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DAZN観戦 2023年J2リーグ第4節 徳島ヴォルティスvs東京ヴェルディ

2023-03-16 16:01:34 | サッカー視聴記(2023年J2)

<徳島スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 前節の4-1-2-3から、再び開幕節のダイヤモンド型4-4-2へ布陣変更。
  • 正GKスアレスは前日の練習中に小破したとの事でベンチ外。
  • そのGKでは、松澤が仙台へレンタル移籍したため登録抹消に。

<ヴェルディスタメン>

  • 守備時は齋藤が前に出て4-4-2の形を採る。
  • センターバックの谷口が故障離脱中。
  • エンゲルスが初スタメンでセンターフォワードに。
  • それに伴ってかベンチメンバーも一新、GK佐藤・綱島・佐川・西谷亮が今季初のベンチ入り。

放送席の談で、徳島県出身のため凱旋試合である事が語られたヴェルディ・城福浩監督。
今節は思い切ったメンバー編成を採りましたが、一種のお試しとなった感があり。
初スタメンのエンゲルスを始め、ベンチには未出場のメンバーを並べて控えさせるという具合。

こうした采配は地元云々とは無関係でしょうが、数多のメンバーを駆使して戦う人心掌握術はベテラン監督の風格が漂っている城福氏。
その一方で戦術面は……という評価もありますが、この日は逆に戦術重視の節がある指揮官の代表例であろう、ベニャート・ラバイン監督率いる徳島が相手。
対照的な運営の2チームがぶつかり合う試合だったでしょうか。

試合開始前から強風が吹き荒ぶコンディションで、前半の追い風は徳島。
その影響もあり、入りのお決まりといえるロングボール合戦を制し、攻撃権を支配します。
前半3分に左サイドで拾った杉本太から細かく繋ぎ、左ポケットを突くスルーパスに走り込んだ坪井がヒールで落とし。
詰めにいった渡はディフェンスに遭うも、こぼれ球を西谷和がシュート(宮原がブロック)とファーストシュートに辿り着いた事で優勢の流れを築き。

岡山と同じくダイヤモンド型4-4-2(4-3-1-2)の形を採る今季の徳島。
しかしサイドバックが最終ラインでビルドアップに絡む岡山とは対照的に、盛んに両SBが上がりを見せるスタイル。
それは攻撃に人数を掛ける事に繋がりますが、布陣が布陣なだけに、サイド攻撃がそのSBに依存するような形という印象を受けました。
前年までウイングが主だった浜下が右SBを務めているのもそのためで、そうした形を作ったうえで、右には坪井・左には西谷ないしは杉本太が絡むパターンでしょうか。
それ故単騎突破で相手ディフェンスを切り裂きポケットを突くシーンは激減し、大外からのクロスが主となり、サイズの足りないFWを要してのその攻めはどうかという疑問を抱かせながら時間を浪費していきます。

どうしてもボールポゼッションを高める攻撃に依存せざるを得ず、といった徳島。
一方のヴェルディは、最前線に入ったエンゲルスという要素もあり、その徳島のビルドアップを積極的に阻みにいく事は出来ず。
逆に攻撃では、徳島の薄いサイドを突いてアタッキングサードに進入。
その流れで10分に得たコーナーキックでは、キッカー齋藤の低いクロスを宮原が足でフリック、これがゴールに向かったもののGK田中が何とかセーブ。

徳島も20分、左サイド奥での外山のクロスが宮原のハンドを誘いフリーキックと、セットプレーでの好機。
クロス→跳ね返しから空中戦となった末に、エリア手前から浜下シュート(ブロック)→外山シュート(ブロック)とダイレクトでのフィニッシュを浴びせ。

ともにセットプレーからフィニッシュシーンを作るも、流れの中からでは凡戦といった展開で時間は進み。
30分過ぎ辺りから徳島が再び攻撃権を支配する流れとなり、やはり空中と地上の2つからの攻めを選べる有利な状況というのは大きかったでしょうか。
しかしその片割れである空中から、つまりロングボールによる攻撃では、渡へのロングボールの配給から巧く繋げられず機能したとは言い難く。
32分にはカカのロングパスは左サイドで上がっていた外山に合わせたものの、外山はヘッドから収める事は出来ずと、折角の追い風も味方に出来ません。
西谷和がターゲットを務める場面も時折出るなど、待たれるのはポストプレイヤーの台頭といった所。

徳島は敵陣でのパスカットも目立たせるなど、ヴェルディに攻撃をさせずにゴールを目指したものの、肝心のフィニッシュ数は膨らまず。
終盤にはその間隙を突いて前を向くヴェルディに対し、柿谷がエンゲルスに対する反則で警告を受けるといった具合に、明らかに攻めあぐねが苦戦に直結するようになってきました。
アディショナルタイムには中央から前進する坪井が、やや無理目なミドルシュートを放つ(枠外)シーンも見られ、消化不良のままスコアレスで前半を終えます。

ハーフタイム、後半追い風となるヴェルディは圧を掛けるべく選手交代。
エンゲルスに代えて梶川を投入、河村がCFの位置へとシフトする前節スタメンと同様の布陣を採りました。

前半0-0というのは、この風の影響も考慮しての狙い通りといった節があったヴェルディ。
その通りに、CFとなった河村を中心としたプレッシングが後半立ち上がりから冴え渡ります。
それを受けた徳島の最終ライン、向かい風にも拘らずロングボールを蹴らざるを得なくなり、そしてそれは前線に届かずと機能不全に陥る攻撃。

