そのスペースに須貝やジェトゥリオが走り込んで受けんとするも、上手くいかずに防がれ続け。
23分に佐藤がエリア内右へミドルパス、走り込んだ須貝が受けてそのままシュートを放った(ブロック)のが唯一の有効打だったでしょうか。

マリノスは22分に2枚替えを敢行、西村と水沼に代えてマルコス・ジュニオールとヤン・マテウス。
新たな矢を前線に投入し、尚も攻め手は緩めません。
26分にマルコスのスルーパスでエリア内へロペスが抜け出し、シュートを放ちましたがこれはオフサイド。
28分には甲府のプレッシングをかわして敵陣へ進入、右ハーフレーンでボールを持ったマテウスが、エリア手前から巻くシュートでゴールを狙い。(GK河田セーブ)

甲府は27分にジョーカー・三平を投入。(鳥海と交代)
三平は2列目の位置を取り、ボランチの片割れの松本凪が一列前を取るようになり。
4-1-4-1のような形で、前への意識を高めに掛かるもさしたる効果は得られません。(サイドハーフは右にジェトゥリオ・左に長谷川)
最後の交代は36分で、佐藤→武富。
松本凪がアンカーへと移るという最終布陣となります。

裏狙い一辺倒では限界があり、SHがボールを持っても、個の力の違いを痛感したのか勝負にいけない(パスを選択するも眼前でカットに遭う)というシーンが目立った甲府の攻撃。
38分にGK河田からショートパスで繋ぐ攻撃を選択を採ります。
なし崩し的といった感じでしたが、降りて来た武富を中心に繋ぎ、長谷川のスルーパスはカットされるも尚もこぼれ球を繋いで敵陣へと運びます。(その後右から須貝がクロス)
この一瞬見せた変節が、今後リーグ戦を占うワンシーンとなるでしょうか。

マリノスは39分に喜田→藤田譲瑠チマへと交代。
その後はポゼッション力をふんだんに活かし、敵陣に進入しても戻して作り直すというシーンを増やして甲府の反撃機会を削ぎに掛かります。
45分に得た右サイドからの直接フリーキックも、一旦ターゲットの位置を取ったセンターバックが戻った挙句、戻しを選択するという徹底ぶり。

そのままアディショナルタイムへと突入。
何とか攻め上がりたい甲府、最終ラインから山本を中心にロングパス攻勢を掛けんとするも不発に終わると、再びショートパス主体からの好機。
須貝のクロスがブロックされてCKを得ると、マリノス・上島が足を攣らせるのを尻目にGK河田も前線に上がりキッカーは山本が(この日初めて)務める、最後と言ってもいい攻撃に。
上げられたクロスはクリアされるもこぼれ球を三浦がエリア内へ送り、跳ね返り→再度三浦がロビングという流れを経て、こぼれたボールを拾ったジェトゥリオがエリア内右からシュート。
綺麗にネットに突き刺して同点か、と思われましたが無情にもオフサイド。
シュートしたジェトゥリオ以前に、三浦が上げたロビングの落下点に入った武富がオフサイドという判定なため、その後の(甲府サイドの)異議もピントのズレたもので終わってしまいました。

結局2-1のまま試合終了の笛が鳴り、シーズン最初のタイトルはマリノスのものとなり。
これがこの大会初の栄冠というのは意外でしたが、まずは王者に相応しい船出となりました。


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