ミニゲームでシュートを放つ森本(左)。“オレ流”の本田ですら、一目を置く存在だ
日本代表・静岡合宿(6日、静岡市内)3連戦に臨む日本代表の合宿がスタートし、7日に再開試合のある鹿島と川崎の選手を除いた24選手が参加した。初合流のFW森本貴幸(21)=カターニア=は貪欲(どんよく)にゴールを狙うことを宣言。8日のアジア杯最終予選・香港戦(アウス)で起用される可能性も浮上だ。
ベールを脱いだエース候補に、誰もが視線を送らずにはいられなかった。「テレビで見ていた選手ばかり」という練習前の初々しい発言はどこへ、森本は台風の影響で雨脚の強まるピッチに入ると、牙をむいた。
4人1組でのシュート練習。回ってきたボールに遠慮はない。ほとんどほかの選手には回さず、多少無理な体勢でもゴールに蹴り込んだ。
「FWなんで点を獲りたい。点を獲れば褒められ、獲れないと批判される。イタリアはそういうもの」。地元カターニアで「イタリア代表入りもできる」とまでいわれる男は、18歳から染みついた“イタリア流”を岡田ジャパンでも貫く姿勢を示した。
9月のガーナ戦で4得点したが、決定力への不安は解消されていない日本代表にとって、森本への期待は高まる。いつもは“オレ流”のMF本田ですら、北京五輪でともに戦っただけに「規格外なのは間違いない。ピッチ外もプレーも。あの嗅覚は盗みたい」とビッグマウスを封印。FW佐藤寿は「年下だけど、いろいろ話を聞きたい」と、まるで師匠扱いした。
岡田監督は10日に対戦するスコットランドの来日メンバーが最強布陣となったため、新戦力のテストを8日の香港戦に変更することを示唆。3連戦の初戦でA代表デビューの可能性が浮上した。森本を「まだ遠慮がある」と見た指揮官は、7日に個人面談を行うことも決めるなど、期待を懸けている。
今季早くもリーグ3得点の一方で、宿舎にはスーツにスニーカーという珍妙ないで立ちで登場。ピッチ内外で「規格外」な21歳の大砲は、岡田ジャパンの大きな武器となる可能性を秘めている。(サンスポ)