バットで気迫をみせた山崎武。試合後は言葉でチームを鼓舞した
(クライマックス・パ第2ステージ第1戦、日本ハム9x-8楽天、日本ハム2勝、21日、札幌ドーム)落ち込んでいるひまはない。計り知れないショックを断ち切るべく、山崎武が先頭に立った。試合後、サロンに全選手を招集した。
「みんな暗くなるな!! 福盛、気にするな、元気出していけ!! 負けは痛い。けど、手応えも感じた。感覚もつかんだ。ダルに負けて0勝2敗になったと思っていこう。切り替えて、あしたは明るい顔でいこう!!」
必死にまくし立てた主砲の声に、最後には全員が「オウッ!!」と応じた。もちろん、これだけで全員が切り替えられるはずはない。それでも約20時間後には、第2戦のプレーボールがかかる。いてもたってもいられなかった。
山崎武自身は、この日も4番の仕事を果たした。2点リードの七回二死満塁から左翼フェンス直撃の走者一掃二塁打。17日の第1ステージ第2戦でも鉄平が歩かされた後に3ラン。
「毎回毎回、鉄平さんが敬遠されるんで、いいとこで打たないと影が薄くなるから」
幻のダメ押し打に終わったとはいえ、これでCS3試合ですべて打点を挙げ12打数4安打7打点だ。
「ここまできたら、負けは福盛ひとりだけのせいじゃない。でも、こんなこともあるんやね。勉強になったわ」
バスに乗り込むときには笑顔さえ見せた。プロ23年目、40歳にして初めて踏んだポストシーズンの大舞台。簡単に幕を引くつもりはない。(サンスポ)