自然現象の味方もあり、ギアチェンジが相手を苦しめるという状況を作ったヴェルディ。
そしてその流れの通り先制点に辿り着いたのは後半6分で、最終ラインでパスを乱させた末にGK田中にフィードを蹴らせて回収というパターンを経て、右サイド手前からバイロンがクロス。
合わせにいった河村の前で浜下がヘッドでクリアに入るも、これがゴールへと向かってしまい、バー内側を叩いてゴールインするボール。
押される展開を強いられた結果の、徳島のオウンゴールという形でスコアが動きました。

ビハインドとなった徳島、ビルドアップ改善を図り以降白井が最終ラインに降りて組み立てるシーンを目立たせます。
これで地上から何とか前進が図られるも、中央を固める意識が強いヴェルディを崩すのは容易では無く。
開幕前は中心選手と持て囃された柿谷は、むしろ繋ぎ役に徹する場面が多々。
巧みなトラップでボールを置いたのちにパスを供給したり、敵陣でのルーズボールを頭から飛び込んで繋ぎ直したりという具合に、巧さと泥臭さの双方を見せるものの結果には繋がらず。

そしてヴェルディのプレッシングに悩まされるのは相変わらずで、12分には最終ラインでパスミスを犯して右サイド深めでバイロンがカットしたヴェルディ。
ここはフィニッシュには繋がらずも、18分には再びGK田中に蹴らせた末にCBの平が前に出て強引に奪い、細かいパスを経ての森田のダイレクトでの縦パスで決定機に。
受けた河村がエリア内へ切り込み、前に出たGK田中を右にかわしてシュートしたものの、戻ったカカのカバーで惜しくもゴールならず。

前節までにも増して難儀な試合を強いられる徳島、(ヴェルディのCKを挟んだ)その直後に2枚替え。
外山・杉本太→内田・杉森へと2枚替えを敢行します。
これで安部が左SBへとシフトし、杉森が右FWとなり西谷和が左インサイドハーフへ。

外山を退かせる事でSB依存を強引に改めた格好となったでしょうか、以降左サイドアタックの中心は西谷和が担い。
また安部のシフトで、バイロン中心のヴェルディの右サイドに蓋をせんとした感もあり。
しかし22分にはその安部が、裏抜けを図るバイロンに対するオブストラクションで反則・警告を受けるなど、踏んだり蹴ったりの状況は続きます。
尚も打開を図らんと、直後に坪井→児玉へと交代するラバイン監督。

それでも状況は変えられず、24分には今度は内田が、パスカットした河村を倒してしまい反則・警告。
これで得たFKでは、キッカー梶川のクロスが(風の影響もあり)直接ゴールに向かうも、GK田中のセーブでCKへ逃れ。
尚もヴェルディの好機は続き、このCKからもクリアボールを拾ったバイロンが右ポケットを突き、角度の無い所からクロス気味にシュート。
GK田中が足で弾くも、さらにワイドから走り込んだ梶川がグラウンダーでシュートを狙い、跳ね返りをさらに林がシュート(枠外)と3連撃。

27分に徳島は、ロングフィードを西谷和がフリックと、向かい風とそれに対するヴェルディ側の意識を逆利用したような形で好機を作り。
杉森が左ワイドからポケットに進入する流れになると、杉森は戻りからのミドルシュートを選択。
これをファーサイドで渡が跳び込むも、合わせられず枠外とモノに出来ません。

同点に追い付かんと焦る徳島に対し、ヴェルディはカウンターも交えながら時間と攻撃機会を奪っていき。
そして31分梶川が味方のクリアボールを繋いだのち、自ら齋藤とのパス交換で前進した末に、カカに倒されて反則。
これでゴールから近い位置での直接FKを得ると、左ハーフレーンやや外側なため、直接かクロスかの両対応を強いられる徳島(壁は2枚のみ)を嘲笑うかのように梶川が直接シュート。
これが巻いてゴール左隅へと突き刺さり、良い時間帯で貴重な追加点を古巣相手に齎しました。

一方反則が膨らんだ末に、そのFKで決められるという悪循環となった徳島。
何とか反撃に掛かるも、ヴェルディの中央の硬さの前に攻めあぐみが続きます。

そのヴェルディは、36分にバイロンが足を痛めたのを契機に最初にカードを切り。
バイロン・齋藤→楠・西谷亮へと2枚替え。
共に初出場と、2点差となった故の交代策と映ったものの、39分にはその楠が右サイドをドリブルで駆け上がるなどアピールチャンスを活かさんとするプレーで沸かせます。

窮地の徳島は38分に最後の交代。
浜下・渡→西野・森へと2枚替え(右SBには杉森が回る)したものの、劣勢を挽回する事は叶わず。
スルーパスを送ってもオフサイドを採られるなど、ヴェルディのしたたかな守備の前にフィニッシュにすら持ち込めません。

最終盤を迎え、残っていた交代カードを切っていくヴェルディ。
44分に森田→綱島、ATに川村→佐川へ交代と、勝利への進軍と新戦力の初出場を同時に敢行させていき。

結局0-2のまま試合は動かず。
その監督としての信念で、数多の選手を動かしつつ結果を出さんとする城福氏の真骨頂が垣間見えた試合となりました。


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